魂の機械 星屑編
投稿者名:斑駒
投稿日時:(02/ 2/ 2)
「再突入回廊・確認! 大気圏・突入します!」
―燃料タンク 最終切り離し(バージ)
―反作用による加速 X=8.9 Y=4.3 Z=0.9
―着陸軌道 最終検算
―……………(計算中)
―「げえッ!?」
(聴覚センサー反応 横島さんの…叫び声…!?)
―「死ねェェエエエッ!!」
(声紋照合…メドーサ!?)
―外力発生 軌道に重大な誤差発生
―「し、しつこいーッ!!」
「―!! 再突入回廊から・外れます!!」
―新規軌道計算 大気圏突入シミュレート
(…!!)
「このままでは・船が・燃え尽き・ます!」
―「ひいッ!?」
―船体外壁にメドーサの霊反応確認 軌道歪曲の原因である確率…99.9%
(軌道修正しなければ…方法は?)
―…………(検索中)
(その前にメドーサの排除を…方法は?)
―…………………(検索中)
―「バクンッ!!」
―ハッチの開閉音 確認 内気の流出 無し
(横島さんがハッチを開けた? 気圧が無いとは言え…何て事を…!)
―大気圏突入まで あと10秒
(すぐに外壁では大気摩擦による高熱が発生する!!)
―「うおおおおおッ!!」「ドン」「ドンッ」
(…!! 銃声!! 横島さんがメドーサと交戦している!?)
(…援護しなければ!)
―「今だ、マリア!! 熱遮蔽板を切り離せッ!!」
(…!?)
―熱遮蔽板5葉 切り離し!!
(…!!)
―メドーサの霊反応 後方に離脱 距離10m…20…30…
(現状理解!熱遮蔽板でメドーサを剥ぎ飛ばした…でも着陸は…横島さん!)
―横島さん ハッチより身を乗り出し中
(危ない! 押さえなければ!)
―「1個だけ間に合ってよかった…!!」
―横島さんの手から 大量の冷気 発生
―「そうかッ…!! 文殊の冷気で代用を―――」
(そうか!これなら…)
―「おのれッ!! 美神玲子ならまだしも、なぜあいつにこうも…!!」
―船体外壁温度 マイナス50度…100度…150度…
―「貴様だ…!! 貴様を先に殺しておくべきだった!! せめて道連れに――!!」
―計算済みの着陸シミュレートに代入…着陸成功の確率 90%!
―「えッ!?」
―横島さん 船体より離脱
(…えッ!?)
―ロケット点火 横島さんを 追跡
「横島さん!!」
―「た…助けてくれ――ッ!!」
(今 助けます!)
―横島さんを 捕捉
(よかった 何とか追いついた…)
「!!」
―船体より 高熱発生
(しまった!もう大気圏内!?急いで帰船を…!!)
―ロケット点火 最大出力
―船体との距離10m…11…12…
(まずい…!!)
「推力…不足!!」
(つまり…!!)
「帰船・可能・エリア外…!!」
(何とかして…ロケットアームは!?)
―作動の際 タイムラグあり インポッシブル
(横島さんを投げる!!)
―人間の身体 加圧に耐えきれない インポッシブル
―「え…!? それって… あれ…!?」
(何とかして、何とかして、横島さんだけでも…帰船して…生きて…)
―帰船の可能性 再計算 …確率0%
(何かないの?何かないの?何か、何か、何か、何か…)
―帰船の方法 検索 フルスピード …該当 無し
(…!!)
(だめッ!? 落ちる!? 横島さんも一緒に!? 横島さん…と…一緒…に…!?)
―落下の確率 99.9%
(落ちる!? 死…壊れる!? マリアが…横島さんが!?)
―横島さんの生存確率 5.4%
(死ぬ!? 横島さんが?横島さんが!?横島さんが!!)
―マリアの完全破壊確率 22.3%
(!!)
―ロケットの推進力低下 加速度 鉛直下向きに5m/S2
(もう、落ちるしかない! 落ちることしか…できない…!! 横島さん!!)
(落ちる…こと…できる…!?)
「…………………」
(できること、マリアに、できること…)
(横島さんのためにできること!!)
「横島さん・どこへ・落ちたい?」
―「いやあああああ――――――ッ!!」
(横島さん! ごめんなさい もう落ちるしかない)
―「美神さ――――ん!! おキヌちゃ―――――ん!!」
(ミス美神! ミスおキヌ! ごめんなさい 横島さん 無事に 帰せない)
―大気圏突入 空気摩擦発生 マリアの表面温度 急上昇
(Dr.カオス! ごめんなさい マリア 無事に 帰れない)
―横島さんの 気絶 確認
(でも……)
「横島さんは、横島さんだけは、死なせない!!」
―横島さんの表面温度 上昇 竜気による防御 限界
(空気に触れる面積を小さく! マリアが庇って…!)
―温度なおも上昇中 竜気表面で、800度…900…1000度突破…
(他に…できることは…)
「…!!」
―動力用冷却材 体外噴射 動力レベル 限界まで低下
(これで…!!)
―横島さんの温度上昇 1000で停滞 生命維持限界まで あと3秒
(急がなきゃ!!)
―ロケット停止 加速度9.8m/S2に増加
(意識…が…!?)
―マリア 体内温度 上昇2000度 動力 停止寸前
(もう…だめ!?)
―成層圏突破 対流圏に突入 空気抵抗による折衝 落下速度 摩擦熱 ともに減少
(横島さん…!? 生きてる! やった、なんとか…)
―地表接近 墜落まで あと10秒
(墜落!? いけない このスピードでは 横島さんは…)
―カウントダウン 5…4…3…
(横島さんは 死なせない マリアが 死んでも)
―0!
―「ドッ…」 ザーーッ ブッ…!!
―P!
―システム 再起動
(ここは…!?)
―視覚センサー作動不良 位置確認不能
(横島さんは…!?)
―霊波センサー作動不良 生存確認不能
(捜さなきゃ!!)
―下半身ユニット 大破 移動不能
(そんな、横島さん…)
―「―――!!」
(??)
―聴覚センサーに反応
―「…リアー、生き……かー!?」
―声紋照合 Dr.カオスと確認
「イ…エス…! …ター…カオ…ス…!」
―発声ユニット 作動不良
―「…かった…! よかったあああ―――ッ!!」
(よかった Dr.カオス マリア 生きてる)
(でも、横島さん…横島さんは!?)
―動力 出力維持限界
(横島さん! 横島さん!! 横島さんは!?)
―「あ〜〜〜〜死ぬかと思った…!」
―声紋…確…
(横島さん…! よかった…生きてる)
―システム 再休止
―プッ…!!
−−−−−−−−−−−−−−
この物語はフィクションです。
実際の地球・物理法則・科学技術とは異なる場合があります。
この物語に出てる単語または事象を使用、若しくは信用したことによって生じる
恥・誤解・孤独などについて筆者は一切の責任を負いかねます。
今までの
コメント:
- どきどき。初投稿です。
初めましてです。フチコマです。(そう、Futicomaと読みます)
どきどきする理由はまだあります。
これ、本編の一部をマリア視点にしただけ。実は重大なルール違反かもッ!
しかも、マリアの心情というパンドラの箱をッ!
私、死んじゃうかもッ?
でも、過去の展開妄想と言えないこともないし…。
……ご意見、いただけたら、嬉しいです。 (斑駒)
- そういえば、IMEさんは「ぶちこま」と打たないと私の名前を出してくれません。
ATOKさんも、たぶん一緒でしょう。
それどころか、国語辞典さんたちも…。うぅっ。 (斑駒)
- いやーよかった・・・マリアの心情(?)を垣間見たような感じで。
あー初ということで気にしてらっしゃるようですが、
特に気にすることないですよ。つーか、初めてとは思えないほどうまいですし。
最後のこの物語はフィクションです〜の所に独特のセンスを感じます。 (NGK)
- 巧いですね〜
キカイのココロを上手く表現してると思います。マリアかぁ……
こういう作品好きだなぁ…… (ロックンロール)
- NGKさん ロックンロールさん。コメントありがとうございます。恐縮です。
「〜フィクション〜」の件は、物理法則的な知識の欠如をごまかすためのものでした。
なるべく専門っぽい記述からは逃げて立ち回ろうと思ったのですが、
宇宙から墜落する際にどこで燃え尽きるかとか、空気抵抗云々の話は正直、知らないんです。
しかし、これからも勇気を出して嘘八百を書きつらねる所存です。 (斑駒)
- はじめましてです。
うん、全然上手ですよー
こんなに上手なのに―そんな謙遜しなくてもいいと思いますよ?
マリアが可愛くてらぶです (hazuki)
- さんせー (hazuki@うっかり)
- 最後に書かれた「孤独」という単語が妙にリアルです(笑) (ファン)
- 記事に出てくる専門的なネタは、それを機会に少〜し調べてみるのも見識も拡がって面白いですよ。そこからまた新しいネタが入る事も有りますしね……って、僕はあんまり熱心に遣りませんけど(おいおい)。
構成が実にユニークですね。マリアの心の呟きをあえてロボ口調にしなかったのが、今回の場合は普段とのギャップからくる面白みもさる事ながら、積極的かつ直接的な感情の発露が彼女の「思い」の強さと純粋さをよく表している様に見えます。
ルール違反? いいえ、これはアイディアの勝利でしょう。 (Iholi)
- ↑の通りっすよ斑駒 (魚高)
- 本当にごめんなさい!!
ミスったんです。(泣)どうか、お怒りを静めてください。(キラりん)
ルール違反なんかじゃないですよ。
斑駒さん違った視点から読ませてもらって、
すごい面白かったです。
↑は本当にすみませんでした。 (魚高)
- hazukiさん、ファンさん、Iholiさん、魚高さん。暖かいお言葉、痛み入ります。
Iholiさんのご指摘どおり、初めから良くできた嘘を志すよりも、本当に近づけようとする方がポジティブですよね。
がんばります。
マリアは原作中でよく「………」発言をします。テレサは「感情や知性に劣る」「ソフトウェアがおざなりだ」と表現しましたが、私の見解は違いました。
この作品はマリアの「………」の裏に隠れた、声に現れない部分を表現しようとしたものでした。
魚高さん、気になんかしませんよ。新人同士、お互いにがんばりましょう。 (斑駒)
- そう言ってもらえると助かります。
いやぁー、一時はどうなるかと…
以後、気をつけます。 (魚高)
- 凄いっす!
着目点と丁寧さの勝利っす!
原作のコマとコマの眠ってる空気をこんなに滲み出せるなん
て……。
上の作品も覗きにいってきやす。
グッ!(←サムアップしてる) (みみかき)
- なんか、アニメの機械音(ピッ、ピッ、みたいな)が文章で随所に散らばめられてて、面白いです。
最後、横島の息を確認して、フェード・アウトしたマリアも素敵です。 (トンプソン)
- わっ。新しいコメントがっ! ありがとうございます。
みみかきさん。この場面は私にとって特別なんです。
「横島さん・どこへ・落ちたい?」の時のマリアの表情は全編通してベストショットだと思います。
トンプソンさん。私、GSのアニメ見たことないんですぅ。おろろ〜〜ん。これからもそのへんは妄想力でカバーしていきたいと思います。 (斑駒)
- うわー、マリア可愛いですねー。
なんか、ロジックの象徴みたいな機械の少女のロジックじゃ割り切れない感情の発露って、良いですね。
突き詰めていくと難しい問題でしょうけど、初投稿でここまで面白いんだもん、斑駒さんなりのマリアの物語、これからも楽しみにさせて頂きますね。
ではー。 (四季)
- 俺も「原作のマリアにだって心はあるんじゃー!」派なので、大賛成です。
彼女の胸のうちにはいつだってこんな風に、吐き出せない感情が渦巻いているのではないでしょうか。
――ところで、“フチコマ”の元ネタはあの甲殻機動隊でしょうか? (黒犬)
- はふー。すっごく胸に響きましたー♪
マリアちゃんが、とってもいい子だってわかるお話ですね♪ (猫姫)
- 四季さん。黒犬さん。猫姫さん。コメントありがとうございます。
黒犬さんにはイキナリ正体がバレてしまいましたね。
斑駒はもとは神さまの乗騎ですが、甲殻ではフチコマは永遠の生を手に入れた人格として描かれています。私がこれをHNに選んだのは単に音の響きが良かったからなのですが…。
私がマリアを書き続けるのとなにやら因縁めいたものも感じます。
四季さん。猫姫さん。これからも、マリアを描き続けますので、よろしくお願いします。 (斑駒)
- ええっと。いち…にい…さん…。
うん。やっぱり。どなたか名も知らぬ方が賛成してくださっている!
名も知らぬ方! ありがとうございます!!
それに、マリアのお話がこれだほどの注目と支持を受けられたのが嬉しいッ。
私はもう一人じゃない! それが分かったからには今後もツっ走りまくります! (斑駒)
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