動揺その4・5
投稿者名:hazuki
投稿日時:(02/ 3/22)
傍にいなさい―
『いてほしい』でもなく『いてください』でもないところがらしいことこの上ない。
と、いうかこの言い方ではこれから先も横島は、美神に半永久的にぶちのめされる事決定である。
それでも横島の耳は特別仕立てであるらしく、この言葉が甘く、そして、とても嬉しいものとして聞こえたのだ。
だがひとつ気になったことがあるらしく真剣な顔と口調で切り出した
「いやその―」
とこのうえなく歯切れの悪い言葉。
「何よ?」
と首を傾げ美神。
「えっと―いや蹴りや拳だけならいいんですけど、時には爆弾やら、神通昆(フルパワー)とかもありえるんですかね―…」
額にはうっすらと汗がにじんでおり瞳に冗談の色はない。
どうやら本気で心配しているらしい。
拳や蹴りなら許容範囲……この男の日常生活を察してあまりあるものがある。
と、これにたいしての美神の答えは―聞くまでもなく
「もちろん」
との予想にたがわないものであった。しかも笑顔つきである。
もちろん冗談ではありえない。
日常生活において男性は女性に絶対に振るわれるであろう暴力の確認をし、女性は、そのすこしでも軽減してほしいという男性の訴え(この場合は、その表情が万の言葉よりも雄弁に語っている)に対し、きっぱしと暴力をふるうことを断言している。
これは、本当に恋人どうしというものの会話なのだろうかものすごく疑問である。
―いや、まあ空気は甘いし、ふたりとも真剣にそう思っている訳なのだろうが―
こんな恋人どうし嫌である。
まあ、それはそれとして一方横島はひくひくと笑みをひきつらせながら
「も、もちろんですか」
とそれこそこの世の終わりでも見たかのような声音で言う。
「だから、ちゃんと見極めなさいよ」
つづく
すいません今から飲み会いってくるのでめっちゃ短いです(じゃあ書くなよ自分
今までの
コメント:
- い、色気がないっ(自爆)
しくしくしくしくしく(涙)今回はそこはかとない色気を目指していたのに
どうせどうせっ無理なんだあああっ(逃走!!
いつもいつもコメントくださる方々まじで有難う御座います(涙)
魚高さんのいうとうり夢落ちにしたい今日この頃 (hazuki)
- 素敵ですっっ!飲み会楽しんできてくださいね。 (ニコのり。)
- 美神さんかっこいいです。。。。vv
hazukiさんの美神さんはかっこよくてすごく好きです。vv
色気ありますよ〜!なんかじわじわって。。。♪♪
でもそこはかとないってゆーのもちょっと見てみたかったです。♪(笑) (恵美)
- 色気は写実の描写に勝るとも劣らない中傷の描写(!?)が伝わってきて……ムフフです。
特に暴力について真剣に語り合うところの一部なぞ……!
しかし、私もそこはかとない色気というのも……ムフフ。
ゆめでもし〜あえぇた〜ら〜すてきなこ〜とね〜えぇ…… (魚高)
- しかしまあ、一見「暴力」「蹴り」「拳」なる表現がごく当たり前に存在するこの殺伐とした状況を、何故僕たちは「甘ったるい雰囲気」と表現出来るのであろうか……これぞ正に言霊の魔力?!
と云うより真に恐ろしいのは、惚れた弱みか。 (Iholi)
- ↑他に恐ろしいものとして極楽的日常の浸透……でしょうか。
美神さんの暴力も横島くんを鍛える役に立っていることですし、この二人はこれでO.K.でしょう。
あんまり普通に甘すぎると、読んでいるこっちがメロメロになってしまいますし。 (斑駒)
- こういうラヴ描写、hazukiさん相変わらず巧いですね〜。雰囲気だけで『暴力』という言葉を甘々ワードに変換してしまうとは(笑) (ロックンロール)
- なんと言うか、俺とかと違ってあくまで「極楽」ティストをそのままに、甘さと切なさを同居させられるのが凄いです。師匠、一生付いて行きます! (黒犬)
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