ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(38)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 3/24)

ゆぐみさんは漢字表記よりひらがなの方がしっくり来るので、これからずっとひらがな
性格はゆかりを暴走させてない感じ(理想のお姉さん)
しかし、彼女の正体はひみつです


「うう〜、う〜ん」
はぁ〜、どうやら僕はまだ生きているようだ
しかし、体中が物凄く痛い
ふっ、女は敵にまわしちゃいけないね
「あっ、起きた、ふぅ〜良かった、いや〜また今回も埋めないといけないかと思っちゃったわよ」
・・・なんか目を開けるのが恐いな〜
だけど、一生このまま目を開けないでいる訳にもいかないので、僕は目を開けた
「うっ、うわっ!?」
僕が目を開けると、目を前にゆいの顔が近くにあったので驚いた、どうやらゆいは僕の顔を覗き込んでいたようだ
なんか、頭の下の感触もやわらかいし、これって・・・・・ひざまくら!?
「かっ勘違いしないでよ、ジュンイチをあのまま道路に寝かせておいたら、私が悪者みたいになっちゃうからこうしてるだけなんだからね、あくまでフリなんだからね、フリ」
「はいはい、わかってるって」
僕は頭を上げ立ち上がった
一瞬、自分はどこにいるのか迷ったが、どうやらまだ街中にいるようだ
「このあとどうする、ゆい?」
僕はゆいに尋ねた
「そうね〜、まだ時間に余裕あるしゲーセンにでも行きますか、ジュンイチ」
ゆいって言うヤツは、あまり物事を引っ張らない性格だ
さっきのことを一発殴ればそれでOKなのだ
僕はゆいのこう言う性格は好きなんだけどね〜・・・
「もちっ、ジュンイチのおごりで」
「やっぱし・・・」
ゆいはなにかと女の特権を使ってくるんだよな〜
はぁ〜、今月のおこづかい全てゆいに使ってしまった・・・・
人、それを貢ぐと言う・・・・・がくっ

「そう言えば、ゆいは今日も結城さんのところに行ってるんじゃないの?」
そうだ、今日ゆいは結城さんのところへ行っていると思ったから大声で叫んでいたのだ、僕は
「んっ、ああそれね、なんか私が最近毎日来てるから通常業務ができないんだって、だから来るのはいいけど週3回くらいにしてくださいって、それで帰ってきたの」
「それって邪魔だから帰れってこ・・・ぶへっ」
スパンっ、とナイスな裏拳が放たれ僕の顔がへこむ
「そういえば、まだ私除霊とか連れていって貰ってないな〜、まあその内連れていって貰えると思うけど」
どうやら結城さんもゆいを迷惑がっているようだ、ううっすいません結城さん、こんなの押し付けちゃって
とかなんとか言っている内に僕たちはゲーセンの前まで到着していた
中に入ろうとしてるゆいを尻目に僕は外に置いてあるクレーンゲームに見入っていた
そう言えば、こんなこともあったな〜・・・・


「ねえねえ、ゆいちゃん、どこまで歩くの〜、ボクもう疲れちゃったよ〜」
「んもう〜、あと少しで着くんだから、男の子だったら我慢してよね、じゅんいちくん」
それは十年ほど前・・・
僕とゆいは母親におつかいを頼まれお店へと向かっていた、とは言うものの僕たちはかれこれ1時間ほどお店へ向かって歩いていたのだ
目的の店はそれほど遠い訳ではない、多分前に母さんたちと行った時は家から五分も掛からなかったはずだ、それなのに1時間も掛かっているのは、ゆいがお店へ向かう途中近道しようと言ったことにほかならない
「ねえ、ゆいちゃん、1回帰ってからの方が早く行けると思うんだ、だからね、大人の人に道を聞いて1回帰ろうよ〜」
「うるさぁぁい!!そんなに言うんなら、じゅんいちくん一人で帰ればいいでしょ、私はこの道を行くって決めたんだもん」
「そんな〜、ゆいちゃ〜ん」
簡単に言えば迷子なのだ、僕たちふたりは
でも、ゆいはそれを認めようとはしなかった
まったく、この時から僕に迷惑を掛けていたんだから・・・元気があると言うか、ありあまってると言うか、まあ僕に取ってはいい迷惑過ぎるんだけどね
ついでだけど、まだこの時は『ちゃん』や『くん』付けでお互い呼び合っていた、いつから呼び捨てになったのかは覚えてないんだけど、この時はまだそう呼び合っていたと思う
そんな時、僕たちはクレーンゲームを見つけたんだよな〜
「ふっふっふ」
ゆいが突然不敵な笑みを浮かべる
「どうしたのゆいちゃん、おなかでも痛いの?」
突然奇声をあげたのだからそう思っても無理はない
「ちが〜う、私はクレーンゲームを見て笑ったの」
「なんで?ゆいちゃん、クレーンゲーム好きなの?」
「ふっふっふ、私の場合好きとか嫌いじゃなくて、あまりのうまさに『クレーンゲーム嵐のゆいちゃん』と言う異名を持つほどうまいのよ」
「ゆいちゃんゆいちゃん、この場合の『あらし』はこっちの『嵐』じゃなくて、こっちの『荒らし』の方だよ」
「うっ、うるさ〜い、とにかく私は『クレーンゲーム荒らしのゆいちゃん』なの」
「あっ、直ってる」
当時、まだまだ子供だった僕たちに取ってクレーンゲームはまさに宝の山だった
ぬいぐるみなんて家のにたくさんのある、だけどそれでも欲しくなるのはクレーンゲームの魅力なのだろう
「ねえじゅんいちくん、少しやろうよ」
「え〜、ダメだよゆいちゃん、ボクたちおつかい頼まれたんだから早く行かないと」
ただ、当時子供だった僕たちにお金がたくさんあるわけがなく、簡単に遊べるものではなかった
「いいの、いいの、じゅんいちくん、今いくら持ってる?」
「んっ、ボク?ボクは〜」
僕は自分の財布を出し確かめた
百円玉1枚と五百円玉1枚・・・・
五百円玉はおつかいのため母さんから貰ったもので、百円玉は元もと僕の財布に入っていたもの、つまり僕のおこづかいだ
「じゃ、これ、も〜らいっと」
ゆいが手を伸ばし僕の財布からお金を取るとすぐにクレーンゲームへと入れた
今思うとこれってドロボウだよな〜
「ううっ、うわぁぁん、ゆいちゃんがボクのお金を取った〜、うわぁぁん!!」
「別に百円くらいいいでしょ、まったく男の子なんだからこれくらいで泣かないの」
ちがうんだ、ゆいが取ったお金は百円じゃなくて五百円なんだ、これじゃあおつかいで頼まれた『豆腐二丁』買えなくなったからあの時泣いたんだ
「あれ?百円しか入れてないのに六回もできるなんて、なんかラッキー」
「ううっ、ゆいちゃんが取ったの五百円、うわぁぁん、これじゃあ母さんから頼まれた豆腐が買えないよ〜」
「えっウソっ」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
「ああもう、私が悪かったから泣かないで、ほら私も五百円持ってるからじゅんいちくんの豆腐もいっしょに買えばいいでしょ、ねっ」
「うっ、うん、そうだねゆいちゃん」
今考えるとゆいに五百円も取られたのに、こんなことで納得してしまう僕って・・・・バカ?
「よっし、ふっふっふ『クレーンゲーム荒らしのゆいちゃん』の力を見せてやる」



「なっなんで、なんで五回連続で取れないの〜」
ゆいは六回できる内五回失敗していた
三回目あたりから僕は「交代してよ〜、ボクのお金なんだよ〜」と言ったがゆいはやり続けた
『クレーンゲーム荒らしのゆいちゃん』は出任せだったのだろうか、ゆいは六回目の挑戦を始めた
「やった、やったやった、見て見てじゅんいちくん、ほ〜ら私取ったよ〜」
「へぇ〜、すごいね、ゆいちゃん」
「でしょ、でしょでしょ、私ってすごいでしょ」
ゆいが取ったぬいぐるみは、クネクネした体の宇宙人っぽいぬいぐるみで、お世辞にもかわいいとは言えない
「ボクもやってみよ〜っと」
僕はクレーンゲームに残りの百円を入れ挑戦した
「おっおっお、やった〜、取れた〜」
クレーンゲームをやるのはこれが初めてだったが、ゆいがやっていたのを見てたよりは簡単だった
僕が取ったぬいぐるみは、まるっこいクマのぬいぐるみでとてもかわいい作りをしていた
「うっ、あっあのねっ、じゅんいちくん」
「なあに、ゆいちゃん」
「これとそれ、交換しよ」
ゆいは自分が取ったぬいぐるみを僕に差し出す
どうやら僕が取ったぬいぐるみの方が自分のよりかわいいと思ったのだろう
「いいよ、はいっ、ゆいちゃん」
「ありがとう、じゅいちくん、大事にするね」
なんかこの時のゆいの笑顔はかわいいと思った、ホントに嬉しそうで・・・・
今は怒って笑顔だからな〜、歪んでる笑顔としか言い様がない
その後、目的のスーパーに着いた僕たちは頼まれた品物を買って家へと帰った

「あれっ、順一、豆腐を買ったおつりは?」
家に帰った僕は母さんにそう問い掛けられた
「あっ、あの、ええ〜と」
母さんは僕を見てるだけで何も言わない、僕が自分から話すのを待っているのだ
でも、ゲームに使っちゃった、なんて言ったら怒られそうで言いにくかった
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
母さんはずっと待ってる、僕は覚悟を決めた
「あっ、あのね、クレーンゲームに使っちゃったんだ、ごっごめんなさい」
なんとなく僕は謝った
「ふ〜ん、でクレーンゲームで順一は何か取れたの?」
あれっ、怒られない・・・
「おっ怒らないの、ボクを?」
うふふ、と母さんが笑う
「怒られたいの、順一は?」
僕はぶんぶんと首を横に振る
「なら母さん、その話を聞きたいな〜」
「うん、いいよ」
僕は母さんに、初めてクレーンゲームをやったのに取れたことやゆいに五百円を取られておつりが無いこととかを話した、まぁ自慢話になっちゃったんだよな、この時


つづく
まだつづく、ギャグでこんなにながくなるとは・・・
疲れる、がくっ

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