ザ・グレート・展開予測ショー

犯罪組織シロバニアU


投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 3/ 8)

第二話:復活のシロバニア

かた・・・かかたたた・・・かた・・・
「ふぅ・・・できたわぃ・・・」
テレサのボディのジョイントは終了した。
後は・・・
「しかし、本当にテレサを目覚めさせて良いのかのぅ・・・」
かつて、テレサが完成したときは壮大に暴れたのである。
「あの時は死ぬかと思ったわい・・・」
その時、だれかの協力があったような気がするが
長い年月によってカオスは、ところどころ記憶が飛んでいるため思い出せない。
「カオス様・・・お茶入れてきました」
四号機”イヴ”が湯飲みにお茶を入れてきた。
「カオス様・・・ディーテ型の量産、終了しました」
「おぉ!そうか!」
このイヴはマリアがいない今カオスの世話をしている。
まぁ、ボケがそれほどひどくないので何とかなっているが。
「はやくマリアお姉さまが戻ってくるといいですね」
イヴはそう口にするが内心では戻ってきてほしくない。
会ったことが無いし帰ってくることで自分の居場所が
なくなるのではという不安があるからだ。

「おい!新入り!お前何勝手に寝てんだ・・・!!」
ぐわっ・・・
「勝手に寝るなと・・・言っていただろ?」
くっ・・・貴様らなんぞに・・・
がく・・・
「お、おい!新入り!・・・死んでしまったのか・・・?」
・・・暗転・・・
私はしばらくして目を覚ました。
生きてる・・・?
私は・・・?
きょろきょろ
・・・ここはどこだ・・・?
私は周りを見渡した。
小屋ではあるらしい。
ただ、おかしいのは、どこかの部屋の中に小屋が置かれているらしいと言うことだ。
がちゃ
ドアの開く音が聞こえる。
おそらくこの部屋であろう。
はたして、人がやってきた。女性である。
「久しぶりね・・・バビッチ・・・」
その女性は私の知る人物であった。
日須持・・・
ぴきーぴきー
私は日須持に呼びかけた。
とは言え、この姿では言葉は通じない・・・
「ふふふ・・・安心して・・・あなたのその悩み・・・解決してあげるわ・・・」
そう言うと日須持は懐から薬のようなものを取り出した。
それは・・・!
「これは、あんたがウサギになった薬・・・覚えているかしら?」
こくこく
首を振った。そうだ と言う合図である。
「その時はあなたは獣じゃなかったけど今は・・・」
そう言うと薬を一つ容器から取り出し投げ入れた。
粒のようなものであり、かつて私が飲んだ薬とは形状が違っている。
まぁ・・・いい。
薬を口に入れるとごくっと飲み干した。
ご丁寧に近くに容器に入った水がある。
ごく・・・ごく・・・
どっくん・・・
心臓が波打つ。
すっ・・・
・・・体が・・・熱い・・・
やはり、かつて私が飲んだものとは違うようだ。
あのときはたいして体が変化するときには衝撃は無かったのだが・・・
ふふふふふ・・・
「やっぱりいいわ・・・」
人化するときの瞬間はたまらないものがある。
助手は自分のことをおかしいと言う。
しかし、私から言わせて貰えば彼のほうがおかしいのではないかと思う。
科学者としてこの瞬間は饒舌に語り尽くしがたいものがあるのだ。
やがて・・・変身が完了した。
「す、すばらしい・・・」
バビッチは自分の手を見た。
あの”手”ではない・・・人間の手。
「ふふふ・・・私が再び世に出るときがきたわけか・・・」
「あ、言っておくけど・・・薬の効果は五分だから」
ぴし
「なんだと・・・!?」
「いや、だから・・・そんな姿で迫らないでよ・・・」
仮に50過ぎといえど日須持桐子は女性である。
つまり、バビッチの今の姿は・・・いや、あえて言うまい・・・
がちゃがちゃ
網がバビッチの行方をさえぎる。
くっ・・・
ドアは何処だ・・・?
だが、探せど探せど見つからない。
しゅー
「あ・あ・あ・あ・あ・・・」
ウサギに戻っていく・・・
「ふぅ・・・まぁ、そこでしばらくすごすことね。わたしの実験体として・・・」
その言葉がバビッチの心に突き刺さる。
「教授、理絵様から電話です」
助手が部屋に入ってきて携帯を手渡した。
理絵の話はいつもの通りであった。
研究の成果はどうか、うまく言っているか。
などといったものである。

「教授、バビッチのことは理絵様には言わないので?」
助手が聞いた。バビッチのことは理絵には言っていない。
「・・・ふん。あんな、小娘に、こんな獲物を渡してたまるものですか」
やがて、二人は去っていった。
くそ・・・実権体だと・・・
なんとかして脱出してやる・・・だが・・・どうする?
バビッチは歯を光らせて決意を固めた。


「日須持・・・やけに早く電話を切る・・・」
理絵はカオスの研究所に来ていた。
理由はもちろんテレサを起こすためだ。
「準備はできたようね・・・」
儀式がおこなわれようとしていた。
いや、おこなわれている。
”儀式”としか言い表すことしか出来ない。
漆黒の黒衣を身につけた老人が怪しげな言語を発し、
顔深くフードを被った魔術師が杖を天にかざし念を込める。
気の弱いものなら気絶しそうな光景である。
「目覚めよ・・・テレサ!我がお前のマスター・一条理絵!」
一瞬、テレサの目が光ったような気がした。
「(これなら、うまくいくかも知れんな・・・)」
カオスは呪文を唱えながら思った。
やがてカオスの呪文が唱え終わると理絵は杖をテレサに向けた。
そして念をテレサに送り込む。
「起きろ・・・テレサ・・・!」
理絵はテレサに呼びかけた。
しかし、テレサは目が覚めない。
「なんで・・・?」
「ははははは・・・アンドロイドの起動に失敗したようだな・・・!”ヒノエ”!!」
!!!
”ヒノエ”というのは理絵のコードネームである。
そしてそれを知る者はエージェントか、あの御方しかいない。
「茂呂!何しにきた!!」
それは20代の男である。
背は低く、何処か威圧的な印象がある。
「お前がアンドロイド作成に力を入れていると聞いて来て見たが・・・残念だな・・・」
にやっ と茂呂は笑った。
この茂呂と理絵とは敵対関係と言うかライバル関係にある。
理由は・・・夢が同じだからだ。
”世界征服”
なんと甘美な夢だろうか・・・
しかし、夢を掴み取ることができるのは一人しかいない。
「なんなら・・・協力してやってもいいぞ・・・」
!?
「それは・・・手を組むと言うこと・・・?」
「まぁ・・・そう採ってもらってもかまわん。我々二人は目的を同じする同士だからな」
なるほど!そう言う考えもあったか!
理絵は感激でいっぱいになった。
「そうね!二人で夢に向かって進みましょう!」
「あ、あぁ・・・」
茂呂はちょっと頬を赤く染めてうなずいた。
「お前の保有する組織と私の機械で・・・な」



次回予告
「あの御方の常に望むものを手に入れる・・・どんなにそれが危険でも・・・」
三十半過ぎの男が目を光らせた。
「真友はボクの助手だ・・・狐の娘を味方にできるぞ」
茂呂の目的とは!?
「私を見てしまったこと・・・とくと後悔させて上げましょう!」
氷の笑みを浮かべた女が火のごとく熱き少女に襲い掛かる!
次回 「犯罪組織シロバニアU」 第三話:エージェントたち
お楽しみに!

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