誰がために1
投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/15)
「お出かけですか?雪之丞さん?」
秘書に雇っている田中久美が声をかける。
「ああ、言ってなかったか?弓の・・・同級生の結婚式だ」
「そうですか」
その時、華やかなドレスに身を包んだ弓がやって来た。
「行きましょうか。私の用意を終わったし」
「ああ」
二人は並んでドアを開け、外に出た。呼んであったタクシーがやってきていた。
「よろしく」
「令子。早くなさい。置いてくわよ」
「お姉ちゃん、早く」
「わかったわよ・そんなに急かさないで!!」
令子は自分自身の美を強調する様な服装であった。
「まったく。
でも、晴れてよかったわね。ママ」
「そうね。母親としては、未だに独身の貴方の方がかなり心配だったけど?」
「く・・・。今日はそれなしよ」
美神令子。25歳
「しかし、唐巣神父。これで良かったんでしょうか?」
結婚式の会場である教会で、ピートが話し掛ける。
既にピートはGメン入隊していたが、臨時で手伝いに来ている。
「それは、誰にも言えないことだよ。全ては神の・・・」
「今日、あいつは来るの?雪之丞」
「どうだろうな。あいつの考えはよくわからん。
現在は修行の旅とかで、どこにいることやら?」
「昔の貴方のようね?」
「そうだな」
現在、横島忠夫は霊力の修行のため行方不明であった。
そして、結婚式は始まった。
誰もが花嫁の衣装の華やかさに息を吐く。
「ええ、汝槙田浩次はこの者を妻と認め生涯・・・」
唐巣神父の誓いの言葉が始まっていた。
「ねえ、これで良かったのかしら?」
弓が雪之丞に声をかける。
「どうだかな?だが、横島の奴はこの事は知らないかもしれんな。いや、知っていて姿を消しているのかも」
その時、
「ええ、汝氷室キヌはこの者を夫として・・・」
そして、
「はい、誓います!!」
元気良く、花嫁おキヌは答えた。
「私、結婚します」
「ええ?ちょっと・・・」
美神は驚いた。
「相手は?」
「私が勤めている会社の同僚です。素敵な人ですよ。横島さんには少し負けるかもしれませんが、優しい方です」
「横島クンは?」
「横島さんは私の方を向いていません。だからいいんです。私、幸せになります」
そう笑顔で答えた顔が美神の脳裏に浮かぶ。
「これで、良かったのかしらね」
「良かったんじゃないかしら」
横にいたヒャクメが答えた。
「そういえば、小竜姫は?」
「彼女はちょっとした用です。事態が深刻にならなければいいんですが・・・」
「は?」
「いずれお話します。そんな事より」
花婿と花嫁が教会から出てきた。その時、
「間に合いましたか?」
横に正装に身を包んだ小竜姫が現れた。
「やはり、これを見逃してはいけませんからね」
「ちょっと、会議は?」
小声でヒャクメが尋ねる。
「おもわしくないわね」
その時、おキヌがブーケを投げた。
「頂きます!」
弓が拾いに行く。そこに美神とエミと冥子が競り合いながら向かっていく。
「もらった!」
「あんたになんか負けないワケ!」
「あーん!」
三人が飛び掛る。しかし、ブーケは弾き飛ばされ再び宙に舞う。それを拾ったのは美神であった。
「やった!!」
満面の笑みで喜ぶ。
その頃遠くの物陰では、
「おめでとう、おキヌちゃん。幸せになってくれ」
横島が身を隠しながら祝福していた。
今までの
コメント:
- 新シリーズです。今回のお話は横島と小竜姫が結びつくまで。今の所全く接点はありませんががんばってくっ付けてみます。
そして、神と魔のデカント解消への動きも交えながら物語を進めていきたいと思います。その事によって、前作に残った謎が少しずつ明らかに・・・できるかな? (遊び歌)
- わーい♪横島君と小竜姫様のお話ですねー♪
おキヌちゃんは横島君とは結ばれなかったけど、ちゃんと自分の幸せを見つけられたんですね。よかったぁ♪
でも、美神さんはどーなるんでしょう。うーん。
これからの展開にも期待しています♪ (猫姫)
- なんか、横島がらしくねえ〜!!
でも、物陰からおキヌちゃんの結婚式を見ている横島ってなぜか笑えてしまう。 (JIANG)
- なぜかおキヌちゃんが会社勤めしていたりしますが、気にしません。
おキヌちゃんの幸せの前では全ての矛盾も理不尽もホワイトアウトしてしまうのです!
自ら幸せへの道を拓いたおキヌちゃんに祝福を! (斑駒)
- お、前作の補完ですね。おキヌが結婚し、横島は柄にもなくハードボイルドしているし、これからどうなるのか……続き、楽しみにしてます。 (ロックンロール@ガンバレニッポン!)
- うーん。渋いぞ、横島。
おキヌに先を越された美神の心情を考えると、いとあはれ。 (黒犬)
- 「田中久美」の名を見て空かさず『誕生 ―De´but―』を思い出してしまった僕って……(赤面)。
ともあれ、皆に祝福されて良かったね、おキヌちゃん。 (Iholi@ 割かし最近まで NEC ユーザァ)
- 小竜姫さまと横島君の恋愛小説ですね、私はこれを待っていたんです。
私のGS極楽お気に入りキャラ小竜姫さま
少し美神さんがさらに行き送れになりますが、まあこれは無視しましょう!
おキヌちゃんには普通の家庭で幸せに成ってほしいと思っていました。
もともと自給50円で雇われてその後自分の肉体を手に入れたのですから
美神さんの所に何時までも居る必要は無かったでしょう(横島君も居ないんだから) (SRK)
- ↑SRKさん、キヌの最初のお給金は日給30円ですよ……もっとヒデエや(苦笑)。 (Iholi)
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