ザ・グレート・展開予測ショー

誰がために3


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/17)

 伊達と横島に与えられた指令はとある遺跡の調査であった。
「前アシュタロス戦で使われたコスモプロセッサーの残骸より、新たにコスモプロセッサーを作ろうとしている人間がいるらしい。それを阻止せよとのことだ」
 伊達が横島に説明する。
「あれをか?使われると厄介だな」
「Gメン経由で一部の馬鹿な人間に漏れたようだな。西条の旦那も大変だ」
 西条は現在、Gメンの幹部となっていた。
「まあ、普通の人間、多少霊能力のある程度なら俺達の相手ではない」
「しかし、魔族が絡んでいるんだろう?」
「そのためにお前を呼んである。
 お前は強い。今のお前ならある程度の魔族なら相手にならんだろう」
「それが、いいこととは限らない」
と、ゆっくりと歩き出す。調査すべき寺が目の前に迫っている。
「なあ、横島。俺は強いか?ヒャクメの話だと今の俺は美神の旦那を超えているらしいんだが、今一つ自信が無くてな」
「絶頂期のあの人と比べたらどうかはわからんが、今現在なら間違いなく強い」
と、断言する。
「ふ、これで自信がついたぜ。魔族相手でもな!!」

「大丈夫かしらね?あの二人?」
 小竜姫がヒャクメに尋ねる。
「大丈夫じゃないの?あの子達なら多少相手が強くても」
「でも、今回は色々と厄介よね。私達が手出しできないなんて」
「それは仕方が無いんじゃない。私達は神族なんだし。今、魔族との関係はまずいことに成りかけているからね。上はともかく中堅以下ではアシュタロス亡き後の魔族側を制圧するチャンスだと張り切っている人もいるんだし」
「それを受けた魔族側も神魔戦争の再来だと考えている人たちもいる」
「そういう事。わかってんじゃない。今私達が手出しすれば、そういう馬鹿な連中の思い通りよ」
 ヒャクメが諭す。
「まあ、いいわ。あの二人ならどうにかするでしょう。ここは人間達に任せてみましょう」
 何より、あの二人は小竜姫自ら鍛え上げたのだ。それが彼女達に安心感を与えた原因の一つだろう。

「いいか、一気に踏み込むぞ」
「ああ」
 伊達と横島は寺の門の両サイドにて構えている。すでに伊達は魔装術に身を包み、横島は霊波刀を構え、文殊を手に持っている。
「せーの!!」
 伊達がドアを蹴り開け中に突入する。そして、横島も続いて中に入る。時刻は夕方だが、辺りは暗いので、文殊で『明』を作り投げる。
「な、何だこれは」
「コスモプロセッサー?」
 そこには怪しげな機械が作動していた。それを、横島はかつて見た事がある。
「な、何だ?お前らは?!」
 中には数人の人間がいた。
「伊達雪之丞だ。ちょっと、その機械のことを調べさせてもらうぜ」
と。機械に近寄る。そこに、一人の男が神通棍を手に切りかかる。しかし、それをあっさりかわし逆に吹飛ばす。弾け飛んだ神通棍を横島は拾う。その刻まれた印を見ながら、
「やはり、Gメンか」 
と、呟き手の中の文殊に『縛』を作り男達に投げる。これで、まったく動けなくなる。
「どうする?これ?」
 伊達が横島に尋ねる。
「・・・やはり、壊すしかないか」
 一瞬、ある事をしようと考えたがそれをしてしまっては、この連中と一緒だ。
「じゃあ、俺が」
 伊達が霊気を手に集中させる。
「ま、待て!!」
 男が止めようとするが動けない。
「せい!」
 霊気の大砲がコスモプロセッサーに飛んでいく。コスモプロセッサーの一部が吹き飛ぶ。
「もう一発!!」
と、放たれた霊気は空間に現れた手によって防がれた。
「ふう、驚いたな。ここまで強い霊力は久しぶりだ」
 長い金髪の長身の男が現れた。
「本当だな」
 続けて二人現れた。一人は坊主頭。もう一人は赤毛だ。
 三人の共通点は魔族だということくらいだろう。
「何者だ?」
「我が名はカイン。人間達が作り出したコスモプロセッサーを頂こうと思って来たんだが、同じ人間に破壊される寸前だったとは。危ないところであった」
と、コスモプロセッサーに近づく。
「これはもらっていくぞ」
と、一緒に消えた。
「あ・・・」
 横島達は呆然とする。
「さあ、お前達はこのまま生かしておくと厄介だな。悪いが死んでもらう!」
 赤毛の魔族が戦闘態勢に入るが坊主頭がそれを止める。
「ここは、我輩が」
「まあ、いいだろう。くれぐれも気を抜くなよ。アドン。かつて、アシュタロスも人間にやられたという」
 赤毛の魔族も消えた。
「さて、気の毒だが君達には何か危険な匂いがする。死んでもらう」
と、アドンが構える。
「へん。ここは俺に任せろ。横島」
 雪之丞が突っ込む。
「むう?!」
 アドンも意外な伊達の強さに驚く。
「はあ!!」
 息もつかせぬ伊達の連続攻撃にアドンも防戦一方だ。
『俺が、間族相手に押している?凄い。いつの間に俺はこんなにも』
 伊達の表情が自然に嬉しさにほころぶ。
「へえ」
 端から見た横島の眼にも伊達の強さがはっきりとわかる。
「せい!!」
 やがて伊達の一撃がアドンを吹飛ばす。
「いける、魔族相手でもいける!!」
「意外だな。ここまでの強さとは」
 やがて、アドンはゆっくりと立ち上がり懐から小さな木の実を一つ取り出す。
『ま、まさかあれは!!』
 その木の実を見て横島は悪寒を感じる。
「まずい!!」
と、動きを封じていたGメンの連中の近くによる。
「雪之丞!!退くぞ」
「ち、何でだ?」
「俺達の目的はこの魔族じゃない」
 しかし、伊達は聞く耳を持たず、アドンに突っ込む。
「馬鹿め!」
 アドンはその木の実を飲み込む。すると、一気に霊力が膨らむ。
「何だと?」
「死にな」
 今度は伊達のほうが吹き飛ぶ。
「これは、魔界の実。一部の魔族の霊力を一時的に上げることができる」
と、アドンが自身に満ちた表情で二人を見る。

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