ザ・グレート・展開予測ショー

西条よ永遠なれ!!〜飛翔編〜


投稿者名:黒犬
投稿日時:(02/ 1/28)



 空は快晴。まさに日本晴れ。
 しかしここ、Gメン本部にだけは今朝から局地的にどんより雲が異常発生していた。

「うっ、うっ……えっぐえっぐ………どうして……どうしてボクより横島君なんだ…………令子ちゃん……ひのめちゃん…………うっ、うっ……ぐしゅぐしゅ……おろろ〜ん…………」

 その異常気象の中心には、寂しく膝小僧を抱えて鼻水と涙の味を噛み締めている男がひとり。
 言わずと知れた西条である。

「何故だ・・・・・・令子ちゃん。何故だ・・・・・・ひのめちゃん。 何故だっ!? 何故なんだっ!? もしかして、時代は煩悩とバンダナなのかっ!!?」

 アレっぽいオーラを纏いつつ、陰々滅々と呟き続ける彼。
 通りすがる女性隊員達から投げかけられる、汚物を見るような視線にも気がつかない。

 余談ではあるが、件の『零歳児に元気にぷろぽぉず』事件の顛末は、既にGメンを始めとする関係者一同に知れ渡っており、彼の権威と評価と信用とナンパの成功率はもはや地獄の底まで落ち込んでいた。

「ちくしょう・・・・・・えぐっしゅん・・・・・・ボクの、長年の『憧れのお兄ちゃん計画』が・・・・・・『足長おじさん計画』が・・・・・・『美神家全員攻略(公彦除く)』の夢がぁ・・・・・・ひっくひっく・・・・・・・・・」

 落ち込むあまり、密かに胸中で練り上げていた卑劣な野望を、思わずポロポロと吐露する西条。外道である。
 だが、そんな外道に言葉をかけようとする、勇気ある女性がここにいた。

「西条君」
「先生・・・いえ、隊長・・・・・・」

 その名は美神美智恵。知略と策謀がチャームポイントの、ステキな人妻である。

「隊長ぉっ! ボクはっ! ボクはぁーっ!」
「辛かったのね・・・・・・西条君・・・」

 顔面土砂崩れを起こしながら、美智恵に泣きつく西条。
 そんな子供のような振る舞いに笑みをひとつ零すと、美智恵は西条の瞳を真っ直ぐに覗き込み、あやし諭すように語りかけた。

「いい? 西條君、よく聞いて・・・・・・」






























「実は私も横島クンに・・・・・・なの♪(ぽっ)」





























 がばっ! だだだだだだだだだっ!! だんっ!!! パリィィーーーン!!!!






























 西条は、翔んだ。






























「あらあら、冗談の通じないコねぇ」

 くすり、と以外に幼げな仕草で口元に手を当ててひとつ微笑むと、彼女はブチ破られたガラスの大穴から眼下の光景を覗き込んだ。

「いきなり飛び出すとはねぇ。ココ、最上階よ?」

 まぁ、これで愛娘たちを付け狙う、タチの悪い害虫は始末できた訳だ。

「さ、令子と横島クンでも、ひやかしてきましょ♪」

 ―――――ぴーぽーぴーぽー

 遠くからサイレンの音が聞こえてくる・・・。




 ――――嗚呼、西条よ永遠なれ!!!


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