ザ・グレート・展開予測ショー

未来から5


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/ 6)

「お疲れ様でした。アシュタロス」
「あれが横島英夫か」
 アシュタロスが腹を撫でる。既に傷は完治していた。
「確かに、奴を『魂の牢獄』に閉じ込めたくなるな。あいつなら立派にその『役目』を果たせるだろう。
 しかし、私と同じだ。結局は不適格因子の様だ」
「彼は普通に人として生きたいのよ。いえ、そうなるべきなのよ。何も神魔の都合で生きる必要はないの」
「それは、お前の望みでもあるのだな?」
「・・・私も同じよ。結局は『牢獄』から抜け出したいの。彼が生まれなければ私は生まれない」
「すまないな。そもそもの原因の発端は私に有るようだ」
「いえ、結局は同じよ。神族も魔族も所詮は天秤のバランスを取るために色々な手段をする。たとえ貴方が存在していても彼の存在によって私という存在は生まれたはずよ」
「頂上の二人はバランスを取るためにお前を誕生させた。それは英夫の力があまりにも大きすぎたから」
「そうね。彼は永遠にその役目を果たさなければならない。彼は何度も強制的に同じ存在に生まれ変わることになる。そして、私も。本当につまらない茶番ね。もし、運命を変えれるなら、横島忠夫の死しかないのよ。彼がいる限り結局は英夫ほどじゃなくても、同じような存在が生まれてしまう」
「全ては、彼と彼の中の・・・」
 アシュタロスは振り向き。
「では、私はもう眠りに就こう。願わくば、君の願いが叶う事を・・・・」
 そして、アシュタロスは消えた。
「英夫」
 誰もいなくなった空間に向かって呟く。
「こんな悲しい運命なら、私達は・・・出会わなければ良かったの?」

「一体何なんだ?あの出たら目な強さは」
「圧倒的じゃないか?あのアシュタロスを!!」
「そうね」
 美神たちは妙神山の中にいる。
「でも、あのノアという奴もおそらくは彼に匹敵するわ」
 それほどに感じた霊力は大きかった。
「横島クンの子供にはルシオラの霊力が受け継がれている。おそらくそれが原因だろう」

「英夫さん」
 英夫が後を振り向く。そこにはヒャクメがいた。
「大体の事情は聞かせてもらったわ。興味無いの?貴方の運命は?普通の人なら飛びつくような待遇だけど?」
「僕は、ただ普通にノアと・・・」
「彼女がそんなに大事?」
「ええ。でも運命はそれを邪魔する。いつか二人で『魂の牢獄』から抜け出したいと思っていた。
 でも、これは間違っている。僕は自力で『牢獄』から抜け出す。彼女は『牢獄』に入らなかった事にしようとしている。それではアシュタロスろ変わらない」
「そう」
「案外気に入ってるんですよ。自分自身の『力』が。ただ、この力を利用されるのは嫌なんです。そう、一生ノアと二人で逃げ続けるのも面白いじゃないですか?」
「横島クンの子供とは思えないほど立派ね?母親のしつけがいいのかしら?」
「それは言わないで下さい」
 英夫は少し笑った。

「ふう。ノアも結局は」
 暗闇で一人の魔族が呟く。
「やはり、私の出番かな?」
 彼、ジュダは呟いた。

「彼らの居場所が解りました。富士の樹海です!!」

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa