ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(36)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 3/17)

つづき

とにかく僕は逃げていた、自分が戦うなんな無理だ、ゆいみたいに戦える人が戦えばいいんじゃないか
僕はそんなことを考えながら逃げていた
後ろからは羽を広げ僕を追っている魔族がいる
どこまで逃げればいいんだろう、どこまで行けば僕は日常に戻れる?
答えは解っていた、でもそれには大きな勇気と決断が必要だった
「しっしまった!!」
僕は逃げているうちに公園へと入っていた
公園ではたくさんの子供たちが遊んでいる
僕が入ってきたことにより魔族も公園へと入ってきた
「ククク、ここはガキが多いな、人間のガキは下等魔族に高く売れるんだよな、ククク」
うわぁ〜ん・・・・
うぇ〜ん・・・・
子供たちの泣き声が聞こえてきた
子供は感受性が強い、すぐに自分の身の危険を感じ取り泣き出していた
「けっ、ガキがうるせえんだよ」
魔族は砂場で泣いている女の子に近づいていった
『あなたが戦わないから、あの子が犠牲になってしまうのよ、これはあなたの戦い、あの子はまったく関係無いのに』
だけど、だけど僕にはあいつと戦う力も無いし答えを決断する力もないんだ
「うぇ〜ん、うぇ〜ん」
僕には無理だ、僕には・・・・うっ頭が、頭が割れそうに痛い


「なんで、なんでこんなことに・・・」
なっ、なんだここは
僕は公園にいたはずなのに、いつの間にか街中にいた
「俺たちがお前らに何したって言うんだよ」
口が勝手に動く、いやいまの僕は五感の内視覚以外は機能しておらず映像だけが脳に送られていた
それはまるでカメラマンが登場人物になりきっているドラマを見ているようだった
映像が上空に向けられる、空にはカブトムシなどの昆虫たちと普通海を移動する時に使うはず船が主飽などを発射して攻撃し合っていた
昆虫の中からゾロゾロと魔族たちが地上に降り立ってくる船の方からも続々と神族が降りてくる
そして、両者はたくさんの人間がいる街中で戦い始める
神族が乗っていた船から主飽が発射されるが、昆虫型の戦艦の方が機動力があるらしく避けられてしまった
避けられた主飽は街中にある高いビルへと当たり、ビルの上層部が崩れ落ちる
その崩れ落ちたビルの下には逃げまどう人々がいて・・・・ビルに潰される
地上に降り立った魔族と神族はだれ構わずに殺してゆく、まったく関係のない人間までも・・・・
うっ、見ているだけなのに気分が悪くなった、なにもすることが出来ない自分が嫌になった
「うわぁぁぁ、やめろ、やめてくれぇぇ!!」
僕も同じことを叫んだ気がした、止めてくれ、関係の無い人たちばかりじゃないか
街は一瞬にして戦場し化していた
絶望とは何もできないことを差すのだろうか、それなら絶望と言うのは今この時を差すのだろう
映像が小さな女の子に向いた、その女の子に魔族が近づいている
その映像に映っている女の子と公園の砂場にいた女の子がシンクロした
「やめろぉぉぉぉ!!」
走り出していた、無我夢中で走り出していた、あの女の子を助けるため・・・
「うわぁ〜ん、うえ〜ん」
女の子が身の危険を感じて泣き出す、待っててくれいま助けてやるから
「うおぉぉぉぉぉ!!お前らぁぁぁぁ」
「なっ、なに!?ぐはっ」
近づいている魔族を無我夢中で斬っていた
一刀両断、一撃だ
「うぇ、ううっ、ありがとうお兄ちゃん」
魔族を斬ってから自分が剣を作り出したことに気付く
「この力さえあれば・・・・」
とにかく余裕が無かった、この能力について迷ってるヒマなんて無かった
この能力を使い多くの人を助けたかった

僕はいつの間にかこの映像を自分のことのように感じていた
迷ってなんかいられない、助けなきゃ・・・助けなきゃいけないんだ


こっここは、公園?
砂場にいる女の子に魔族が近づいている
僕は決断をした、僕は・・・僕が出来ることをすればいい
「死ね、ガキ」
「やめろぉぉぉ!!」
僕は魔族に飛び掛かり女の子から遠ざけた
自分の命を賭けてなにかを守るなんてバカがすることだ、なら僕は・・・・・バカでいい
「早く逃げて!!」
僕は女の子に言った
「ううっ、ありがとうお兄ちゃん」
さっきまで砂場にいた女の子は逃げ公園には僕と魔族しかいなくなった
「僕が目的なら僕だけを狙え、お前の相手は僕がしてやる」
僕は魔族から離れいつの間にか持っていた剣を構えた
「ふっ、最初からそうすればいいものを、すぐに殺してやるぜ」
魔族が跳び上がりながら大剣を振り下ろす、僕は避けなかった
スパっ・・・・・
振り下ろされた剣を僕は斬った、もう迷ってられない、迷うのはこの戦いが終わってからだ
「ちっ、さっきとは別人のように強くなっていやがる、これが人間の恐ろしさか、だがな」
魔族が横にまっぷたつに折れた大剣を捨て逃げ出す
「待て、逃がすか!!」
僕は追い掛けた、このままあいつを逃がしたらイタズラに被害が広がってしまう
「ククク・・・バカめ、掛かったな」
背中に物凄い寒気を感じた、振り向くとさっき魔族が捨てたはずの大剣が僕に向かって来ていた
やばい、避けられない
「危ない、順一君!!」
突然横から強い衝撃を受け僕は飛ばされた
翔君が僕を突き飛ばし僕が大剣に当たるのを避けさせてくれた、でもその代わりに・・・
「大丈夫か、順一君!?」
「僕は大丈夫だけど・・・翔君の・・腕から血が・・・」
僕をかばったさいに翔君の右腕が斬られ血が流れ出ていた
「ああ、これは大丈夫だから、それより僕は君について知っていることを全部教えるから聞いてくれ」
「うっうん!!」
多分、翔君は僕のこの能力のことなど知っているのだろう、と直感で解った
「人間界と言うのはひとつじゃない、表と裏でふたつあるんだ」
翔君は立ち上がり魔族と向き合う
「お前がやるのか、いいだろう、行け我が魔剣よ」
魔剣と呼ばれた大剣は一直線に翔君に向かっていった
「表世界の人間には霊力などエネルギーを放つ能力を、裏世界の人間にはエネルギーを吸収する能力を持った、ただ勘違いして欲しくないのはどちらも間違いなく人間であり別の生物ではないってことだ」
翔君は向かってくる大剣をガシッと剣の平らな所を両手で抑え込んだ
「表世界の人間は霊力など放つ能力をどんどん強化していった、それとは逆に裏世界の人間は吸収する能力を強化するのではなく、己の肉体を強化していった、こんな風にね・・・・」
バキっと抑え込んでいた大剣を翔君はそのまま押し潰した
「なっ、俺の魔剣がぁぁ!!」
「その裏世界の人間とは僕のことさ、そして順一君もそう」
翔君の右腕から流れていた血は完全に止まっていた、肉体が表世界の人間より強くなっているってことか
そういえば、僕も傷が治るのは早かったような気がする
翔君の話は間違ってないと思った、むちゃくちゃな話なのに素直に受け止められた
でも、じゃあ僕が持っているこの剣は一体・・・
「ただ二十年くらい前に裏世界で特殊な存在が確認された、それが『オリジナル(唯一の存在)』だ」
「オリジナル?」
魔族は僕のことそう呼んでいた、僕は訳も解らずに呼ばれていた
「裏世界で吸収する能力と放つ能力のあの者、それがオリジナルだ、なぜ神魔に狙われるのかは知らない、僕が生まれる前の話だからね、でもその能力は戦っている相手のエネルギーを吸収しそのエネルギーを放つ能力なんだ、だから神魔は恐れてるんだと思う」
それが僕ってことなのか・・・・
「いいか、君はまったく見に覚えが無いのに神魔に狙われている、まさに数奇な運命だ、だけど君は僕の親友に違いはない、それだけは解って欲しい」
「そんな、僕が何者だろうと翔君は僕の親友だし、僕は翔君の親友だ」
「そうだね、その通りだ」
翔君の話に聞き入っている内に魔族がすでに逃げていることに今頃気付いた
しまった、魔族がいつの間にか逃げてしまった
『追うのよ、被害を大きくしちゃいけない、これはあなたの戦いなんだから』
そうこれは僕の戦いだ、だから僕以外の人が傷ついたりしちゃいけないんだ
早く探さないと・・・・
「順一君、僕も手伝うよ」
翔君と僕は走り公園を出た、そして公園を出てすぐの曲がり角に魔族はいた、ぼろぼろの状態で
「ショウか、お前甘いぞ、神魔を殺すのに躊躇なんかしるな、神魔は悪だってことはお前も知っているだろう、さっきなんの罪も無い女の子が殺されようとしてたんだ、こんなやつを殺すのに躊躇はいらない」
ぼろぼろになっている魔族の近くに男の人が立っていた
どうやら翔君の知り合いらしい
「ゆっユウジさん、いままでどこ行ってたんだ、それにさぁバランスを修正するなんてもうやめてくれよ」
「バカかお前は、俺たちは裏世界のためにやっているんだ、いまさら引き返せない、それにそこのお前!!」
ユウジさんと呼ばれた男性は僕を方を指した
「なっなんですか」
「さっきの女の子を助けたのは良かった、俺が行く前に助けたからな、だが俺はお前をオリジナルとは認めない、認めないからな」
そういうとユウジさんはこの場から去って行った
魔族の方を生きているか調べたが、すでに撲殺されていた


僕は逃げることをやめた、逃げることをやめれば逃げる必要はどこにもない
僕は朝霧さんに向き合おうと言った、言った自分が自分の能力と向き合わなくてどうする
僕は自分の能力(ちから)を認めることにした


ところで僕の頭の中に直接話し掛けてく女の人は誰なんだ
『あっ、私はね、恵(めぐみ)って言うの、よろしくね』
・・・・まだまだ解らないことばかりだ

つづく
疲れた、途中で捨てそうになった
でもなんとか書き上げました
次はやらなくても良かったんだけど
メインヒロインゆい救済企画です

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