ザ・グレート・展開予測ショー

慟哭後編そのに


投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 3/28)

「アンタのほーがマシだったでしょ?」
とは、仕事を終え、呆然とする若者を無視し、報酬を貰ったあとの美神の言葉である。
もう太陽も沈んでいる。
ちなみにここは都心から離れた―緑豊かな場所―若者が所有する別荘である。
止まっていってくださいと言われたのだが、こんな場所に一時も居たくない二人はさっさと外に出、車に向かう。
もちろん、地上を照らす灯りは、少なく変わりに空を彩る星が美しい。
横島は、うーんっと背筋を伸ばし息を吐いていた。
夜の空気が冷たく心地よい。
「まあ、アレより駄目なんぞ言われたら、あわせる顔ないですよ」
と自嘲まじりの声。
「―そおね―あんなろくでなし」
美神の評価も容赦がない。
と、ふと、何か思いついたように美神は顔を上げ
「じゃあ、さ、もし、アンタの前に、今現れたらどうする?」
魂だけで。
その言葉に横島は、笑った。
とても、とても、優しい顔で―。
そして言う
「どおすると思いますか?」
と。
「そおね―アンタが実体のないねーちゃんを縛り付けておくわけないわね」
さっさと生まれ変われってって言うわよ。
といって笑う。
「もちろん―ですよ」
くしゃりと顔を歪ませ横島。
「絶対に―絶対に―絶対に―言うもんか―」
なんども繰り返す言葉
ぽたりと涙が落ちる。
嗚咽が、漏れる。
美神は、何も言わずただ横島から背を向け空を見上げた。

おわり

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