ザ・グレート・展開予測ショー

オリジナル(17)


投稿者名:いたけし
投稿日時:(02/ 1/19)

久々のストーリー展開です
結城さんの能力はかっこいいかな
やはり順一はただ者では無かった
キャラ増え過ぎちゃって、すいません

『動き出す歯車』

『では次のニュースです、最近立て続けに起こっている辻斬りや吸血事件を警察では組織的犯行と断定し、そのことから警察は捜査の全権をオカルトGメンに移しました、全権を任されたオカルトGメンは被害者の共通点から20歳未満の霊能力者は夜の外出を極力避けるよう勧告し・・・・』
ニュースでは最近連続で起きている事件が取り上げられているところだった
「まあ恐い、辻斬りや吸血事件が近所で起こってるんですって、ゆいちゃん大丈夫かしら?」
それは母さんがテレビを見ながら朝食を取っている時の言葉だった
「そう言えばお隣のゆいちゃんも霊能力者だったな、そうだ順一、お前毎日ゆいちゃんを学校までお迎えに行ってあげたらどうだ」
「あらっ、それは名案ね」
「・・・・え〜、イヤだよ〜」
僕は母さんが賛成した父さんの提案に反対し、さっさっと朝食を済ませここから立ち去ろうとしたが
「ほほう父さん達の提案を断るのか順一、だったら父さん達にも考えがあるぞ」
ギクッ、またですか父さん
父さん達はことあるごとに毎度毎度こんな風に脅しを掛けてくる
全部が全部こう言う風に脅しを掛けてくる訳では無いのだが・・・・
どうもゆい絡みだと脅しが多いようだ
これもどれも、ゆいと僕をくっつけると言う両親の陰謀だと思われる
「今度は何?僕だって放課後いろいろやりたいことあるんだし、どうしてわざわざ僕が自分の学校より遠い学校に迎えに行かなきゃならないんだよ」
父さんと母さんの陰謀にはまってたまるか
僕がそう言うと父さんはそんなの関係無いとばかりに
「もし、お前がゆいちゅんを迎えに行かないんだったら仕方が無いがお前はウチの子じゃないな、と言うわけでお前は大人になるまでゆいちゃんの家に暮らすことになる、もちろんゆいちゃんといっしょに住むと言うことは男女間のマチガイは必須、と言うことでお前はその責任を取るためゆいちゃんと結婚するんだ」
「まあ、それも名案ね」
父さんは最後の『結婚するんだ』と言ったと同時に何か紙を見せる
「いっいやだ〜、どうして生涯の伴侶がゆいなんだよ」
その紙は婚姻届ですでに僕の名前とゆいの名前が書かれていた、どちらも自分の字じゃない勝手に書かれたものだ
しかし、それでも役所に届ければ受理される
まあ、まだ歳が十八になってないからいいものの、もし僕が十八だったら間違い無く役所に届けているだろうな
なんて恐ろしい親なんだ
「ふっふっふ、イサム君(ゆいの父さん)とはもう話は着けてある、全面的に協力するそうだ」
やばい、ここで日下部家当主の野望まで加わってしまった
陰謀に野望が加わるとはこれいかに
ってその前にこの提案はついさっき思い付いたんじゃ無いのか、いつ話をしたんだ、いつ?
さすがに僕と姉さんの親だよな
「私達としては、順一がゆいちゃんのことを迎えに行かなくてそのまま結婚して貰ってもいいんだけど、やっぱりお互い気持ちが大切じゃない、だからこう言うことしてんのよ」
母さん、ねぇ僕の気持ちは、ねぇ僕の人権はどこにいっちゃってるの
ピンポ〜ン、ピポピポピポピホピポピンポ〜ン
玄関のインターフォンを連続で押さないでくれ〜
僕が抗議をするヒマも無くゆいが来たようだ、僕は食器を片付けてカバンを持ち玄関へ急いだ
ガチャ
「おはよう、ゆい」
僕はいつもと同じように、ゆいに挨拶をする
「遅い!!遅い遅い遅い!!私がチャイムを押したら十秒以内に来なさいよね」
「別にいいだろ、デートするカップルじゃないんだから」

いつものように途中までいっしょに歩くふたり
「そう言えば、ジュンイチ私のこと学校まで迎えに来てくれるんだよね、話はお父さんから聞いたんだけど」
そう、今日もいつもと変わらないはずだった
「そうだよ、だからちゃんと居てくれよ」
ただ今日は、僕がゆいを学校まで迎えに行くと言うイベントが発生しただけだと思ってた
ただそれだけだと思ってた

僕は授業が終わり放課後になると急いで六女に来ていた
六女の道のりはわざわざ繁華街を通らなければならないのでいやがおうにも遠い道のりとなってしまう
1分・・・いや1秒でも遅れたらゆいに何をされるか分かったもんじゃない
と言うわけで僕はゆいを生涯の伴侶にしないため急いで六女へ向かったのだった
「な、なんかここで待ってるのってあまり気分はよくないな」
僕が六女の正面玄関でゆいのことを待っていると、授業が終わり学校から出てくる六女の生徒の大半が僕の方を見て帰っていく
僕を見て『だれかの彼氏が待っている』って思うのかな
僕は目立ちたがりでは無いのでどうも恥ずかしい
ゆい、早く来てくれ〜
「あっジュンイチ、来てたんだ」
ゆいの声がした、助かった〜
「ふぅ〜助かった、ゆい早く帰ろう、イサムさんが心配するから」
「ええ〜、もう帰るの〜?いっしょに学校から帰るのなんて久しぶりなんだからデートとでもしてかない」
「デデデ、デート?」
「そう、デート」
僕がゆいの言葉にオロオロしてると、僕たちを見てるギャラリーができていることに気付いた
僕らに向いている視線は僕にとって心地よいものではない、むしろ不安にさせる感じがした
「えっなに、ちょっと待ってよジュンイチ」
ここにいたくないと思った僕はゆいの手を引いてその場から急いで逃げることにした

「ハァ〜、ハァ〜、ゆいって、よくあんなに女の子がいっぱいいる学校に通えるな、僕には無理だ」
「あのね〜、それがギャグだったらツッこむけど、本気だったら殴るわよ」
「いっいやー、デートするんだけどどこでデートする?」
「あからさまに話を変えるな、もう私だって女の子なんだから恥ずかしいわけ無いでしょ」
そう言えば、そうだった
「デート?そうねえやっぱり食べ物関係かな、もちろんジュンイチのおごりで」
「やっぱり、デートしようって言われた時そうじゃないかと思ったよ、でなに食べるの」
「うんうん、デートでお金を払うのは男ってのが常識よね、じゃあポピュラーなところでアイスかな〜」
マジ、ちょっと前に雪が降ったようなこの季節に普通食べるか、普通
ゆいも自分の言った言葉に落ち度があるのに気付いた様子だったが、さっき言った言葉を訂正しようとはしない
「いいのか、アイスで」
ゆいは少し迷った様子だったが
「わっ私はいまアイスが食べたいって言ってるの、だから早くアイスを買ってきなさいよ」
どうもゆいは僕に対してはプライドを高く見せる傾向がある、もし僕とゆいを家族に見立てるなら、僕が兄でゆいが妹って感じだよな〜
「すいません、いちばん大きいアイスをください」
仕方ない、ゆいの意地っ張りに協力してやるか

「ねぇおいしい、ゆい?」
「お・・・お・・おいしいわよジュンイチ、ジュンイチも食べる、はいあ〜ん」
別にわざわざ無理して食べることないのに
それでもゆいは僕が買ってきたバケツ型の大きなアイスを食べる、話し声が少し震えてるのはやっぱり寒いからだろうな
「僕はいいよ、おなかすいてないし、ゆいが全部食べていいよ」
「そ・・・そ・・そう、こんなにおいしいのに、わ・・私が全部食べちゃうよ」
僕は無理して冷たいアイスを食べるゆいを見て、意地張っちゃってかわいい奴、と思うと同時にアホな奴と思った
「ちょ・・ちょっとジュンイチ、すっ・・・少しくらい食べなさいよ、ほらあ〜ん」
「僕のおごりなんだからさ、僕に遠慮しないでどんどん食べていいよ」
「そ・・・そう、こんなにおいしいのにもったいないな、ジュンイチも食べたらいいのに」
そして、また食べ始める、素直にもう食べられませんって言えばいいのに
「ジュ・・・ジュンイチ食べない?ほ・・・ほら、いまならかわいいゆいちゃんが使ったスプーンで食べさせてあげるから、か・・間接キスができちゃうわよ」
だれもしたくないって〜の
ゆいに好意を寄せてる(と思われる)翔君くらいか
アイスを入っているバケツを見ると、アイスはあとひと口分残っていた
「やっ・・・やっと来た、さ・・・さいごのひと口」
ゆいが最後のひと口のアイスをスプーンですくい自分の口へ運ぼうとする
ぱくっ
「う〜んなかなか、冬に食べるアイスもおいしいなぁ、でもこんなのいっぱい食べたら腹を壊すぞ、ゆい」
僕はアイスを運ぼうとしていたゆいの手を少し動かし、僕の口へ運ばせた
「ひ・・・ひ・・どい、最後のひと口は楽しみにしてたのに、うっぐっ・・・・えっぐっ・・・(ぷぷぷ)」
ゆいは顔を伏せて泣いているようにも見える
「ああもう、これしきのことで泣くなよ、いま同じの買ってくるから」
「えっえ・・え、もういい、もういらないからジュンイチは買ってこなくていいから」
「やっぱり、ウソ泣きか」
「バレてたか〜、まあ付き合い長いしね」
「そうだな、ゆいが僕の前からいなくなることなんて想像もつかないよ」
想像もつかない・・・・いや本当は考えたくないだけだ
自分の日常が崩れるような気がするから
「そう、私はジュンイチがいなくなっても、『全然』困らないけど」
そんなに否定しなくても
その後、ゆいの腹痛のおかげで帰る時間が遅くなってしまった
アイスなんて買わなければあんな事件に遭遇することは無かったのかも知れない

つづく

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