ザ・グレート・展開予測ショー

ロード オブ ザ ループ


投稿者名:三遊亭楽栄
投稿日時:(02/ 3/26)

●SCENE0  「小屋での出来事」


「ねえ、あたしの本当のお父さんは誰なの?」

  主演  美神令子

「なに言ってんだ令子。父さんに決まってるだろ。。」

  …… 美神公彦

注射器が見えます。
その父さんは、娘の方をじっと窺っているようでした。
令子は、喉下を抑え始めてのたうち始めていきます。

美神公彦 「終わりにしよう。父さんも直ぐ逝く。」
美神令子 「助けて父さん、お父さん……!」
美神公彦 「令子!」

抱きしめようとしても、苦しさのあまりに令子は手を振り解きました。
そのままのたうちつつ庭へと転がり出て行きます。
よろよろと体を揺らしながら、井戸へ向かっています。

美神令子 「嫌よ、嫌よやめてぇ………!」

吐く様に井戸の中下に向かって叫びます。
叫びが、嗚咽にとって代わりました。

みかねた公彦は、大家さんのナギナタを手にしていました。
追いかけ背後に近づいて行きます。
鉈先が光っています。

美神令子 「ぎゃああああ…!」

鉈が一度突き刺さって離れた頭を抱えています。
顔半分に血飛沫が降りかかり汚れていました。
手で顔を覆いながらもう片目で公彦の姿を見ました。
その眼は………大きく瞳孔を開け「貞」という文字を浮かび上がらせています。

美神公彦 「令子ッッ!」

公彦はナギナタを懸命に振り落としました。
命中した時には令子の体は逆くの字に曲がり、水の中へ落ちていくところです。
公彦は、底を見届けながら意気消沈しています。
その後悄然と顔をあげました。


●SCENE1 「秘密の女子寮にて」


時は流れて30数年です。
その井戸のあった場所は、鉄筋コンクリート製の重い蓋で封印されていました。
そして令子の住処は立壊され、六道女子学園の専用女子寮が立てられました。
ある3人の女学生が1人の男友達を連れ込んでいました。

「まーまー、遠慮すること無いですよ。」

  ……  氷室キヌ 

「ちょっと散らかってるいますけど。」

  ……  弓かおる

「女の子の部屋に入るのなんて初めてだぜ。」

  ……  伊達雪之丞

「この機にやっちまえよ弓。」

  ……  一文字魔理

4人の契約している部屋は105号室です。
それは固定された机の真下に、重い蓋で封印されていた井戸が位置していました。
その机の上で、パソコンを起動させていました。

氷室キヌ 「これが、入寮当時3人でとった写真なんです。」

画面に指を指しています。
真ん中におキヌ、左に弓さん、右に魔理さんが映っています。
弓の顔が赤くなっています。

伊達弓之丞 「へえ可愛いじゃネーか。」
雪かおる 「そ、そう?」
伊達弓之丞 「ところで、それなんだ?」

雪之丞のふと視界に入ったメモリーカード。
DVDは表面に何も記載されていないままです。

一文字真理 「ああ、それが面白いメドレーカードなんでな。」
弓かおる 「メモリカードでしょ。」
一文字真理 「そうそう、このメモリーカードが何度いじっても作動できなくて。
       今日呼んだのは、このDVDを調べて貰いたいと言うのも一つさ。」


●SCENE2 「バイクと衝突しかけて」


時間はさらに604,788秒程流れかけていました。
一人の男がバスに乗って除霊先から戻ろうとしていたときの事です。

「ふう疲れたな−−。早く家帰ってアンちゃんの顔を見ないと。」

  主人公  ピエトロ=ド=ブラドー

眼の前を過ぎて行くバイク。

ピート 「うわっと!乱雑な奴だな。」

バイクが停留所を横切って信号にかかるところです。
そこで乗っていたライダーがコケました。

一文字魔理 「うわああ!」
ピート 「大丈夫ですか。」

魔理さんは喉元を抑えて苦しがっていました。
ヘルメットが取れないかのように、体を倒したまま空をもがいています。
起こそうとしたところで、ぴたりと体が硬直していました。
それだけでなく、口元も眼もぱっかりと大きく開けたままです。
まるで、遠くに何かを凝視していたかのようです。

ピート 「あ、魔理さん!魔理さんじゃないですか……!
     何で行き成り……!!」


●SCENE3  「ICPO現場」


その時、時計が同時止まっている事に気付きました。
午後2時38分51秒です。
そのほぼ同時刻のこと、ICPOに連絡が入りました。

「え、俺の……おキヌちゃんが………!!」

  …… 西条輝彦

西条さんのお嫁さんは、おキヌちゃんです。
結婚1年にも満たないまま行き成り妻を無くしたのです。
持っている受話器が、床に転げ落ちています。
肩をがっくりさせて顔を伏せた西条さんでした。


●SCENE4  「謎の突然死」


また同じ頃の午後2時38分25秒です。
府中街道沿い、府中刑務所近くであるペアルックがガス欠の車の中にいました。
でもそれはコジツケで、????に耽るためでした。

弓かおる 「あ…はぁ、はぁぁあっ、あんっ!」
伊達雪之丞 「も、もう少しだ……」
弓かおる 「も、…そう…、ダメ、じらさないで‥‥」
伊達雪之丞 「俺のクラッチは間接なん………お!」

瞬間、何かの強烈な視線が刺さったかのように2人は仰け反りました。
おしべとめしべが離れています。
2人は更に体を震わせて互いに指を指しあいます。
指す方向の間に、異様な気が発生するばかりに歪みが生じて‥

伊達雪之丞 「うわ、なんだ!た、助け……」
弓かおる 「あの顔……メモリカードの…?」
雪之丞 & 弓 「うっわああああ!」

そういい残すまま、2人の頭がウィンドウを破ってガクンと外へ突き出しました。
心臓が停止しており、車の時計は午後2時38分51秒で停止しておりました。


●SCENE5  「奮い立つ現場」


この4人が同時刻死した事件はICPOに報告されました。
証拠品として、4人が分け合ったと思われるメモリーカードも回収されていました。
それに、除霊から戻ったピートが眼をつけたのです。

ピート 「ちょっと、このメモカを見させてもらっていいですか?」
西条輝彦 「構わんよ。遠慮なくここで見ると良い。」

恐る恐る、電源の入ったデスクトップパソコンへメモカを挿入しました。
うぃいい…ん…と、内部でメモカは作動し始めましたが、
DVD再生ソフトが起動していくのです。

内容は、初めに3と初めに画面いっぱいに矢印で逆円周を描く中に大きく表示されます。
同様に、5、1、4と表記され2と出たあとでザザーと未受信の嵐が吹きすさんで。
3秒程経ちますと、斜め四方からオレンジ色に染まりあがった塊がみえます。
それは髪を靡かせる様に中央に寄って行って、斜めに紫色の棍が浮き上がり、
光が片側から膨張するかのように伸びます。
光は画面いっぱいにフラッシュして、余りの鋭い視線が無数に浮き上がっていました。
次で、漸く人が出てきます。
それは唐巣そっくりの人間で、サースークーーハナ、サースークーーーハナ、俺のダッドの船が行くーー
と歌っていましたが、その背後に、下のように謎めいたテロップが流れていました。

     期  お  見  60  こ
     48  の  限  前  た
     者  00  運  ま  の
     命  で  脳  は  秒
     裏  あ  後  か  に
     解  に  る  に  ら
     か  逃  除  備  一
     つ  け  れ  す  え
     ら  る  ら  の  心
     れ  災  拍  れ  た
     め  焼  い  数  る
     は  方  の  き  を
     絶  ゼ  法  方  付
     を  法  い  対  ロ
     た  受  ま  た  の
     こ  戒  け  で  っ
     鈍  た  と  め  な
     け  く  一  を  そ
     つ  示  の  れ  な
     も  ば  っ  だ  し
     て  の  得  て  け
     い  残  お  こ  な
     い  く  す  く  そ

こんな謎めいたメモカ内容を見ただけなのに、2人は吐き気を催していました。
何者かの強大な呪いが如何にも掛けられたのかとばかりに錯覚を覚えていたのです。
助かる方法はこうなれば─────
かくして、2人はある個人叙霊業者のもとへ頼みにいきました。

「先ず、そのビデオを見せろや!」

  …… 横島忠夫

こうして3人の謎解きは始まったのでした。


                              製作 クジテレビ リンク・かせん製作委員会

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