ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(22)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 2/ 3)

ゆいが主役のお話です
ゆいのお友達がたくさん出てきますが
だれひとり覚えなくて良い一発キャラです
懐かしの澪やんも出てきまっせ

『ゆいと学校』

「ジュ、ジュンイチとユカリは昨日、けっ結婚しました・・・」
・・・・・
「ノーノー、ミス日下部、エンゲージは『結婚』ではなく、『婚約』ですよ、はいもう一度」
英語教科担当の先生がゆいの和訳の間違えを指摘し、もう一度やり直しさせる
「ジュ・・ジュンイチとユカリは昨日婚約しました」
「はいっオーケーよ、ミス日下部」
キーンコーンカーンコーン
ゆいが英文を和訳し終わると同時にチャイムが鳴った
「はい、今日はここまで」
「起立、礼、着席」
その掛け声とともにクラス中の生徒が席を立ち、礼をしてまた席につく
「はぁ〜疲れた、なんで英語ってこんなに難しいんだか、日本人は英語よりもっと日本語を使うべきよね〜」
「ゆいさぁ〜、だれだって苦手な教科はそう思うんだって、あたしだって高校の数学は実生活で絶対に使わないって思ってるもん」
ゆいが苦手な教科についてなげいていると、横からある生徒が話しに加わってきた
「はぁ〜、ケイはそう言っててもちゃんとテストで点取ってるでしょ、私なんかいつも赤点ギリギリなんだからね」
「それはゆいの普段の勉強が足りないせいであって・・・・」
「あ〜あ、学校なんか辞めていますぐGSになっちゃおうかな〜」
ケイの話を無視してゆいは話を進める

ケイはゆいの親友で面倒見が良い、暴走し掛けるゆいを止めるのはいつも彼女の役目だ

「ああ、ゆいそれは無理だよ」
ちょっと遠くの席の方からゆいの席に近づき、ある生徒が話に加わってくる
「なんで?確かに校則で在学中にGS試験は受けちゃいけないってあるけど、学校辞めたらGS試験を受けれるんじゃないの?アカネ」
アカネと呼ばれた生徒は『はぁ〜』と一度ため息をついて話し始める
「ゆいはホント、この業界のことな〜んも知らないのね、まぁそれよりさぁ、英語の和訳の時なんかすごく動揺してなかった、ゆい」
「あ〜してたしてた、なんかあったの?」
アカネの言葉にケイが賛同する

アカネとゆいは仲良しだ、そこにケイを加えた三人組でゆいの仲良し三人組ができるのだった

「べっ別に、ただちょっと知り合いの名前が使われてただけなんだから」
ちょっと焦ったようにゆいが早口で答える
「あ〜、もしかして彼氏の名前だったとか」
ケイがちゃかす
「そういえば、この前校門の前でゆいを待ってた男の人がいたわね、はは〜んその彼氏の名前ジュンイチって言うんだ、へぇ〜」
アカネがさらにちゃかす
「だっ、だれがあんな奴、だいたいあいつはねぇ〜、私以外の人の前ではいつも弱気でぺこぺこしてるくせに、私の前だと強気になって文句ばっか言ってくるのよ、そのうえ情けないし、全然男らしくないし」
ぷぷぷ、とケイとアカネがいっしょになって笑う
「それって〜、ゆいに心許してるって証拠だよ、はぁ〜、いいねぇみんな彼氏がいてさ」
アカネがなげく、ついでにケイには許嫁の彼氏がいるらしい(ある意味ゆいも許嫁だが)
ケイの家は仏教で、アカネの家はキリスト教を信仰している(ついでに、ゆいは無信教)
「あんなの彼氏じゃな〜い」
だいたいさっきゆいが動揺したのは『ジュンイチ』の方もだけど『ユカリ』の方にも原因があった
ゆいが英語の教科書をめくり出版社を確かめる
これで、もし『鈴木出版』とでも書いてあったら『彼女』が絡んでいる可能性は物凄く高くなるだろう
めくりめくって、最後のページに辿り着く
そして出版社名には、こう書かれていた
『綾小路(あやのこうじ)出版』
「ええ〜、この教科書ってあいつんちのなの〜」
ゆいが驚きの声と同時に高笑いが聞こえてきた
「お〜ほっほっほ、あ〜ら日下部さん、ウチのグループの商品に何か後不満でも?」
ちょうど登場のタイミングを測っていたかのように現れた、縦ロールを髪に巻いてるいかにも金持ちそうな生徒、後ろにはお約束のようにふたりの生徒が家来のように立っている
「べっつに〜、ただこんな面白い問題はどこの会社が作ってるのかな〜、って思って」
「そうでしょう、そうでしょう、我が綾小路グループは庶民の心をがっちり掴んでいるようですわ、お〜ほっほっほ」
縦ロールの生徒がまた高笑いをした
「はいはい、私たちは庶民で結構でよ〜だ、でなんのようなの、綾小路綾乃(あやのこうじあやの)」
綾小路綾乃と呼ばれた生徒は高笑いするのを止めてゆいに話し始める
「聞きましたわよ、日下部さん、あなた学校辞めてGS試験を受けるんでしてね」
「いや、それは冗談・・・・」
「しかし、あなたはそこのいるアカネさんに『無理だ』、と言われたのはなぜだかわかりまして?」
綾乃はゆいの話を無視し、話を続ける
「そう言えば、なんで?」
その言葉を待ってました、と言わんばかりに不敵に笑い出す、綾乃
「お〜ほっほっほ、そんなことも知らないで『GS』になろうだなんて、わたくしが許しても、わたくしの曾祖父が許さなくてよ、お〜ほっほっほ」
綾小路グループ、現時点で年間営業黒字利益が日本で第二位に位置すると言う超巨大グループである
そもそも、五十年前の綾小路の会社はしがない貿易業を営んでいたが綾乃の曾祖父『源三』が己の霊力の高さも手伝って、ザンス王国製品の霊能グッズを仕入れたことから飛躍的にその利益を伸ばしていった
教科書から除霊まで、それが綾小路グループの売り文句だ
「その後、源三おじい様は除霊業も始め、今ではその伝統がわたくしの代まで続いておりましてよ、お〜ほっほっほ」
「素敵ですわ、綾乃様」
「源三おじい様があってこそ、今のGS業界があるのですね」
家来みたいな生徒が綾乃の話に賛同する
「お〜ほっほっほ、そうでしょう、そうでしょう、お〜ほっほっほ、あっあれ日下部さんはどこに行きましたの、日下部さん日下部さん」
ゆいのクラスの次の授業は除霊実習だ、その準備のためゆいたちは更衣室に向かうので綾乃が昔話をし始めたところで解散していたのだ
「あいつの話って核心を話すまで時間が掛かるのよね」
ゆいのそう言いながら教室を出る途中、写真を見ながらにこにこ笑っている澪を見つけた
「澪ちゃん、なに見てんの、あ〜彼氏の写真とか?」
「あっ、ゆいさん、見てくださいよ」
そう言って澪がゆいに写真を渡すと澪の隣に写っているのは彼氏では無く・・・たくさんの幽霊
「みっ澪ちゃん、これは・・・」
苦笑いしながらゆいは聞く
「この前の休みの日に最新心霊スポットに、どうせガセネタだと思いつつ行ってみたんですよ、そしたらこんなに素敵な写真が撮れてしまって、もう顔が緩みぱなしって言うやつですよ」
澪の撮る心霊写真はそんじょそこらにいる浮遊霊を撮るのとはスケールが違う
300年前の落ち武者といっしょに写ったり、70年前の大量殺人があった場所で被害者を撮ったりとスケールがデカイのだ
しかも、撮られた霊は成仏しているのだからだれも澪に文句は言えない
「でも、なにこの霊の数!!一体どこで撮ってきたの?」
澪といっしょに写っている霊の数は十・・・いや三十はいるだろうか、それを八枚も持っているのだからものすごい数だ
「え〜、それはゆいさんでも教えられないですよ、でも交通事故と自殺の名所が重なって、そしてそこが元々戦国時代の時の戦場の舞台だった所、とだけ言っておきましょうか」
そう言われゆいは「あはは」と笑うしか無かった

「無い、無いっ、私のブルマ(体操着)が無ぁぁい」
ゆいは更衣室でひとり叫んでいた
更衣室にはゆい以外だれもいない、なぜなら職員室に資料を運ぶのを先生に付き合わされたせいだ
さほど親しい先生では無かったが赤点ギリギリのゆいはこれで貸しを作っておくことにしたのだ
まあ、そんなことでテストを上げて貰えるはずもないのだか、ゆい自身がそう思っているので仕方がないだろう
「どうしよう〜、ブルマ(体操着)が無いと除霊実習に出られない、除霊実習は私の唯一の得意科目なのに〜」
どうしよう、どうしようと慌てる、ゆい
「ジュンイチだ〜、ジュンイチが私のブルマ(体操着)を盗んだんだ〜」
しまいには全く関係のない順一にまで八つ当たりする、彼に取ってはいい迷惑だ
「うふふふ、ゆいちゃん、慌てな〜い慌てな〜い」
どこからともなく恐怖の美声が聞こえてくる
ゆいは更衣室のドアから離れる、彼女ならドアくらい破壊しながら入ってくるに違いない
ドカッドカッ、バキバキバキ
その音ともに天井に亀裂が入る
「てっ天井!!」
スドーオォーン!!
天井は崩れ落ち砂煙が巻き上がる
その中にはひとりの破壊紳、もといブラコン姉さん、またまたもといゆかりさん、が立っていた
「はぁ〜やっぱり、ゆかりさんですか」
「まっ、そう言うこと、はいっイサムさんがゆいちゃんに届けてくれって言ってた体操着」
「ああ〜、私のブルマ(体操着)良かった〜ジュンイチが盗んだんじゃなかったんだ」
「『私の』順一がそんなことする訳ないでしょ、まったく、自分で洗濯したのも忘れてるんだから」
『私の』をかなり強調する、ゆかり
「そう言えば、そうだったような・・・」
いまさらゆいは自分が洗濯したことを思い出していた

変なところでつづく

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