ザ・グレート・展開予測ショー

ふれんち きす(やっと1)


投稿者名:みみかき
投稿日時:(02/ 2/17)





 「そいでさー、明日の仕事バッティングしちゃったのよね〜」

 今晩の夕食は事務打合わせも兼ねてるので横島もいる。
 エンゲル計数が成層圏な彼は、最近事務所での食事が多い。
 おキヌの将来に向けてなんらか明確な目標のある料理や、
 シロの野生味溢れる独創的で、やはりこちらもぼんやりと
 目標が見え隠れしている料理やら、基本的な料理のベースを
 まだ持たないタマモが、他人に喰わすには気が退ける出来の
 料理などの試食(目標あるいは実験体)係も兼ねている。
 ……まあ、ふく職人の修業にはもってこいの素材ではある。
 たまに、まれに、低い確率で美神の料理にありつける事もあり
 、横着な彼女が作った簡単な料理を横島は「表面化された俺へ
 の愛っすねぇぇ」と誰にも理解できない脈絡で美神に飛びかか
 り、毎度のごとく死の15連コンボをくらっている。

 「ウメバーサンスタジオ・ジャパンって知ってるでしょ?
 関西の。あそこでボガードが大量発生したらしいのよねー。
 コッチの方が後なんだけど、大口でしょ〜。断るワケいかない
 のよ。金に糸目はつけないそうだしっ!(はぁと)」
 カレーをぱくつきながら美神が続ける。
 今日は本来月に一度の”お鍋の日”だったのだが、どういう
 理由(わけ)か事務所が崩壊しかかったので(笑)、材料と
 時間の都合で緊急カレー曜日になってしまった。
 「それで、明日は二手に分けるんですか?」
 大きく切りすぎたにんじんに少し反省しながら、事務所崩壊の
 一端を担ったおキヌが尋ねた。
 「そゆこと。除霊範囲が広いから関西の方が人数が必要ね。
 関東の仕事の方は2人でやってもらって、3人はむこうで
 泊まり込みの出張になるわね」
 「めんばーはもう決まってるのでござるか?」
 キレンジャーの様な山盛りカレーに卵を2個ぶちこんで、
 ぐちゃぐちゃにかき回し、口の周りをまっ黄色にして
 シロがモガモガとしゃべる。
 「ええ、ウメバーサンスタジオの方は、アタシとおキヌちゃん
 、それとシロ。こっちの方は横島君とタマモに任せるわ」
 「ちょっと、待って!どーして私がこっちの仕事なの!」
 カランとスプーンを飛ばして、タマモが立ち上がる。
 デジャブーランドの一件以来、テーマパーク巡りは彼女の
 趣味となっていた。
 アトラクション施設の故障がやたら多いデジャブーシー。
 年中花火大会やってる八兵衛島シーパラダイス。
 鼻屋敷のコースターは以外に恐かった。
 こら喰えんゆうえんちで僕と握手!もした。
 ウメバーサンスタジオ・ジャパン。彼女にとっていずれは
 倒さねばならない(?)相手だ。
 ちなみに、パンフレットのアオリによると、
 ーーウメバーサンスタジオ・ジャパンーー
 ゲートではマスコットのライガとフウガがみなさまを
 おでむかえ!
 そして様々なアトラクションを人気ナンバーワンのアイドル、
 ウイグルちゃんがご案内いたます!
 そしてその奥で……、あなたは奇跡をみるだろう。

 憧れのウイグルちゃんに会える!
 このチャンスをタマモは逃すわけにはいかなかった。
 「仕事よ、仕事。遊びじゃ無いの。わかってんの?」
 「うそっ!じゃアレは何っ?」
 ビシリと後ろを指さす。その先には「隊長」こと美神美智恵が
 上機嫌で着替えをトランクに詰めていた。
 ひのめちゃんも一緒だ。
 「ヨコハマちーく」なんぞを鼻歌で奏でながら歯ブラシセット
 とかの入れ場所を決めている隊長様。
 選曲にツッコミを入れたい横島であったが、1日に3度も
 死にたくはないので一応黙っていた。
 「い、いや、3人だけじゃ少し心許無いんでバックアップを…
 」
 「必要経費で落ちるから、ついでって事なの」
 背中越しで隊長が代わりに答える。
 「あの、美神さん?こちらの方はわたしがやりましょうか?」
 かわいそうになったらしく、おキヌが申し出る。
 「それはダメ!今回はネクロマンサーの笛はかかせ無いの。
 おキヌちゃんが主戦力なんだから」
 「はいはいはいはいは〜い!拙者がセンセイと一緒に残るで
 ござるぅ〜!」
 「却下!アンタが残っても横島君の暴走にツッコミ入らないで
 しょ?それに………」
 おキヌの暗黒のオーラが音をたてるかのごとく増大してゆく。
 先ほどの事件(笑)の余韻がまだ残ってるようだ。
 波動で各々のカレーの皿とスプーンがかたかたと鳴っている。
 「いくら人工幽霊の能力でも1日に2回は、修復能力を越える
 でしょうし……」
 「俺が関西へ赴くって選択肢は無いんすか?」
 なんとなく無駄の様な気がするが、一応ひょっこり手を挙げて
 提案する横島。
 「却下。こちらは2人なんだから霊力と経験値のバランスを
 とっておかなきゃいけないでしょ」
 「どーしても?」
 「………むこうでさ、落ち合う約束になってんのよ。
 ゆうこさん達と」
 びくーんとなぜか緊張する横島。逢いたく無いわけでもないが
 、しょっちゅう逢うとなんだか不幸になりそうだ。(笑)
 「残留させていただきます」
 「はい、これで決まり!関西チームの帰還予定日は3日後。
 横島君とタマモは報告書をよく読んで任務に望むこと。
 その間の依頼はとりあえずペンディング。関西の予定がオーバ
 ーしそうな時は連絡を入れるわ。それじゃ会議終了っと」

 タマモはかたまっていた。
 周囲2mぐらいはタテ線で包まれている。
 はいはいで近づいてきたひのめちゃんが、ぺちぺちと叩くが
 反応は無い。
 むろん苦悶の表情には「滝ナミダ」がじょ〜と流れていた。


 うう、黒犬様、hazuki様、使わせて貰いました。(爆)
 すいませーん。m(_ _)m


 

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