ザ・グレート・展開予測ショー

シロ誘拐事件(その5)


投稿者名:ガーディアン
投稿日時:(02/ 2/ 3)

「じゃ、美神たちを呼んできてくれ」
「うん♪」
「(それまで黒犬はおわずけな♪)」
「くそ〜」

 どうやら黒犬は謎の人物(もしかしてバレバレ)が美神たちを呼んでくる間に抜け駆けしようと企んでいたようだが、そうは問屋がおろさない。

 そのころ、横島はというと・・・・公園で待っていた。それはもう律儀に待っていたのである。なにせ何時美神たちや黒犬が戻ってくるのかわからないので横島としては待つ以外にやることがなかったのである。
 そんなとき美神たちは戻ってきた。ただし、美神はツヤツヤ、おキヌとタマモはゲッソリとした表情であった。

「いや〜、あのおばあちゃん関係なかったは!」
「だから言ったじゃない!おいなりをくれる人に悪い人はいないって!」
「どうするんですか!?おばあちゃんにあんなことをして(涙目)」

 タマモの言葉はともかくおキヌの言葉が気になった横島が美神に尋ねると、

「聞きたい?」

と美神の目を見た横島は聞くのを止めた。人間知らない方が幸せということもあるのだ。

と、横島が思ったとき突然背後から熱く鋭い視線(岩をも貫くほどの)が横島を貫いた。

「な、なんだ!」

横島が急いで振り向いたその先にいたのは・・・・何とも奇妙な存在が電柱の影から美神たち、もとい横島を見ていた
 その存在をなんと言うべきか、身長は幼稚園生ぐらいよくて小学校低学年ぐらい、髪型は長髪、色は黒、顔立ちは割と整っていて子供特有の可愛らしさがにじみ出ていた。そしてその口元から八重歯が出ていてやんちゃっぽくてチャームポイントになっていた。性別は見た感じ女(メス)。ここまではいいとして問題はまず頭から出ている犬や猫などにみられる耳、ほほからでている犬や猫などのヒゲ、極めつけは首から下の全体を包む毛皮(自前か着ぐるみかは不明)とお尻から出ているしっぽ。もしこの存在が四足歩行なら人面犬ならぬ人面猫であったが残念ながら二足歩行である。
 その存在が電柱の影から横島を見ていた。その目はキラキラ・・・ではなくギラギラとまるで肉食動物が草食動物(獲物)をハント(狩る)ときのような目である。

「なにあの子」
「なんだか凄い目で横島さんを見てますよ」
「横島、あんた何したの!?」

横島同様それに気づいた美神たちが尋ねるが、とうの横島はあまりの視線のためヘビに睨まれたカエル状態である。
 そしてその存在は横島と目が合うと、「にゃは♪」ニパッとひまわりのような笑顔を浮かべたのである。こころなしか頬が桜色に染まっていた。同時に横島の金縛りも解けたのである。そしてそれは、トコトコと横島の元に歩いて来た。

「え〜と、君誰?」
「あたしの名は猫姫。お兄ちゃんに頼まれて横島さんを連れに来たの♪」
「お兄ちゃん?」
「あたしのお兄ちゃんの名は黒犬って言うの」
「「「「・・・・黒犬のいもうと〜!」」」」

あまりのことに美神たちは驚いた。まさか黒犬に妹がいるなど思ってもいなかったのである。ましてや兄が犬なのに妹は猫などと誰が思うだろうか?それともやっぱり黒犬は猫なのでは?と思っても誰も不思議ではない!(黒犬猫説浮上)

「あのね、姫はね、お兄ちゃんにね、シロさんを見つけたから横島さん(たち)を呼んでこいって頼まれたの♪」
「シロ見つかったのか」
「うん♪」

横島が尋ねると猫姫は元気よく答えた。

「ね!だから行こう♪」

猫姫が横島に手を差し出し、横島が「あっ、ああ」と何も考えずにその手を握ったのが横島の運の尽き(災難の始まり)であった。(ちなみに横島と手をつないだとき猫姫の頬は赤く染まった)

 ドバババババババババババアアアアァァァァァァーーーーーーーー!!!!!!
「ギギギギギギギィィィィャャャャャャャャャャャーーーーーーーーー!!!!!」

猫姫は横島と手をつなぐ突然猛スピード(加速無しのいきなりトップスピード)で走り出したのである。手をつないだ横島は鯉のぼり状態。後に残ったのはドップラー効果の横島の悲鳴だけ。
 呆然とした美神たちであったが、さすがは美神と言うべきか、すぐに気を取り直し車で猫姫を追いかけだした。

その頃、猫姫は

「にゃはははーーー♪お使い、お使い楽しいな〜〜♪」

ご機嫌であった。横島と手をつないだことがそんなに嬉しいのか?と尋ねたくなるほどご機嫌であった。とうの横島は振り落とされないように猫姫の手を強く握ることに命を懸けていた(もちろん涙と鼻水垂らしながら)。そしてその行為が猫姫のご機嫌に拍車をかけた。はっきり言えばイッちゃっているのである。このあたりはさすが兄妹と言うべきか。もっとも、横島にとっては更なる地獄の始まりであった。

 さて、みなさんは子供の頃親に言われてお使いに行ったことがあるだろうか?わたしはある。父親に頼まれビールを買いに、母親に頼まれ卵を買いに。そして、みなさんは失敗をしなかっただろうか?わたしはした。ビールを振り回し父に怒られ、卵の入った買い物袋を振り回し卵を全部だめにし、母に殴られた。

 わたしの経験に基づき猫姫も失敗をした。すなわち手を振り回したのである。・・・・・横島と握った手を・・・・

 ドカッ!
「ぐはっ!」
 バキッ!
「ぐえっ!」
 グシャッ!
「ぶはっ!」

猫姫が手を振り回すたびに横島は壁や道路、車にぶつかる、もとい叩きつけられる(なぜか人間にはあたらない)。

そんな様子を車で追いかけてきた美神たちが見ていた。

「よ、よこしまさ〜ん(涙目)」
「成仏してね、横島(合掌)」
「まったく、横島君の血が車にかかるじゃないの。これは帰ったら横島に洗車させなきゃね!」

 つづく

予告
 ついにシロの安否が!そしてシロをさらった(?)者の正体があきらかに



 もっとも、横島が死の十三階段を登りきる前に猫姫が黒犬の元に着くかは疑問だけどね!

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