ザ・グレート・展開予測ショー

西条キヌ(その2)     *厳戒態勢中*


投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(02/ 2/12)

 * お断り *

・無言投票されるような方はブラウザの「戻る(バック)」でお戻りください。
・礼儀の整っていない方、言葉に自信のない方も同様にお戻りください。
・初心者の方は冒頭に挨拶文と紹介文を入れ意見を述べてから説明をしてください。
・常連さんのように慣れている方は通常どおりに投票してください。
・理由は明確に!『感想』と『考え』は別々にして書いてください。


以上を守れる方のみ、以下をお読みください。
守れないがどうしても読みたいという方(事情を説明される方)は必ず以下の予想内容をお読みに
なったうえで『感想』と『考え』をそれぞれ書いてから投稿してください。






「・・・・ただ今、キヌ!」
「は、はいっ!」

いきなりドキ!
縄文式土器!
と、キヌの胸は高鳴る。

「その瞳、いつに無く綺麗だよ・・・・。」
「て、輝彦さん・・・・・・?」

なぜか口説き落としに入る輝彦さん。
あたしのことをそっと腕から抱きしめてくれるの。
でも、どことなくアルコールの匂いがする。
酔っているみたいに感じるの。

「あの、・・・・な、何をするん・・・・ですか・・あっ♪」
「やっぱ、令子ちゃんよりも綺麗だ。」
「もう駄目ですよこんな前で。きちんと布団強いてからじゃなきゃ。」

あたしは靴を脱がせてやる。
玄関前から離れると、今度は肩から脇の下を腕で回してあたしのことを抱える。
酔っているように見えて、意外としっかりしている。
職場以外の場でもこんな素敵でしっかりとした人だったから、あたしは付き合ってた。

もう結婚して5年。
子供はまだいないけど、将来的には・・・・
思わずそう考えただけで、頭から真っ赤になる。

「あれぇ、キヌも飲んでるのかぁ。」

思わず話し掛けてくるの。
その口からはわずかにアルコール分が匂うけど、あたしのためにと抑えたみたい。
呼び捨てても、乱暴に言うことだけは無くてうれしい。
だけど・・・

「あの、その辺触るのはやめてくれる・・・・?」

そう。
輝彦さんは、触るのが好きみたい。
あからさまに体を触るんじゃなくて、少しづつそろりと。
あたしは特に、わき腹が弱い。
それを輝彦さんが意地悪そうもなく、ここはどうだ?というようにさりげなく触る。
でも我慢するあたし。

キッチンには作ってラップをかけた麻婆豆腐がある。
それをラップをはずしてレンジで温める。
これは輝彦さんの好物だから、多めに作っておいたの。

待つ間に、椅子に上着をかけてシャツ姿になる。
そしてテーブルに載っている夕刊を手にとってぱらぱらと流し読みをする。
見出しには、『30歳の青年を逮捕』と大きく出ていて、その横に特集がある。
特集の欄には、綺麗な宮殿の写真がでかめに載っている。
その宮殿は、どこかで見たことがあるの。
それも、つい最近・・・。

「・・・、忠夫クンの家じゃないか。」
「やっぱそうですよね。輝彦さん。」

ニコリと笑ってあたしは御椀をテーブルに載せた。
温めたばかりだから、湯気が出ている。

それがいい匂いを漂わせて、あたしも食べたくなるの。
でも、歯磨いちゃったあとだったのもあって、あたしは直ぐにご飯も電子ジャーから
御椀に盛ることに専念していた。
けど、

「そんなに盛っちゃっても、俺、食べられないよ。」

なんていうものだから、思わず落としかけたの。
でも、まー、食欲という誘惑に負けていたのに気付くと、なんなくお味噌汁もよそることが出来た。
あたしもまだ主婦なれしてないように思えて、ぽりぽりと頭を掻いたのだ。

「頂きます!」

と箸を両手に拝むと、右手に持ち替えて食べ始める。
豆腐を箸でハッシと掴むと、口元へ運んで含んでいく。

「美味しいですか?」
「モチのロンさ。其れより、今日の叙霊先なんだけどね。」

来た!
来た来た、北の海!
噛み終わって飲み込んだ時の輝彦さんの喉元を見てあたしは椅子に座って体勢に入る。
この叙霊内容を聞かずにはいられないのが、今のあたしの癖。
いい意味でだけど。

実のことを言うと、こういうことになったのはワケがあるの。
前までは、美神さんの叙霊事務所で働いていたけれど、伊達&美神叙霊事務所となってからは
輝彦さんと同棲することになった。

そう。

雪之丞さんが、美神の書類と『婚姻届』を間違えて提出したことから始まる。
其れをいいことに、美神さん本人は奴隷にして働かせっ放しにしちゃったんだって。
もうそれは凄過ぎる内容。
さすがに鞭は使ってないけど、犬同然に扱っているらしい。
雪之丞さんも、その母さんと同じ環境の元にいられるなら幾らでもって感じでいってたけど。

その結果、あたしはそこで働けなくなったの。
でも、横のICPOでお茶汲みをしながら事務処理を身につけつつ、強かに生き残れるようになった。
輝彦さんが、寝泊りをしてまで24時間ずっと真剣に教えてくれた。
ピートさんも、輝彦さんの補佐をしながら『叙霊研修』のことを語ってくれる。
知識が無ければ、幾ら事務処理をこなせても駄目だって。

ネクロマンサーの笛は、『全国叙霊道派選手権』以来、殆ど使うことも無くなった。
あの笛は、私の道を開くためだけにあったようなものだったの。
そういえば、笛を投げつけよこしたのも輝彦さんだっけ。
(SC23間のお話を読めばわかります。)
そうよ。そうだわ。
きっと、輝彦さんとは結ばれる運命にあったのかも。

「んん?どうしたんだい、俺の話聞いてる?」

この言葉を聞いた瞬間、はっとした。
そういえば、過去を思い出すことに夢中になって叙霊の話を聞いていなかったの。
そう思うと、少し顔がポーーっと赤らんだ。

「いいかい、キヌ。
 この話のポイントは、如何に札を張り巡らせるかということだったんだよ。
 いきなり霊的に急所になるところを札で張れば、相手はかえって怒り、それ以上の力を出してくる。」

ようやく我を反して聞こえた話はそれだけだった。
その先は聞き出すことはしなかったが、どういう叙霊だったかは予想できるからいいの。
そしてちょうど食べ終わった頃だったので、輝彦さんは立ち上がってテーブルを片す。
きちんと布巾で『拭きん』していたから、それほど酔ってはいないようだけれど・・・。

「美味しかったよキヌ。」

その一言が、あたしにとっては嬉しかった。
食べるのに使った食器を自分で洗いながら、振り向くことも無くて。
多分、顔では照れているんだろうというように、良い方に解釈してたの。
したら・・・・

「キヌ、明日はさ、6時半に起こしてくれるかな。
 お得意様が7時に来てくれって言ってたんだ。」

とのコメントを言いながら、風呂場に入っていった。
風呂場には、すでに着替えは前準備してある。
それに、眠くて欠伸が出かかるほど。
時計を見たら、もう11時。
だから、風呂場で体を洗っているところを覗かないようにしつつ声をかけてから
自分の部屋のベッドに入って寝たの・・・・・・・・・・。

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