ザ・グレート・展開予測ショー

For me,For YOU(2)


投稿者名:ニコのり。
投稿日時:(02/ 1/19)

***For me,For YOU(2)***
 夜中。
 美神はすやすやと眠りについている。
 半同棲のために買ったダブルベッドから静かに出る横島。
 そして昼間着ていたスーツの内ポケットから、あのチラシを取り出した。
 寝室においてある机の明かりをつけて、もう一度あのチラシを読んだ。
『アメリカ除霊研修特待生募集』
 の見出し。
 期間、2カ月…。
 募集要項をしっかり読んで、履歴書を書き始めた。
 気配を感じて、美神は目を覚ました。
 しかし何も言わずに、机に向かって何かをしている横島をただ見つめていた。
 嫌な胸騒ぎとともに…。

 翌朝、すでに横島は起きていて、朝食を作っていた。
「おはよーございまっす。今日も相変わらずセクシーッスね!」
 いつになく明るい横島。
 …カラ元気。
 そんな言葉が美神の頭に浮かぶ。
「…横島クン、仕事、一人で行ってくれるわよね」
 いつもよりもテンションの低い声でつぶやいた。
「ああ、はい。9時ごろには出かけますよ」
 ニッコリと横島は笑った。

「…なんか、怪しいわよね」
 横島を仕事に送り出して、一人になった美神は調査をすることにした。
 とりあえず昨夜不審な行動をしていた寝室に入り、机の上を見た。
 乱雑に書類がばらまかれていて、その中に何かがあるような、そんな気がしてその書類の束をあさる。
「肩いたーい…。ったく、あいつはいったいどこに隠してるのよ…」
―――――わたしに言えないようなことなの…?
 肩が痛い。
 でもそれ以上に、胸の奥が痛む。
 あきらめかけたときに、机の引き出しから少しだけはみ出している緑色のチラシ。
 昨日の昼間ではなかった…はず。
 ドキドキしながらそーっと引き出しを開け、そのチラシを手にとった。
「…アメリカ除霊研修特待生募集……?」
 嫌な予感は、もしかしたら的中してしまうのかもしれない…。
 そのとき、ピンポーンと、玄関のチャイムが鳴った。
 誰だろう?
 美神はそのチラシを握り締め、玄関へ向かう。
「令子ちゃん!大丈夫なのか!?」
 来客者は西条だった。
 昨日のことを心配して、花束を片手に見舞いにきたのだ。
「あれ、一人か?横島くんは…」
 ケガをしている美神が出た、というところのからの推理だろうか、すぐに横島がいないと察したらしい。
「…西条さん…!これ…」
 美神はすぐに西条にそのチラシを見せた。
「…ん?」
 そのチラシを見た西条の顔が青くなる。
「これは…」
「横島がもってたの!西条さん知ってるんでしょ!?なんなの?アメリカ除霊研修って……」
 慌てる美神をリビングのソファーに座らせ、西条は口を開いた。
「…令子ちゃん。落ち着いて聞いてほしい。それはね、世界中のGSたちが自分の腕を磨くためにGS協会の主催で行われている修行でね…。2ヵ月の研修を終えて、行われる修了テストで命を落とすものは参加者の4割にも達するとか言われてるほどの難関なんだ」
「命って…!!!そんなのにあいつが参加したって……!」
 ばっと美神はソファーから立ち上がった。
「成功すれば、確実に世界中から認められるGSになれるんだ」
 西条は言い聞かせるように美神をにらむ。
「…………」
 そんな西条を見て、令子はもう一度座りなおす。
 西条はそれ以上、何も言わなかった。
 腕を組んで、ただずっと黙り込んでいるだけだった。
 俯き、小さくため息をつく美神。
 ふと、昨日のことを思い出した。
『…俺は…美神さんのこと助けられなかった…』
『俺にはまだ西条みたいにあのカマイタチをやっつける力がない!』
―――――まさか…。
******つづく******
前回のコメントのお返事
>与作さん
 シリアスな横島くん、わたしも大好きで…(*^^*)。
 かっこいいですよねー…(惚れ惚れ)
>NGKさん
 マンネリ…じゃなくてよかったです。
 なんか横島主人公の話のつもりが、だんだん美神サイドになってしまいました。
>Iholiさん
 西条さんをかっこいい役にしてみました(笑)。
>恵美さん
 ほんとですか??うれしいです…!マンネリ万歳(笑)!
>lovelyさん
 はい!じゃんじゃん書きます!お姉さん美神。美神はいつも素敵ですよねぇ…。


>みなさま
 いつもほんっとうにありがとうございます。未熟者ですが、長い目でみてやってください!

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