ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(27)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 2/17)

長すぎて疲れてきた

「ねぇ、姉さん、この木って絶対に折れないよね、だってこんなに堅いんだもの」
姉さんは少し考えたあと
「じゃあさ順一、この堅い木を私が道具を使わずに倒したら、チューしていい?」
「えっ、え〜とじゃあ、ほっぺになら」
僕は絶対に無理だと解っていたけど、もしものために一応『ほっぺに』と言っておいた
「よしっ、約束は約束だからね」
姉さんはそういうと僕の体から離れて、自分よりも何倍も大きな木に近づいていった
「順一ぃ、この木は倒れちゃうんだから、今の内、目に焼き付けておきなさい」
姉さんは1度軽く木に拳を当てると、右腕を少し引き、腰を落とし気合いを入れた
「よしっ、いくわよ」
バシンッ!!
物凄い音がした、その音が聞こえると同時に木の枝に付いていた葉っぱが風に乗るようにたくさん落ちてきた
「うわ〜、すごいっ」
それは木の葉が雨のように降り注いでいるからだ
雨のように降り注ぐ木の葉の数をすごいが、それを起こした姉さんはもっとすごかった
「姉さんってすごい」
「順一、こんなのに驚いているようじゃ、甘い甘い」
姉さんが僕の方に振り向きながら言う
バキッ
あれ、なんの音だ?
バキバキバキ
その音はどんどん大きくなる
バキバキバキバキバキ
その音と共に姉さんの後ろにある大きな木が傾き始める
バギバキバキゴゴゴゴゴー!!
最後に巨大な音と共に大きな木が完全に崩れ落ちていった
「うっ・・・そ」
僕は悪い夢でも見てるような気がした
目の前にある光景、それは姉さんによって二百年生きた大きな木がものの数秒で地面に横たわっている光景だった
「じゃあ順一、約束は守って貰うからね」
姉さんに取っては木のことよりこっちの方が大事なのかもしれない
「約束は約束だからね」
そう言って僕は目を閉じた
姉さんが近づくのを感じる、じきにほっぺたに何か感触があるだろう・・・・と思っていた
あ、あれっ、なんか唇の方に柔らかいのが当たってるような・・・・
「!?」
僕が目を開けると、僕の唇に唇を重ねている姉さんの姿があった
「ん〜ん〜ん〜、ぷはぁ、ね・・姉さん、ほっぺにって言ったでしょう」
怒る僕に、姉さんは満足したように微笑む
「ふふふ、だって私はほっぺとは言ってないよ〜、だから私がチューしたいところにしちゃった」
そう言うと姉さんはまた笑った
「じゃあ楽しかったし、帰ろうか順一」
そういって姉さんは僕の手を握ると家に向かって歩き出した
よくよく考えるとそれが僕のファーストキスだったのかもしれない・・・・


「でも、そのあとがもっと大変だったんだ、この聖樹は町をあげて大切にしてたからね、警察が動いたり犯人は重機を使える人物だとか、いろいろあったんだけど、まさか十歳も満たない女の子が素手で倒すとはだれも考えなかったからね、事件は迷宮入り、真相は闇の中ってね」
僕はかれこれ何分くらい話しただろう、空は夕日の時間が過ぎ、あとは暗くなるのを待つだけという時間になっていた
「ひそひそ(ジンさん、順一君の姉さんってこんなに太い木を素手で倒すんだから裏世界の人間なんじゃないの?)」
「ひそひそ(バカ言え、いくら裏世界の人間が表世界の人間より、肉体が進化し強くなったとは言えそれは無理だ、俺も二十年前俺が十七の時、この木を倒そうと素手でいろいろやってみたが無理だった、ましてや九歳の女の子だぞ、無理中の無理だ)」
「ひそひそ(じゃあ、順一君の姉さんは何者なんだよ)」
「ひそひそ(俺に聞くな!!)」
翔君とジンさんがなにか話しているみたいだけど、ボリュームが小さくてよく聞こえなかった
「じゃ・・順一君のファーストキスの相手ってお姉さんだったんですか〜、愛されていますね」
朝霧さんは木を素手で倒したことより、そっちの方に関心を持ったようだ
「ん〜ファーストキッスって言えるかどうかは別にして、愛されていることは確かかな〜」
なんか自分で言ってて恥ずかしくなった
「でも、君の姉さんの行動は度が過ぎていると思うぞ」
と、翔君がすかさずツッコミを入れてくる
「まあ、それは認めるけど・・・」
あはは、と僕は苦笑いをするしかなかった
「じゃあ、もうそろそろ暗くなるし僕たち帰るから、真さんの家はどっち、あっ僕たちといっしょか〜、なら途中まで送ってくよ、それじゃあ順一君、また学校で」
「じゃあ、また学校で」
「さ・・さようなら」
「さようなら、朝霧さん」
「順一君、何かあったら、俺のところに相談しに来てもいいぞ」
ジンさんはやっぱり翔君と雰囲気が似ていた、この人なら何故か簡単に相談出来るような気がした
「その時は、よろしくおねがいします」
それぞれにそれぞれの挨拶をして僕は別れた
みんな帰って行ったけど、僕はもう少しここにいようと思った
だれを待つわけでもなく・・・・・


「結城くん、この書類は重要機密だから結城くんの能力で燃やしきっちゃってね、それと私はちょっと出かけてくるからひのめの面倒もおねがいね」
パソコンを使って書類整理していた結城がキーボードをたたくのを止めた
ここはオカルトGメン日本支部事務所である、時には除霊、時には捜査と警察の捜査範囲内では収まらない事件を受け持つ所であるが、大体は書類整理などの地味〜な仕事である
今日もそんな地味な仕事をしていた結城に美智恵から子守をするよう頼まれた
「はぁ、わかりました隊長」
「じゃあ行ってくるわね〜」
美智恵は抱いているひのめを結城に渡し出かけていった
「え〜と、これかな〜いらない紙は、っと」
結城は数枚の紙をセラミック製の器に乗せると、紙が燃えているところをイメージした
ボッ・・・・
「だぁ、だぁだははは」
「ふぅ、ひのめさんはホント、火を見るのが好きですね」
結城が念じた紙はメラメラと燃え、灰へと姿を変えていった
ほれを見てひのめはホントに嬉しそうに笑った
「だぁ、ぶ〜」
灰となって燃え尽きた紙を見てひのめがだだをこねる
「またですか、え〜とこれでいいかな」
結城が重要機密なので燃やせと言われていた紙を器に乗せる、実際は重要機密でもなんでもなく、ひのめ用に燃やすただの紙なのである
ボッ・・・・メラメラメラ
「だぁ〜あはは」
ひのめが火を見て笑う
「せんぱ〜い、僕のたばこにも火を・・・・あちち、あち〜」
結城の能力でたばこに火を付けて貰おうとした西条の頭に火が付きメラメラと燃える
「だぁ、ははは」
「ひぃ、熱い熱い、髪が燃える〜、先輩、みっ水」
「お前は赤ん坊の前でたばこを吸うのか、ええ、このバカ大人が、赤ん坊のことを考えろ!!」
結城が言い終わると同時に西条の頭に大量の水が落ちてくる
ザァァー・・・・
「せっ先輩多い、いっ息が・・・・ぷはぁ〜、は〜は〜」
「これにこりて赤ん坊を前でたばこなんて吸うことを考えるなよ」
「へ〜い、それにしてもひのめちゃん、よく先輩に懐いていますよね」
「私も火が使えるからだろ、それと私はたばこを吸わないからお前よりも懐かれて当然だ」
「でも先輩の能力ってすごいですよね、霊力を火だけじゃなくて、水や氷や風にまで変換できるんですから」
「・・・・・・」
結城はその話に乗らなかった、この能力は確かにすごい結城自身そう思っている
しかし、この能力があったからこそ、あんな戦いに巻き込まれ、あんな悲しい思いを体験してしまったのだ
「先輩、先輩」
「ん、ああ、なんだ」
「ひのめちゃんが先輩の腕の中で寝ちゃってますから、ベットに寝かしてあげましょう」
結城がひのめを見るとすぅすぅとやわらかな吐息をたてて、ひのめは眠っていた
結城はそぉと移動し、ひのめをベットに寝かせてあげた
「おやすみ、ひのめさん」
結城はそう言ってベットのある資料室のドアを閉じた
ドンドン、ドンドン
事務所のドアが叩かれる音がした
「おいっ西条、お前が出ろ」
「へいへい、はぁいどちら様ですか、令子ちゃんなら嬉しいなっと」
ガチャ、と西条がドアを開ける
「え〜と、結城武人さんはおられますか」
そこに立っていたのは、高校生くらいの女の子だった
「あっ、いますよ、せんぱ〜い、先輩にお客さんですよ」
西条が事務所の奥にいき、結城を呼びにいく
「私に客?」
「そうです、女子高生のお客さんです、見に覚えがないってことは遊びで付き合ってた・・・・あじぃあぢ〜」
頭がぼうぼうと燃えるのを感じた西条は、水道のある給湯室へ駆け込んでいった
「はて、女子高生の知り合いなんて、いたっけかな?」
結城はそんな疑問を持ちながら玄関へ向かっていった
「ああ、君かぁ、どうかしましたか」
玄関に立っていたのは、裏世界の人間が起こしていた事件の被害者の日下部ゆいと言う名の少女だった
「私に何か、御用ですか」
「し・・・・」
「し?」
「師匠ぉぉぉ!!になってください、結城さん」
そういってゆいは深々と頭を下げた
「ちょ、ちょっと、頭を上げてください」
そう言われるとゆいは頭を上げた
「じゃあ、師匠になってくれるんですね」
「それとこれとは話は別です、まあ話は聞きますから、どうぞ中へ」
結城はゆいを中に案内し、話を聞くだけ聞いてみることにした
「ぷっぷっぷ、先輩が三十七だから、約二十歳の差かぁ、師匠と弟子と言うより親子みたいだな、お〜とそれじゃあ犯罪か、ぷぷぷ・・・・あぢい、あちち、あぢゃあ」
メラメラメラ、ぼぉぼぉと西条の着ている服が燃え始めた
「あちっ、冗談、冗談ですって先輩、だから水をおねがいします、あぢぢ」
「そのまま死ね」
西条は結城にそう言われ、消し炭になって消えていったとさ


つづく、西条のキャラ完全に崩壊してるな、マジで

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