ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(21)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 1/28)

つづきだす

「あはは、忘れてた」
「ジン、お前親としての義務を果たせよな、それで、なんで息子のショウくんまでこっちに連れて来たんだ」
「俺にはいろいろこっちのことで問題があるだろ」
「特にサユリさんのことか」
「一番はそれだな、サユリはいまどこでなにやってんだか」
「もうお前のこと待つの諦めて結婚してるんじゃないか」
「俺はサユリ一筋で結婚なんかしてないぞ」
「大体、お前がこっちにいたのはたったの三ヶ月、出会って二ヶ月、付き合ってたった二ヶ月のお前を二十年間も待つか普通」
「まあいいよ、サユリが幸せなら、俺もそれはそれで諦めは着くし、俺には息子もいるしな」
「なんか話が脱線してるなぁ、私が聞きたいのは、なんでわざわざショウくんを連れて来たのかってこと」
「んっ、それはあいつが付いて行きたいって言うから、連れて来たんだ」
「それだけか」
「まぁ、あいつもこっちで個人的になにか目的があるみたいだけど」
「あっちの生活を捨ててまで大切なことか?」
「亜空間戦争から三年後、俺とミナヅキはバラバラに過ごしてたんだ、それで突然電話が掛かってきて、ミナヅキが子供が生まれた、双子が生まれたって言ったんだ」
「それで」
「ショウは母親の顔も知らない、ショウが物心付く前にもうひとり子供といっしょに行方不明になったんだ、ミナヅキも二歳の時死んだからあまりいい思い出がない」
「もしかして、その母親ともうひとりの子供が表世界にいるかもって言ったのか」
「ああそうだ、あいつに必要なのは本当の家族だ、裏世界を探し尽くしていなかったんだ、表世界にいると思う」
「死んだ、とか考えなかったのか」
「生きてると思う、だって生きていると思わなかったら先には進まないだろ」
「それもそうだな、で手がかりはあるのか出来るだけ協力するぞ」
「え〜と、まず誕生日がショウと同じだと言うところ、あとDNA鑑定があるからこれで兄弟か否かわかるな」
「はぁ、それだけ?」
「それだけだ」
「ダメだ、話にならん、だいたい一卵性か二卵性かもわかんないのか」
「それも分からん、多分男じゃないか」
「男か女かも、ミナヅキに聞いて無かったのか」
「だってあいつにひさしぶりにあったのが、あいつが危篤の時だったし、その時にはショウの母親は行方不明だったし」
「お〜い、ジンさ〜ん、はら減った、何か食べに行こうよ」
翔が駆け寄りジンに提案してくる
「そうだな、じゃあな結城」
「ああ出来る限りのことはやってみるよ」
「期待しないで待ってる、あと学校も通わす」
そう言ってジンと翔は公園をあとにした
「あの人は誰だったの?」
「お前の親父と俺の親友ってとこかな」
「へぇ〜〜」
「もう、あれから二十年たつのかぁ〜」
そしてふたりはどこかのお店で昼食を取った


戻って学校
僕はふたつあったおにぎりのひとつを朝霧さんにあげて、二人で昼食を取っていた
「あ・・・・あの、なぜ順一君は私に触っても大丈夫なんですか」
朝霧さんが僕に尋ねてきた、でも朝霧さんの顔を見ると前々から聞きたくてやって質問できたことでホッとした顔だった
「さあねぇ、なぜだろうねぇ」
僕はまだ偶然説を捨てたわけじゃなかった
それはいままでのは偶然だった、で済めば朝霧さんが自分自身を責めることがなくなると思ったからだ
第一、僕が彼女に触れても大丈夫なんだから、みんな大丈夫なはずだ
「ちゃ・・・ちゃんと、答えて欲しいんですけど」
「僕だってわからないよ、ねぇ本当に偶然じゃないの、偶然じゃあ済まないの?」
「あの・・私って転校してきましたよね、今回で転校四回目なんです」
「四回目って、もしかして全部・・・」
朝霧さんの目に涙が溜まる
「学校にいられなくなって、逃げたんです」
少し頭がいたくなったような気がした
「もしかしたら、順一君の言う通り偶然かも知れません、でも偶然が二十回も三十回も続けて起こったら偶然じゃ済まなくなるんです、私は生れきた時からずっとそう・・・・」
「ちょっと〜、どけてどけてぇ〜」
屋上では女生徒たちがバーレーボールをしていた
こちらと反対側にいた生徒が返したボールは軌道が大きく外れこちらに向かって飛んでくる
それを無理して空中でボールを返そうと走ってこちらに向かってくる生徒
僕はこの時どのような行動を取れば良かったのだろう
僕はこれから起こる事故を未然に防げたかもしれないのに、まったく動くことができなかった
ドンッ・・・・
「ごめ〜ん、大丈夫、怪我は無い?」
朝霧さんとボールを追いかけてきた生徒がぶつかった
「あ・・あ・・はいっ」
女生徒は朝霧さんに怪我がないとわかると、女生徒は立ち上がりボールをいっしょに遊んでいた女生徒たちに投げようとした
「早くボール返してよ〜」
「ちょっと、まっ・・・・・・」
ドサッ・・・・
朝霧さんにぶつかった女生徒が足元から崩れ落ちる
突然倒れた女生徒を屋上にいた生徒、みんなが近寄ってくる
だれも朝霧さんを気にするものはいない、まだこの時点では
こんなことが続くうちに朝霧さんは疑われ、そして避けられていったのか
「私のせいだ、私が・・・・」
ぶつかったことは偶然だが、女生徒が倒れたのは偶然じゃない
それを知っているのは幸か不幸か僕と朝霧さんだけだ
しかし、それを知っているがため朝霧さんは自分を責める、責めて責めて自分を追い込む、そして・・・・
「私がいるから・・・」
・・・・逃げる
「待って朝霧さん」
朝霧さんは屋上から出るのを見た僕は朝霧さんを追い掛ける
いままで、そういう風にしてきたかも知れないけど、今回からは違う、僕が彼女の理解者になってあげればきっと良い方向へ行けると思う
僕は彼女のためになにしてあげたかった、どことなく彼女はだれかに似ているような気がした
ゆいか、翔君か、それとも僕自身か
だれだっていい、とにかく彼女を助けないと
朝霧さんは上履きのまま外へ出ていった、僕も靴を替えずに外へ追いかけていく
「待って、朝霧さん」
追い付いた僕は朝霧さんの腕を掴む
「離してください、私なんかに構わないでください、私なんて疫病神なんですから」
「待ってよ、そんなに自分のことを責めないでよ」
「お母さんでさえも私に触れないんですよ、友達もいない私は疫病神でもいいんです、前の学校の人なんかみんなそう思ってます」
朝霧さんの目から涙がこぼれ落ちる
僕は母親でさえも触れられないと言う所にショックを受けた、家族なのに・・・・
「なら・・・なら僕が朝霧さんの友達になるよ、いいや僕が朝霧さんを友達にしたいんだ」
「どうしてですか、人に触るだけで貧血を起こさせる私のどこがいいんですか」
朝霧さんの目からこぼれる涙が止まった
「そんなこと、僕は貧血で倒れないんだから関係ないよ、その体質をなんとかする方法をふたりで見つけたらいい、君のどこがいいなんて分からないけど、朝霧さんの存在は僕に取ってプラスになると思う」
今度は違う意味の涙が朝霧さんからこぼれる
「だからさ、逃げないで立ち向かおうよ」
「はっはい、嬉しいです、そこまで人に言われたことないです、私も順一君の存在は私に取ってプラスになると思います、だって初めて普通に触れる人に出会えたから」
今日新しい友達ができた
名前は朝霧真さん
きっと、大切な友達になるはずだ

つづく
最悪だぁ、なんか告白してるみたいだし
まっ、順一はゆいより朝霧さんの方が好きですから(いまのところ)
サユリって人はあとの方でからみます
しかし、朝霧さんの話を書くとギャグが無いからどうしても他のキャラも出しちゃうんだよね(特にゆかりさん)
彼女がストーリーに絡むのは最後の方です
イリスはまだまだです
次回はゆいです、多分

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