ザ・グレート・展開予測ショー

未来から2


投稿者名:遊び歌
投稿日時:(02/ 2/ 4)

 美神たちの前に現れた未来から現れた三人の美女。その三人はまるで何事もなかったようにお茶を飲んでいる。
「へー。美神さんいいお茶使ってますね?」
と、ひのめが言えば、
「あんたも美神でしょうが?」
と、優子が突っ込む。
「でもおいしいわね。どこで売ってるのかしら?」
 この二人には場の空気を読む気がないようだ。一方、
「ひのめさん。そろそろ説明してあげたら。皆さんはお忙しいようよ」
と、美希が言った。
「それもそうね。えーと、何から言えばいいのか」
「とりあえず、君たちの事情は後で聞くとしてだ。あの圧倒的な霊力。あれはいったい誰なんだ?」
と、西条が言った。
「いくら、未来から来たとはいえあの霊力は圧倒的過ぎる!アシュタロス級かもしれない」
「そうですね。この時代の横島さんでも敵わないでしょう。いえ、それ以上に皆さんの力を合わせても足元にも及ばないかもしれません」
 ひのめが断言する。
「この時代に降り立ったのはノア。もちろん人間ではありません。素性はこの際どうでもいいことなので省きますが、目的はお教えしておきましょう」
と、横島の方を見る。
「あなたの抹殺です。横島忠夫さん。ノアはとある事情から貴方を抹殺するためにやってきたのです」
「「えーーー!!」」
 周りは驚く。
「わかったわ。きっとそのノアさんは未来の横島クンのセクハラに悩まされたのね。目の前の横島クンを殺したら捕まるから過去の横島クンを消して・・・」
「横島。死ぬのは勝手だが周りを巻き込むなよ。ついでに事務所に対する借金を返せ」
「心配するな横島クン。君亡き後はこの僕が借金を返してやろう。せめてもの情けに君の葬式代も全額受け持ってやろうではないか」
「・・・・・」
と、その時、
「皆さん!伏せて!!」
 ピートの叫びと爆発音。そして、横島が放った文殊『防』『御』が同時に発生する。
 
 事務所の残骸から結界に守られた横島たちが姿を現す。
「な、何だ?今のは?」
 事務所は跡形もなく吹き飛んでいる。
「はーい!お久しぶりねぇ皆さん?」
 そこに立っていたのは、
「メ、メデューサ!」
 誰もが知る過去に消滅したはずの魔族。
「ちょっとした事情で蘇ったのよね。ノア様のおかげでね。それはそれとして、蘇ったからには・・・横島あー!!あんたを殺す!!いかなる手段をとってでも殺せとの命令なのでね」
と、矛を持ち横島に飛び掛る。さすがの横島も先ほどの爆発の影響で身動きが取れないでいる。しかし、
 キィィン!!
 矛を止めたのは優子だった。その手には神通棍が握られている。
「な、私の攻撃を止める人間がいるとは!?」
「残念ねー。あなた程度の攻撃なんて・・・」
と、余裕で切り返す。
「おお、なんか強いぞ!西条の娘!!よくこんな父親からあんな娘が」
 逃げる用意をしながら横島が言った。
「横島さん」
 横には美希が立っている。
『逃げるのに集中していたとはいえ、気配を感じ取れなかった?』
「御心配なく。あの程度の雑魚キャラに貴方には指一本触れさせません」
と、精霊石数個を取り出す。
「精霊石よ!邪なる者を封じよ!」
 精霊石が空中に浮かび上がり、メデューサの周りを飛び回る。
「我々にはノアの目的が何のためか解っています。その理由にもある程度納得できます。事情は言えませんが。でもだからといって、横島さんに消えてもらっては困るのです。何より、貴方の・・・」
 ひのめが目の前で印を結ぶ
「こ、この!!」
 メデューサの周りの石は徐々に光を放ちだす。
「う、動けない!」
「バイバイ!!」
 ひのめが指差すと石の結界が爆発した。
「い、今の彼女の霊力数千マイト近くあったわ!!」
 美神が驚く。いくら未来の自分の妹とはいえ。
「簡単なことです。精霊石の結界の増幅作用によるものです」
 いつの間にか横にいた美希が説明する。その手にはいつの間に回収したのか精霊石が握られている。
「西条さん。どう思います?」
 ピートが尋ねた。
「いくら増幅作用を上手く利用した連携プレーとはいえ、上位クラスの魔族をあっさり倒すとはね。それに私の娘、優子クンか。あの剣術もかなりのものだ」
「信じますか?」
「彼女たちの素性はともかく、現に横島クンが狙われているんだからね。紛れもない事実だよ」

「ところでさぁ。俺の子供は?」
 横島がひのめに訊ねた。
「いますよ。そのうち来るはずです。時間移動に戸惑っているのでしょう」
「へー。名前はなんていうの?あ、その前に俺の未来の結婚相手は?」
 その台詞に若干名の耳がダンボになる。
「それは言えませんが、貴方の息子の名前は横島英夫」
『そして、彼こそが今回の事件の・・・・』

「ノア様」
「何でしょう?」
 暗闇の中で二人の女性が会話をしている。
「メデューサが・・・」
「ええ。多分無理だとは思いましたが・・・」
「ノア様。貴方が未来から来た理由、その目的などは納得しました。でも私は・・・。何も・・・」
「・・・貴方にはつらいわね」
「殺すのは彼じゃなくてもいいのでは?」
「いえ、彼がいる限り未来にはほとんど変わりわないわ。残念だけどどのシミュレーションでも結局はほとんど同じ・・・。つらいわね」

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