ザ・グレート・展開予測ショー

ブラインド・デート再び!5


投稿者名:sai
投稿日時:(02/ 3/10)

よーやく本線に辿り着きました。二人でおでかけ、それをフツーはなんと言う!?


三月とはいえ、まだ寒い。ユリ子は黄緑色の薄手のロングコート姿、
横島は・・・いつも通りで通りを歩いてゆく。その表情は珍しく思案顔だ。

「・・・とは言っても、実は彼女の好みってあんま知らんのだよなー」
(だいいち欲がないし)
困った。
アテはっちゅーと・・・・・・あそこはあんまり行きたくはないんだがなー・・・

「ユリ子ちゃん、一軒一応それらしい店は知ってるんだけど行ってみようか」
渋い表情で横島が誘った。

街中にマッチしない、和風の造りの店。その店の中では・・・。

(ぱらぴらぽー♪)
『怖がる事ないのよタカシくん。今度こそブラをはずしてちょうだい。』
『せ、先生!?またっ!?』
「今度こそ!今度こそ行くよろし!!」
『僕、ぼく・・・!せ、先生っ!』
よし行けっ!タカシが先生に手を伸ばしたその時!

ちゃーらーらー♪”つづく”

「「なめとんのかボケー!」」店の番台に座る小男と横島がハモる。
「最近のテレビは引っ張りすぎやー!!」
「・・・・・・この人たち進歩しないのかしら・・・」ユリ子がジト目で二人を見つめていた。

「ってワケでさー、なんかいいのねえか?」
「と言われてもウチはオカルトアイテム屋アルからなー。ぼうずまた織姫のトコへ
いくアルか?」
ぞぞぞぞぞっ!
「そ、それだけは勘弁・・・!」
過剰に引く横島をいぶかしく思いながら、ユリ子はショーケースを物色した。
と、あるものを見つけた。
「あっ!あれがいいわ!」ユリ子が指差した・・・ものは。



「毎度ありー。令子ちゃんによろしくアルー」
「♪」
ユリ子は嬉しそうに厄珍印の紙袋を抱えて歩き出した。ちょっと遅れて、
引きつった笑いを浮かべて横島が続く。その、紙袋の中にあるものは。

『特上線香50本入り (慰霊力抜群!安らぎの薫り!)』

「確かにおキヌちゃんだしそーゆーのでもいいかもしれないけど
 もっとこーなんか・・・ホラ、あるだろっ!?」

「そーですか?」
一瞬きょとんとした表情でユリ子が小首をかしげた。しかし直ぐに
大輪の笑顔が広がる。
「・・・そーですねっ!じゃ、そこの中武百貨店に行ってみましょ!」

きゅっ。
「!」
それは、大分人通りも増えた街中をはぐれずに歩くには必要な事かもしれない。
それでも、横島は一瞬ドキッとしていた。

先を歩いて横島の手を引っ張るユリ子の顔は、横島には見えない。
(ゴメンね。でも手をつなぐぐらいだったら許してくれるよね?)
ユリ子は振り向かない。薄紅色に染まった頬を見られたく・・・ない。

だから。

「ゆ、ユリ子ちゃん・・・!ちょっと待って・・・!」ずるずるずるずる!!

横島が電柱に激突していても気づかなかった。
横島の頬は別の意味で薄紅色(?)だった。

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