ザ・グレート・展開予測ショー

シロ誘拐事件(その6)


投稿者名:ガーディアン
投稿日時:(02/ 2/ 3)

そのころ黒犬は・・・本能(あるいは習性)と戦っていた。

「ぐぬぬぬぬ〜〜〜〜!!」
「(黒犬、おあずけ)」
「ま、まけてたまるかぁぁ〜〜!!」
「(はあ〜、いい加減あきらめろよ)」
「ち、ちきしょう!!俺がシロを助けて感謝のされる予定が〜〜!!」

そんなこんなで黒犬が勝ち目のない戦いを続けていたのだが、遠くからものすごい音をたてながら何かが黒犬の方に向かって・・・突進してきた。

「な、なんだ!」

もちろん向かってきたのは、

「お兄ちゃ〜〜〜〜ん!!!」

我らが猫姫である。

ダッ ドシイ〜〜ン「ぐはっ」

見事である。見事なタックルである。相手を倒すことだけでなく相手の鳩尾に頭を突き刺しダメージをあたえる、それはもう格闘技のお手本にしたいタックルである。もっとも猫姫本人は意図してやったわけではない。自然とそうなるのだ。

「お兄ちゃん♪横島さん連れてきたよ♪」
「ぐふっ、ぐふっ、そ、そうか偉いぞ姫」

兄の(無い)威厳を示すためか、はたまた、たんに慣れているいるだけかダメージから無理矢理立ち直った黒犬は猫姫を褒め頭を撫でようと手を上げたが、その手が途中で止まってしまった。

「なあ、姫」
「何?お兄ちゃん」
「それはなんだ?」
「えっ!」

猫姫の手に握られていたモノは・・・血まみれの肉塊であった。

「え〜〜と、横島さん」
「これが?」
「うん!」

元気に答える猫姫であったが、その額の大粒な汗は隠しようがなかった。

と、そんなときようやく美神たちの車が追いついた。

「ふう〜、ようやく追いついた」
「よ、よこしまさん!」
「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏(合掌)」

目もくれない者、心配する者、諦めて念仏を唱える者、三者三様である。

「ここにシロが捕まっているのね?」
「う、うむ。間違いない」

黒犬は美神の横島に目もくれない態度に驚いたが、さらに仰天する行動を起こした。

「ほら、横島君。起きなさい(ドス、ドス)」

なんと美神は横島に近づくとケリだしたのである。さらに驚くべきことに、

「あ〜死ぬかと思った」

美神のケリに反応したのか、横島がムクリと起きあがったのである(しかも、全快して)。

「はあ〜無事だったんですね、横島さん」
「なんであれで死なないの、あんた」
「さっすが横島さん♪」

安堵する者、バケモノを見るような目つきをする者、全然反省しない者、三者三様である。

「さっ、行くわよ」

美神の号令で全員ホテルに突入した。(もちろん黒犬&猫姫も一緒である)

「シロはどこ?」
「こっちだ」

黒犬の先導によって走る美神たち。そんな中一つの部屋に差しかかった。

「あそこだ!」

黒犬の指し示す部屋に突入した美神たちが見たものは、

ガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツガツ「はあ〜い、こっち向いてシロちゃん!(パシャパシャ)」
「シロ君、こっちも美味しいよ〜」

飯を食べまくるシロ。その周りで写真を撮る者、食べ物でシロのご機嫌を取る者などなどである。

「なっなんなのこれ!?」

あまりのことに呆然とする美神たち(一人例外)。そんな中当のシロが美神たちに気づき近づいて来た。

「先生たちも来たでござるか!」
「ちょっ、ちょっとなんなのこれは!?」
「なんなのってあれでござる」

シロが指さした先にはデカデカと『犬塚シロファンクラブのためのシロとのふれあい会』と書かれていた。唖然とする一同(一人例外)。さらに驚くべきことに、

「み、美神さん!主催者の名前を見てください!!」

おキヌが指さすところを見ると、これまたデカデカと『主催:名誉会長黒犬』と書かれていた。黒犬を見る美神、横島、おキヌ、タマモの視線がイタイ。うろたえる黒犬。

「し、しらんぞ!!俺は!!!」
「「「「ほお〜〜(冷)」」」」
「ホントだって!!!」

必死で弁解する黒犬。そんなときシロが何かに気づき黒犬に近づく、

「もしや黒犬殿でござるか!?」
「えっ、そうだけど」
「このたびは拙者のためにこのような会をしていただき感謝するでござる」

と、深々と黒犬に頭を下げたのである。それを見た黒犬は、

「いや〜、あなたのためならこれぐらいおやすいご用です」

と言ったのである。言ってしまったのである。致命的な一言を!

「「「ほお〜〜やっぱりそうか(ボキボキ)」」」
「はっ!」

黒犬に詰め寄る美神、横島、タマモ。必死で逃げ道を探す黒犬。さあ、地獄の始まりである。
ドカバキグシャ「ぐはっ俺は無実「やかましい」」パシンメシズシャブリズバボオォォォ

猫姫と血祭りに参加しなかったが助ける気もないおキヌたちがそれを傍らから見ていた。

「ごめんね〜猫姫ちゃん。お兄ちゃんボロボロにしちゃって」
「ううん、死ななければいいの♪それに姫は横島さんと手をつなぐという目的が達成したから満足なの♪」
「えっ!?」

猫姫の発言に驚いて傍らの猫姫に顔を向けたおキヌが見たものは、“目的のためなら手段を選ばない”者特有の笑顔であった。

   あとに残ったのは黒犬という肉塊であったとか

                      めでたしめでたし    おしまい
作者から
 遅れて申し訳ありません。なにせ正月早々祖母が死、そんな祖母に連れ去られるがごとく飼い猫も死に、結構落ち込んでしまいました。気分を改めるために最後はシリアスにするつもりでしたがギャグに変えてしまいました。
 ところで今回のお話はどうでしたか?黒犬&猫姫はイメージどおりでしたか?笑ってくれましたか?多数のご意見お待ちしております。
 なお、後日談を書こうか書かまいか迷っています。みなさまの意見・要望があればどしどしコメントに書いてください。それによって考えます。
 では、またのお話で会いましょう。

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