ザ・グレート・展開予測ショー

未来から6


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/ 7)

「ノア様」
 女魔族が声をかける。
「やはり・・・アシュ様は?」
「元々自らの滅びが目的だった人。単なる気まぐれで蘇ったに過ぎない。また、眠りに就いたのでしょう」
「そうですか」
と、どこか寂しげだ。
「貴方はどうなの?」
「私は・・・ただ、謝りたいの。あの子に。そしてあの人に・・・」
「複雑な事情は察するが時間はあまりない」
と、誰かが入ってきた。
「ジュダ」
「ノア様。奴らがこちらに向かっています。人数は十人程かと」
「メンツは?」
「英夫に、あの三人の女。美神令子に、神族が二人。そして、あの娘達の父親二人かです」
「最も警戒すべきは英夫ね。あの三人娘もなかなか厄介ね。神族は少々面倒ね。誰なの?」
「それが、ヒャクメと小竜姫です」
「・・・そう。この時代にもいたわね。
 では、私が英夫の相手をします。あなたは娘達の相手をして下さい。多分、他の人では厄介なことになります。
 そして、残りをジュダが相手をして下さい」
「乗ってきますかね?」
「他はともかく英夫はおそらくは」

「何だ?ここは?」
 横島が寒そうに震える。
「富士の樹海。霊的にも最も乱れた場所。横島クンが寒気を感じるのも無理ないわ。何しろここは死者の魂がウヨウヨと・・・」
「ひー!やめましょうよ怖い話は!!」
「あんたはその悪霊を普段相手にしてんでしょう!!」
 後の方では英夫が眠そうに歩いている。
『しかし、何なのかしら?この雰囲気。アシュタロスを倒したときのあの霊力が今ではかけらも感じ取れない』
 横島英夫。顔は横島をベースに眠気眼。髪は長く後に流れている。
『それはともかく、誰かに似ているのよね。ルシオラ?いや。それだけでは・・・』
 しばらく歩くと。
「来ましたね」
「え?」
 その時、横から気配がした。
 そこには、無数のゾンビがいた。
「な、なんなの?」
「ジュダの仕業でしょう。彼の能力は死者を一時的に蘇らせること。アシュタロスのような魔族ならともかく、人間は蘇っても意識を持てない」
と、ひのめが構える。
「皆さん、行きますよ!!」

 ゾンビとの戦いの中、
「あれ?英夫クンは?」
 優子が英夫がいないことに気づいた。
「美希もいないわ!!」
「え?」

 そして、ゾンビとの戦いはあっさりと片付いた。
「皆、無事?」
「いや、西条の旦那がやられた様だ」
「く・・・すまない。少し油断したようだ。どうやらGメンの幹部になり現場での戦いをおろそかにしていたせいだろう」
「では、私がここに残り治療をしておきます」 
 小竜姫が近寄る。
「すぐに追いつきます。先に行っておいて下さい」
と、ヒーリングの用意をする。
「横島さん。くれぐれも御気を付けて。連中の目的は貴方なのですから」

「どういうつもりだ?美希?」
 先ほどの戦いのどさくさに紛れて、英夫は姿を消そうとした。しかし、美希に見つかり着いて来られている。
「ヒデはどういうつもり?まあ、目的はわかりますが・・・」
「結局はこうなる運命だったのさ。
 そのために、彼女は生まれたようなものだ」
 そして、しばらく歩いた時、
「ふふふ」
 美希が珍しく笑った。
「何がおかしい」
「別に。ただ、久しぶりだと思ったのよ。貴方と歩くのが」
「は?」
 いつもより美希の口調がやわらかい。
『かなわないのかな・・・。やっぱり。
 でも、彼の両親の場合もあるし、解らないわね』
 しかし、
「来ましたよ。ヒデ」
 いつもの冷たい口調に戻った。
「久しぶりだね、ノア」
「英夫・・・」
 目の前に佇みしは見た目は普通の女。長い髪は優雅な女性像その物だ。全体的な線は細いがスタイル的にもトップモデルクラスともいえるだろう。しかし、内に秘めしは。
「最後の頼みだ。もう、やめてくれ。父を殺して未来を変えずとも、僕は、『牢獄』から抜け出す」
「それは、無理よ。それにもう手遅れ。今ごろはジュダが」
「どうかな?案外、父はしぶといぜ。それにボディーガードもいるしな」
「・・・ジュダには秘密兵器があるの。だから無駄よ」
 ノアが構える。
 そして、英夫が剣を抜く。目つきと雰囲気が激しく変化する。
「ならば、お前を倒してから、駆けつけるまでだ」
「ねえ、英夫?結局は私達はこうなる運命だったの?」
「そうだろうな。そのために、お互い生まれたようなものだ。できれば、普通に生きたかったがな」
「やはり、運命ね。
 最後に一つだけ聞かせて。私達は出会わなければ良かったの?」
「・・・かもしれぬ」
 そして、英夫とノアは超加速に入った。

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