ザ・グレート・展開予測ショー

BOY MEETS A GIRL  その三 〜ないものねだりのI want you〜


投稿者名:魚高
投稿日時:(02/ 2/ 8)

「おぉ!!貴方か!待っておりました。」
 神と人間の接点の一つ、GSの修行場の最も過酷な修行場としても名高い、
世界有数の霊山、妙神山。
 現在、そこには管理人は小竜姫、最高師範代として猿神、魔界からの
人材交流(成り行き!?)としてパピリオ、その3名が住んでいる。
…………………………
…それと自称、『難攻不落の門番』鬼門2鬼。
どうやら来客のようだ。
「しばらくだな。…また、闘わなきゃならないのかな?」
来客はシロでもタマモでも横島でもない、
その男は赤い髪と髭、それに角を生やしていて、また服装は小竜姫とおそろいの服をきていることから、その男が竜神である事はあきらかだった。
「めっ、滅相もございませぬ!!」
「ハッハッハ、わしらも老いたのでな。」
「左の!無礼であろう!このお方をなんと心得る。」
右の鬼門はやけに汗だくになりながらさりげなく読者へ他己紹介を始めた。
「この御方は今や竜神王の眷族の長にて、竜神族…いや、
神族一の達人!!闘劉神様なるぞ!!」
「幼名が小竜太だったにしてはずいぶんと迫力がでましたな。」
左右でずいぶん態度が違うものである。
「…それはいいけど中に入れてくれないかね?」
(ここ数ヶ月の内に、何度その名を聞いただろうか?)
1年にも満たない…それこそ彼の寿命の何千分の一程度の時間に彼は嫌というほど、
『他人から見た自分』が変っていくのを見せ付けられた、
(まぁ…仕方ないかな)
闘劉神は、数ヶ月前ただの竜神王の眷族で名前など知るものもいなかった。
その頃はまだ小竜太だったから…
仲間と休憩中に先代の長の悪口を言い合い、共に飯を食い、そして暇さえあれば、
妙神山に来ていた。(滅多に休みは取れなかったけど)
…だが先代が退いたのだ。ちょうどそのころ演習での戦闘能力と指揮の的確さを
買われ彼は竜神王に認められていた。
そして、信じられないことだが眷族の長としての地位と闘劉神の名前をもらったのだ。
確かに認められるのは嬉しい、しかしそれと同時に悲しんでもいた。
一族の長になるということはそれまでの仲間との関係をくずすことを意味した。
彼は元同僚を部下として扱うようになった。彼は決して器用な男ではなかった。
仕事熱心になるあまり立場と友情を両立できなかった。
子供は大人に憧れ、大人は子供を懐かしむ。
それは、すべての生物に共通するのではないか?と彼は考えていた。
そのため鬼門(左)の言葉は大変嬉しく思えた。
思いに耽っていると扉が開き小竜姫が出て来た。
「あら、お久しぶりです。闘劉神さま♪」
そう言ってから小竜姫は悪戯っぽく笑った。
「お久しぶりです。姫様。…昔と同じように呼んでくださいよ。」
「ええ、もちろん。竜太さん(はぁと)。さぁこっちですよついて来てください。」
そう言うが早いか小竜太はしゃがみこんでしまった。
それは誰が見ても泣いているのを隠しているようだった。
「……靴紐が解けたんで…すみませんが先に行ってて下さい…」
「…わかりました。」
突然泣き出した彼を見て小竜姫はどうとったのか知らないが、
気を利かせて行ってしまった。
それを確認すると、「…俺の時代が来た…」と呟きながら、彼は泣きながらおもむろに ガッツポーズを連発した。
「…オヌシも変わらんなぁ」
「左の…聞いてないぞ…」
無言で地面を叩きつけるそれには、一族の長としての威厳は微塵も感じられなかった。

「お!!あれでござるか!」
「やっと着いたみたいね。」
事務所を出てから半日は経っている、人間以上の脚力と持久力を持った私達が何故それほど時間が掛かったかというと、地図のせいである。一言で言えば見方がわからなかった。
本来ならば横島もいっしょに来るはずだったので迷う心配はなかった。
しかし、予想通り寝坊でもしたのだろう。(流石に忘れてて覗きをかましていたとは予想しなかっただろう。)…本当にアイツはつかえない。
みんな、あんな奴のどこを気に入ったんだろうか?
 シロなど叱られてあんなにへこんでたのにアイツも行くと知ったら急にピクニックにでも行くのと勘違いしたかのように浮かれていた。
「…」
「…」
門まで来ると話に聞いた『鬼門』らしき鬼が二鬼と,それに…ええと…コレは何?
「…あのう…拙者たちは…」
シロ、えらい!!とてもじゃないが私はコレには関わりたくない。
「ん?あぁ…修行に来たのかい?」
「ええ…まぁ、」
「じゃあ、案内するよこっちだ。」
私はこんな奴が管理人の小竜姫様じゃないと(話に聞いただけだが)わかっていたので
たいしたことはなかったのだがシロはものすごく不安そうだった…
続く

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