ザ・グレート・展開予測ショー

You are my only〜 その4


投稿者名:与作
投稿日時:(02/ 1/19)

家に帰る途中、ふとシロの事が心配になったが、
まさかな?・・・本当にただの散歩だろうと思い、気にしないようにした。

季節が冬だけにあって、夜はかなり寒い。歩いているだけに少しは暖かいが・・・。
少し早めに家に着いた。うつむきながら階段を一段ずつゆっくりと上っていき、
顔を上げたら・・・。

シロ「あ、お帰りー!」
横島「あ、え・・・?」

シロが玄関の前にいた。な、なんで・・・?

シロ「先生〜。何処行ってたんでござるか? 心配したでござるよ〜。」
横島「え、あ、ああ・・・。」

言葉が思うように出なかった。

シロ「拙者、待ちくたびれて疲れたでござる。寒かった〜。」

シロはそう言うと、横島にくっ付いてきた。ポケットに入れていた横島の手を取り、

シロ「先生の手・・・暖かい・・・。」
横島「「こいつ・・・凄く手が冷たいな。まさかずっと俺の事を待ってたのか?」」

横島もシロの手を包み込むように掴み、ポケットの中に入れた。

横島「ごめんな・・・。」

その言葉はシロにとって何にも代わりようが無いほどの嬉しい言葉だった。

シロ「先生、早く中に入ろうよ。これ買ってきたでござる。」

シロはスーパーの袋を持っていた。中には野菜・肉などの食材だった。

シロ「先生お腹すいてると思って、拙者が元気になる料理を作るでござるよ!」


家の中に入り、シロは直ぐに台所で準備を始めた。
横島はただ黙ってシロの後姿を見つめていた。ふと唐神父の言葉を思い出した・・・。

唐巣「「自信を持たなきゃ。君がそんな態度じゃ、シロ君が心配するだろ?
    自分の気持ちを素直に伝えたら良いんじゃないのかな?」」

横島「「自分の気持ち・・・。」」



時間が経つのは以外に早かった。

シロ「出来たでござるよ!」

シロが作ったのはシチューだった。皿に丁寧に盛り、テーブルに運ぶ。
とても美味そうだった。

シロ「ささっ、早く食べてみて・・。」
横島「あ、ああ。」

ゆっくりと口に運んだ。その味は今日の疲れを癒すかのように美味かった。

横島「美味い。」

何も考えなくても出てきた感想、思わず笑みがこぼれた。

シロ「へへっ。先生今日やっと笑ったでござる。」
横島「え?」
シロ「今日寂しかったでござるよ〜。先生が笑わないから・・・。」
横島「シロ・・・。」
シロ「でも良かったでござる。元気になって。」
横島「ああ、ごめんな・・。」
シロ「先生さっきから ごめんなー ばっかりでござるよ。」
横島「あ、す、すまん。 ・・・・・ありがと。」
シロ「へへっ。」

シロも今日始めて自然に微笑んだ。今日あれだけ悩み、考えた俺って一体何だった
んだろうと思わせるほど、心を癒してくれる笑顔・・・。
自然と体の緊張も取れていった。


食事をしながらゆったりとした時間が流れた。シロはあえて横島が何処へ行って
いたのかを聞かないようにしていたが、食事が終わり、皿を流しに運ぼうと
した時、徐にこう言った。

シロ「先生・・・。今日何処に行ってたんでござるか?」
横島「え?」
シロ「シロは本当に心配してたんでござるよ。」
横島「そ、それは・・・。」
シロ「教えて・・・?」



横島「シロ!」

横島は決断した。言うのは今しかないと・・・。


横島「シロ。これからも、ずっとこの先も、俺のそばに居てくれるか?」

シロ「え・・・?」

横島「仕事としてとか・・・弟子としてとか・・・そういうのじゃなく、
   俺の妻として・・・俺のそばに居てくれないか?」





シロ「・・・・・」






横島「結婚しよう。」



−−−−続く−−−−

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