ザ・グレート・展開予測ショー

西条よ永遠なれ!!〜覚醒編〜


投稿者名:黒犬
投稿日時:(02/ 1/21)




 男は、一つの決意を胸に彼女の前に立った。

「隊長、ボクは決心しました……」
「え? 何の事、西条君?」
「これから……娘さんにプロポーズをしてきます……」
「―――ええっ!?」
「失礼します……」

 踵を返し、去って行く男。
 美智恵には、その背中を辛そうな表情のまま見送る事しか出来なかった。

「西条君……でも、令子はもう横島君と……」






『美神令子除霊事務所』
 そう刻まれたプレートのかかるドアを見つめて今、西条は万感の思いに身を委ねていた。

「思えば、随分と遠回りをしてしまった……」

 意を決してドアを開け、中に脚を踏み入れる。

「あ、西条さん、いらっしゃい」

 お茶の用意をしていたおキヌが声をかけてくる。窓際にはベビーベッドが設置され、そこで横島が『ばうわ』の着ぐるみ姿でひのめに絵本を読んでやっているのが目に入った。上階から聞こえてくる喧騒は、シロとタマモがいつもの口ゲンカでもしているのだろう。そして優雅な姿勢でソファに身を沈めた若い女―――美神令子。

 西条はあらためて表情を引き締めると、大股で彼女の元へと歩み寄った。
 きょとん、とした目で西条の顔を見上げる彼女。

 その瞳。彼の心を捉えて止まないその瞳をしっかりと見据え、西条は胸中の熱い想いと共に、その言葉を吐き出した。






















「ボクと結婚してくれ!――――――ひのめちゃん」
「だぁ?」






















 ………数日後、東京湾に浮かぶ半死半生の長髪男が発見されたというニュースが、全国のお茶の間を席巻した。




 ――――嗚呼、西条よ永遠なれ!!!


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