ザ・グレート・展開予測ショー

変則トリオ、結成す!


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(02/ 1/20)

マフラーが有りがたいこの季節は、
同時に受験シーズンの本番を指すが、今のところ横島にゃ関係ない。
下校時刻であろうか。学生服の連中がそこかしこにいる。
「うーさぶぅ、タイガーと一緒にアフリカにでも行きてーぜ」
横島が溢した通り、タイガーはビザの書き換えで一時帰国している。
「どういやエミさん、どーしてるんだろ?」
そんな思いを吹き飛ばす寒さの前にコンビニがあった。
小銭を確認するがとてもとても」
「・・・・・まっ、『少年日曜』でも読むか」
何故か関東圏では水曜に発売される雑誌を目的に入ろうとした時、
横島も見覚えのある、季節感が全く違う女性が現われる。
「おや、オタクはれーこちゃんの奴隷の。何しテルの?」
「エミさん!どうもっすね、今仕事はしてないんすか」
小笠原エミと横島、偶然の鉢合わせである。
「まぁね。あんなのでもいないと休業しないと」
と、答えてから、こちらも少し首を捻って、
「そういや、オタク等も最近仕事してないみたいだけど?れーこちゃん死んじゃった?」
「いや、あの人は殺してもしにゃーしませんよ、そうじゃなくてですねぇー」
と、珍しく目線をそらしている。
「ん?」
「いや、・・誰にも言わないでくださいよ」
エミに耳打すると、文字通り笑みが零れる。
「ぷぷぷ!れーこチャン。おたふく風邪なんですってー」
「えぇ、オキヌちゃんからうつされたみたいで。医者も暫くは休業しろって」
爆笑したい所を堪えていたエミが、
「んじゃぁ、オタクも今休業中?」
「えぇそうなンすよ。ちょいと懐具合が寂しくて・・」
そうなの。と答えるのが上の空という奴であったが、
「んー。んじゃさ、ワタシの所にトコロにちょっとだけ、トラバーユしない?」
そう言われて良い方向に妄想を持っていくから横島が横島たる所以だ。
「そ、そういうコトならベットの中にでも!」
洋服に手をかけるから、エミは呆れて、
「オタク、この真冬にストーリーキングでもする気?」
相手の冷静さにペースが乱れたのか、いそいそと着替えてから、
「んじゃ、そういう事で。1時間後、ワタシの家に。詳しい話をするわ」
一方的に。言った後、ヒールの音高く帰ってしまった。
「むがぁ・・。まぁいっか。俺も金は心配だし、なにしろ・・・ぐふふ」
何を考えているやら。
それで1時間後。上下のジーンズに鉢巻代わりのバンダナ井出達でチャイムを押す。
「えみさーん」
『あぁ。ドアはあいてるワケ。どーぞ』
事務所に向うと、
「よぉ!坊主。美神はおたふくじゃと?」
先客にカオスがいるではないか。
「カオスのオッサン!どーしておめぇが?いやそれよりも!」
「ん?どうしておたふくかしっとるかじゃと?近在のGSはしっ取るぞ?」
エミはしらばっくれて口笛である。
横島が寒くも無いのに身震いである。
「まぁ・・いいっす。それで先ず金銭的な事は、どうするんすか、して相手は?」
口笛をやめて、
「ワタシの依頼で消耗品はコッチで持つから40%貰うワケね。OK?」
「じゃあ!俺とカオスで30%が取り分!!」
横島としても、カオスとしても破格の値段である。
「文句あって?」
「ないっす、ないっす!それで契約っすよ!・・それで・・・相手は?」
答えはカオス。
「坊主。『コカトリス』ってのを知っとるか?」
少し考えこんで、
「コカトリスって、鳥の悪魔かなんかだよな?」
カオス。その通りと手を叩く。
「正確には悪魔というよりも、悪魔の手先じゃな。感情、思考は・・まぁ精々猿ぐらいじゃな」
だが、とエミが続けて、
「それでも、悪魔の車なワケね。姿も隠せるし、何より」
「・・・ブレスの能力がの、石化なのじゃよ」
すると横島、
「そうっすか?でもっすよ。こんな事言っちゃなんスけど。メドゥーサとかと比べりゃ」
エミは首を振る。
「本当の悪魔なら、駆け引きが出来るワケね。でも動物を相手するワケよね」
なるほど、と横島が頷く。
「それとな、コカトリス退治の歴史に被害は付き物じゃ。ワシもかつて二回ほどやたが」
1回は失敗。もう1回は甚大な被害での殺害が精一杯だという。
「お、恐ろしい奴なんすね。そうか。猪突猛進で来るから逆に怖いのか」
「そういうワケ。だからカオスにゃ事前に助っ人を頼んだワケ、でどーするオタク?」
やるか、やらないか、という事だ。
エミの目には震えているように見えたが、
「やるっすよ。面白そうじゃないですか・・って、ホントは恐いっす」
横島いうや、背中をたたかれた。
「OK!素晴らしい返事なワケね、さてと。じゃあ、行きますか」
エミ、横島、カオスとめずらしい三人がタッグを組んだようである。
その時、東京のさる広大な公園で怪事件が起こったのは、
偶然ではなかった。

続く。

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