ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(25)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 2/14)

つづきや

一方そのころゆいたちは・・・

「はぁ〜、見つかりませんね、私の師匠」
「そうね〜、ゆいちゃん」
今日は六女の入試の霊能実技試験の準備のため、ゆいたち二年生は早く帰ることが出来た(準備は1年生が担当)
早く帰れたゆいは顔の広いゆかりといっしょに師匠を探したが、やはり見つからなかった
「やっぱり、日本GS協会に仲介して貰った方が良かったのかな〜」
「う〜ん、そうねえ、いくら私の顔が広いって言ってもGSの知り合いは少ないしね」
はぁ〜、とふたり同時にため息を吐く
「もうさぁ、普通のGSでいいんじゃないのゆいちゃん、それだったら適任なのひとり知ってるんだけど」
「ダメです、綾乃は大金払ってGSの師匠を雇ってるんですよ、しかもそれ相応の能力を持ってる師匠を、あいつだけには負けたくありません」
と言う理由でゆいは変わった能力や物凄い霊能力の師匠を探しているのだ
だが、そう言う人に限って弟子を取らなかったり、性格に難のある人が多いためかなり苦労していた(て言うか、そう言う師匠をゆいは希望してる)
まあ、簡単に言うとそう言う人がいないのだ
「はぁ〜、私の希望通りの師匠はどこにいるのやら、ゆかりさんタコ焼食べますか、はいあ〜ん」
パクっ・・・
「うん、美味しい」
本当は師匠探しとは名ばかりで、女二人でお店をまわったりショッピングをしたりしていたのだ
小物を見たり、おもちゃに触ったり、爆薬を買ったりとふたりはいろいろお店をまわった
とまあ、こんな感じで時間が過ぎていったのだ
今は公園のベンチでひと休み中、買い物と言ってもタコ焼のような食べ物ばかりなので荷物は多くはない
「私も食べよっと・・・・あっ」
「ワンっ!!」
ゆいがタコ焼を食べようとしたところ、犬が物凄いでゆいのタコ焼へ向かって飛んできた
ゆいはその犬の突撃から逃れるためタコ焼を手から離し回避行動を取った
回避は成功したが、犬の本当の目標はゆいではなくタコ焼だった
ゆいの手から離れたタコ焼を器ごとキャッチすると、犬はガツガツ食べ始めた
タコ焼を奪って食べている犬は、頭のあたりの毛が赤い色をしているのが特徴的な犬だ
これで誰だか解ると思うが、この犬は『シロ』である
朝、いつもの様にタマモとケンカしたシロは「犬になって反省しろー!!」と美神に言われ、首にさげている精霊石を奪われたのだ、しかもタマモには罰はなし(兄弟でケンカするといつも年上の方が怒られるのといっしょ)
もちろん、朝食も抜きにされたシロは初登場時のような行動を取るのであった、しかし今回は相手が悪かったとしか言い様がない
「ああっ、私のタコ焼を食べた〜、返せ〜この犬〜」
ゆいはそう言って犬に飛びかかるが相手は人狼である
ゆいが捕まえようと伸ばす手をスルリと避けて、ゆいに向かって『にひひ』と笑う
「むかつく〜、このっ、このっ、このっ」
スルリ、スルリ、スルリ
ゆいが捕まえようとするが全て避けられてしまった
「ゆかりさ〜ん、捕まえられませ〜ん」
ゆいはゆかりに近づき助けを求める
シロはその間、あくびをしながら後ろ足で耳をかいていた
それを見たゆいは動物虐待で捕まってもいいから殺してやろう、と思うほどゆいの感情は高ぶっていた
「はぁ〜ゆいちゃん、ゆいちゃんはいまあの犬にコケにされて怒りや憎しみで行動してるわよね」
「むかつきますよね〜、あの犬」
「まあまあ、でもあの犬をよく見てみて、頭の毛の色が赤いでしょ」
「赤いってまさか、まさかあの伝説の・・・」
「そうっ、そのまさかなんじゃないかな」
それを聞いたゆいは先ほどの速さの数倍の速さで犬に飛びかかった
「捕まえた!!」
「キャイン!?」
ほぼ奇襲に近い行動だったため、シロは動けずすぐに捕まってしまった
「ワンワンワン」
ゆいに捕らえられたシロは激しく抵抗する
「いえーい、ゆかりさん『赤犬』ゲットしました」
ゆいがゆかりに向かってピースする
「ナイスよ、ゆいちゃん、今日は『赤犬鍋』ね」
赤犬、それは犬の中でも1番美味しいと言われている
ゲテモノなのか、正統派なのかはなぞであるが、とにかく美味しいらしく中国では普通に食べられているらしい
ふたりはいつかは赤犬を食べてみたいと前々から思っていたのだ
「(こういうゲテモノをジュンイチに毒味させるのが楽しみなのよね〜)」
「(こういうごちそうを順一に食べさせてあげるのが楽しみなのよ)」
目的は人それぞれだけど・・・・
「ワンワンワンワンワン」
「えっ、なになに『拙者は赤犬じゃなくて、人狼のシロでござる』だって」
ゆかりが犬語を和訳する
「ワンワンワ〜ンワン?」
「ふむふむ『どうして拙者の言ってることが解るのでござるか?』」
「ゆっゆかりさん、犬語を知ってるんですか?」
シロとゆいが同じような質問をする
「ううん、解る訳ないでしょ、適当に吹き替えしただけ、それよりこの赤犬首輪もしてないから食べちゃっても全然オッケーよね」
「ワンッ!!ワンッワワワワン」
ゆいに抱きかかえられているシロがいままで以上に激しい抵抗をする
「ふ〜む『拙者の飼い主は神魔も恐れる美神令子でござる、それに拙者を食べても美味しくないでござる〜』だって、て美神令子って誰?」
「う〜ん、聞いたことありますけどわかりません」
GS業界にうとい彼女たちは『美神令子』と言われてもぴんっと来ないのだ
しかしまぁ、ゆかりはともかく一応業界に所属しているゆいが知らないのは問題だな
「まぁ、ゆいちゃん、そんなことよりも早速帰って血抜きをして、晩ご飯の準備をしますか」
「血抜きってあれですよね、ロープで足を吊るして首元をスパッと切って血を流しきるやつ」
「そうそう」
その話を聞いてシロがブルブルと震え出す
「ワンワンワ〜」
「えっ『こうなったら自力で逃げ出すでござる、霊波刀も使ってやるでござる』」
「いたっ!!」
シロが口から霊波刀を出し首を縦に振ると、シロを抱いていたゆいの腕に切り傷ができて、そこから1滴の血が流れた
シロはその拍子にゆいの腕から逃げ出す
「なっ、本当に霊波刀を出してる!?」
「ゆいちゃんゆいちゃん、霊波刀ってなに?」
ふしゅぅぅ〜、風が吹いた
「ゆかりさん、霊波刀を知らないのにどうやって適当に吹き替えしてたんですか?」
「え〜とね、そこの赤犬が言ってたことを、そのまま口にしただけ」
ふしゅぅぅ〜、また風が吹いた
どうやら、ゆかりは犬語が解るらしい
「まぁ、そんなことより早く赤犬を捕まえないと晩ご飯のメインが無くなっちゃうわよ」
「そうですね〜ゆかりさん、犬語のことより今はそっちの方が大事ですよね、あははっ、あはっ、あはははは」
ゆいはそう言い終わるとシロと向き合う
シロは2対1では逃げるのに分が悪いと考え、ひとりケガを負わせて逃げることを思い付いた
ひとりケガすれば、もうひとりの方はケガした方に駆け寄ると考えたからだ(除霊中にケガをするとおキヌちゃんが駆け寄ってきてヒーリングしてくれるのだ)
シロが狙った方、それは・・・・
「あらっ、私の方に向かってくるのね」
「ゆかりさん、あぶな〜い!!」
ゆいの霊力は強い、しかしゆかりの霊力値はシロとは比べものにならないほど低かった、こんなに低いのだったら勝てると思い込んだシロは、ゆかりに向かっていったのだった
シロは大ジャンプをし勢いをつけると、口から出ている霊波刀を首を縦に振って、ゆかりに振り下ろした
「ワッ!?」
が、シロの体が地面に落ちて来ない
それは、ゆかりが左手で降り下ろされた霊波刀を受け止め掴んでいるからである
「う〜ん、赤犬ってホントに美味しいのかしら?」
バキっ、メキバキボキメキ!!
「まっ、食べてみれば解ることよね、ふふふ」
バキボキバキバキバキ、パリンッ!!
その音と共にシロの霊波刀をゆかりが左手の握力のみで握り潰した
「クッ、クゥ〜ン」」
それの光景を目の前で見たシロは脅え、震えながら逃げ出そうとした
「ふっ、逃がさないわよ」
逃げようとしたシロの前にゆかりが立つ
シロはきびすを返し、ゆかりがいる方とは逆の方を向いたが・・・
「遅い遅い」
シロの前にはゆかりが立っていた
シロは右を向く・・・・そこにはゆかりがいる
シロが左を向く・・・・そこにはゆかりがいた
「赤犬〜、遅い遅い、でももう少しスピードを遅くするとこういうことも出来るのよ」
シロから見て右側にゆかりが現れる、いや右側だけじゃない、左側にも後ろにも前にも右斜め前にも左斜め前にも右斜め後ろにも左斜め後ろにも右斜め前斜め・・・・
とっとにかく、ゆかりがたくさん同時に現れているのだ
「わわわわ(分身してるでござる〜、人狼の感覚を超越してるでござる〜、目が回る〜)」
「ふっふっふ、超高速で移動し相手に分身してると錯覚させる『ゆかり式分身の術(犬用)』の凄さを思い知ったか、まぁこれの弱点と言えば私も目が回ることかしら〜、ゆいちゃ〜んあとおねが〜い、ぐるぐる〜」
バタッ、とゆかりが倒れる
「ゆかりさん、大丈夫ですか」
ゆかりの目がぐるぐる回っている
いくら高速移動が出来ても同じ所をぐるぐる回り続けたら目は回るものだ
「さっきから何やってたんですか、ゆかりさん?」
普通の感覚のゆいには、ゆかりは消えていてなにも見えていなかったようだ
「ゆいちゃん、とにかく赤犬を確保して、ぐるぐる〜」
「まかせてください」
そう言うとゆいは赤犬に向かっていった


つづきは後半で・・・・

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