For me,For YOU(最終回)
投稿者名:ニコのり。
投稿日時:(02/ 1/22)
***For me,For YOU(3)***
アメリカ。
「…え…英語がわからん」
異国へと足を踏み入れた横島は頭を抱えていた。
「日本人は…」
参加者が全員集って、ざっと20人。
いろいろな国から来ているようだが、日本人はどうみても自分一人しかいない。
「やべぇ…」
―――――周りはすでに仲間になっている…。
英語…習っておくべきだった!スチュワーデスのねえちゃんに声なんかかけてる暇じゃなかったあ…!
「…あれ、お前はもしかして横島!?」
背後から懐かしい声がして、振り向くと見覚えのある男。
「ゆ、雪之丞!?」
そう。雪之丞が立っていたのだ。
「なつかしいなぁ!元気だったかぁ?横島も参加か?」
ぽんぽんと横島の背中をたたく。
「お前、変わんねぇな…」
雪之丞の体を下から上へと視線を送る横島。
「…俺結婚したんだよねぇ、弓と」
自慢げに笑顔の雪之丞に、対抗する。
「俺だって美神さんと…って、ああ!ある意味ふられたんだったぁ…!!」
「????よぉわからんが、とりあえず元気そうで何よりだ。それでこそ俺のライバル!今回の修行も、一緒に成功しような」
「…ああ」
二人はがっちり握手をした。
一方、日本。
「………暇…」
仕事もできない、殴る相手もいない。
美神はただ部屋でぼーっとしているしかなかった。
趣味も特にない。
変に体を動かすと、肩に響いて激痛が走りやる気も起きない。
「……あいつ、今ごろどうしてるんだろ…」
一人きり。
つい本音も口に出る。
ソファーにうつぶせに寝転んで、ふと目がいったカレンダー。
「今日が11月15日…。あいつが出てったのはおとといだから…。2ヶ月っていうと1月12日!?」
―――――クリスマスも大晦日もお正月も一人…?
恋人になって初めてのイベント。
それなのに、横島はいない。
改めて涙が出てくる。
―――――な、なに泣いてんのよ…。わたしってば!
横島と出会う前だって、ずっと一人で過ごしてきた。
慣れてるはずなのに…。
そして1月15日。
「今日帰ってくるのよね…」
カレンダーの前でどきどきどきどき。
クリスマスも大晦日もお正月も一人で過ごした。
たまにおキヌちゃんや西条さんたちと会ったりもしたけれど、特別な日はみんな、やっぱり過ごしてはくれなかった。
でも、みんなと会っている時だって美神は上の空だった。
肩も完治した。
なのに大好きな仕事も手がつかない。
……こんなにだれかを想ったのは本当にこれが初めてだ…。
「あれ、でも…今日のテストで死ぬ確率は40%…??」
そんなテストに横島が成功するだろうか…。
信じたいけど、いまいち信じられない…。
「……………………」
高鳴る不安。
冷や汗が出てくる。
「うーん…」
さっきとは違うどきどきがする。
「あ、あいつの部屋ってもう2ヵ月掃除してないような気が…」
独り言をいろいろいいながら、とりあえず横島のアパートに行くことに決めた。
横島が帰ってくるにしても、身辺整理にしても(汗)部屋はきれいにしておかなくては…。
早く横島に会いたい…。
そんな風に考えながら玄関のドアを開けると、どかん!!!と何かにぶつかった。
「?????」
何が起きたのか、と目を丸くしてそーっとドアの裏をみた。
「ってぇ…」
と、顔を手でおさえている一人の男。
「な…横島!?」
たしかにそこには横島が立っていた。
「……よこし…まクン…」
美神はほとんど無心状態でつぶやく。
「ただいまッス!」
横島は明るく挨拶をしたがやっぱり美神は何も言わなかった。
「あ、あの…美神さん…??」
うつむいた美神の顔を覗き込んだ途端、
「…電話ぐらいしなさいよっっ」
美神はコブシを振り上げた。
「…す、すんません!」
咄嗟に構えた横島に、コブシは飛んでこなかった。
変わりにぎゅうっと、強く横島の体を抱きしめられた。
「美神さ…?」
美神は決して顔をあげなかった。
しかし顔を真っ赤にして泣いているのが横島にもわかる。
だから横島は何も言わずに抱きしめられるままにした。
「美神さんのことは、俺が守ります」
美神も何も言わずに何度もうなずいた。
そして、このぬくもりは一生のもの…。
******おわり******
>恵美さん
黒犬さんのところで知ったんですけど、恵美さんって17歳なんですね。実はわたしは今16歳です。先輩ですね♪お誕生日、おめでとうございます。
>ねずみの尻尾さん
そうですよね!大事なときは素直が一番!わたしも……(笑)。
>黒犬さん
暖かいですか…。よかったです。ありがとうございます(>▽<)!
>Ihoriさん
時の流れは怖いですよ…(笑)。
>lovelyさん
うーん…。そうですねぇ。美神さんは横島くんのものですが、わたしの話の中の美神はlovelyさんにあげます!!
>猫姫さん
わたしも多分引き止めます…。上の恵美さんのところにも書いたようにわたしもお年が近いです!わたしは高1なんですけど…。
>NGKさん
ラストはこんなんなりました。わたしの作品はラストがいつも意気消沈してきて困ります…(汗)。
>みなさま
ありがとうございました!!!次は…特に決まってないんですけど娘の蛍子ちゃんの話にしようかなぁと考えてます。
今までの
コメント:
- あ、最初のタイトルの部分が「3」になってしまってる…。
前回のをコピーして使ってるのがばれてしまう…(笑)。 (ニコのり。)
- あーー!あと雪乃丞もちゃんと無事日本に帰国しました!はい。 (ニコのり。)
- 無事ハッピーエンドで良かった。うむ。素直な美神はやはり可愛いなぁ。
連作お疲れ様です。やっぱこういう話を書ける人って凄いな………… (ロックンロール@バッドエンドの達人)
- うふふ・・・。
横島の部屋の掃除なんて、なんて可愛いことを・・・。 (ねずみの尻尾)
- 横島の最後のセリフがよかった。
あのセリフで横島が成長したと。
アメリカに行って自信がついたなぁ横島。
次は蛍子ちゃんの話ですか・・・
楽しみです。 (NGK)
- 美神さん、可愛い〜〜っ。vvvvv
泣いちゃったりして、カワイイっ。vv
横島クンの、「俺が守ります」、かっこいーです。vv
>ニコのり。さんv
えーっ!私より一個年下なんですかー??!
文上手だから、絶対年上なんだと思ってました。☆☆
私も国語がんばらなきゃ〜。。。(笑) (恵美)
- 駄目じゃないか横島、そこでスッチャデスさんとの出会いを後悔してはっ!(笑)
ま、強くなったらそいつは無敵!って事で(ごく当たり前だが真実は真実)、横島もニコさんもお疲れ様でした!
あ、そう云えば雪之丞は……?(ドクロ) (Iholi)
- ―――そして、その頃の彼と彼女―――
よう。生きて帰って来・・・・・・――っ!?
―――どん。
「・・・・・・・・・・・・ばか!・・・・・・」
参ったな・・・・・・。
「・・・・・・ばか!・・・ばかばか!!・・・・・・ば・・・かぁ・・・・・・・・・・・・」
引っ叩かれるのは覚悟していたんだが・・・・・・いきなり抱き付かれて泣かれるとはなぁ。
「新婚の妻を二ヶ月も放ったらかして・・・・・・勝手なことしてて・・・・・・」
あぁ、はいはい。俺が悪かった。俺がバカだったよ。
でもなぁ、かおり・・・・・・
「・・・・・・・・・いっぱい・・・・・・いっぱい心配しましたのよ・・・・・・」
(黒犬)
- 男ってのはそんなバカな部分と、ガキじみたプライドを貫く所に価値があるんだよ。
ま、女にゃいくら言葉を重ねたってわからん事だろうがね。
「・・・・・・・・・絶対・・・・・・許しませんわ・・・・・・」
だから、言葉じゃなく―――
「――――――っ!!??」
こうやって・・・・・・・
・
・
・
「ズルいですわ、雪之丞・・・・・・」
ハイハイ。そうふくれなさんなって。
「私を泣かせた代償は、高くつきましてよ」
もちろん、埋め合わせはさせてもらうつもりだぜ・・・・・・・・・一生をかけて、な。
(黒犬)
- ↑「こうやって…」って、どーやってー!??(赤面) (猫姫)
- うん。いいですねえ。
可愛いです。。。
(lovely)
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