ザ・グレート・展開予測ショー

You are my only〜 その2


投稿者名:与作
投稿日時:(02/ 1/18)

昼食を少し軽めにすまし、横島は考え込んでいた。
いや、考え込んでいたと言うべきか、悩んでいると言うべきか・・・。

シロ「先生〜。やっぱり変でござるよ。どうしたんでござるか?」
横島「い、いや、何でもないんだ・・・。」
シロ「せ〜ん〜せ〜い〜。」
おキヌ「・・・・・。」

シロに言えるはずなかった。そう、横島はシロ”の事で悩んでいたのだ。

そう、シロの事で・・・。

少し重めの空気を吹き飛ばすかの様に、美神がイスから立ち上がり、

美神「さあ、仕事いくわよ! 横島君、準備して!」
横島「・・・は、はい!」
美神「さあ、シロもおキヌちゃんも!」
シロ「はい。」
おキヌ「はいっ!」

午後からの仕事は全員で行くほどの悪霊なのでとんでもない奴かと思っていたが、
どうやら強いのは霊力だけらしい。パワー勝負なので全員で戦うのだ。
目的地の建物へ着くと、美神が忠告した。

美神「いいわね! こいつはパワーだけが取柄な奴だから、気を抜くと吹き飛ばされる
   からね。特に横島! 気合入れなさいよ!」
横島「は、はい。」
シロ「大丈夫でござるよ先生。シロと先生が力を合わせればパワーだけな悪霊なんて
   屁でもないでござるよ。」
美神「そうね。私は奴の右側から攻撃するから、シロとあんたは左から攻撃して。
   おキヌちゃんは私の後ろからネクロマンサーの笛を使ってみて。」
シロ「承知したでござる。」
おキヌ「はい。」
横島「・・・はい。」

美神が建物のドアを開けると、悪霊はじっとこちらを睨んでいる。

美神「ほ〜。・・・随分挑発的じゃない。そのほうが倒し我意があるわ!」

その瞬間だった。奴は物凄い霊圧をとき放った。予想以上の霊気だ!
美神・おキヌとシロ・横島は両サイドに回り、奴に近づこうとするが、なかなか前に
進めない。

美神「ぐぬぬぬ・・・。なかなかやるわね。」
シロ「うぐぐぐぐ・・。」

横島はこんなときにもかかわらず、シロの事を考えていた。



「「シロは俺の事をどう思ってるんだろう?
  昔のシロと今のシロ。 ・・・確かに仕事の時はあまり変わらないが
  仕事が終わるとシロは変わる。甘えたように俺にくっ付き、俺の手を離さない。
  
  俺はシロが好きだ・・・。

  もちろん告白した。成長し、大人になったシロはこれがどういうことなのか
  分かっているはずだ。

  一緒になりたい・・・。

  しかしシロはどう思ってるんだろう?
  シロは俺の事を、師匠として好きなのか。
  それとも人間として、一人の男として好きなのか・・・。
  
  どっちなんだろう・・・。 俺はシロと・・・      」」


美神「あぶない!!」
とっさに美神が横島の後ろに回りこみ、背中を支えた。横島はあやうく
霊圧によって吹き飛ばされそうになったからだ。

美神「なにやってんのよ横島! ボーっとしたらやられるって言ったでしょう!!」
横島「あ、す、すいません!」
美神「こうなったらこっちも霊力でやり返すわよ!
   あんたに霊力を送るからね。シロ、あんたも横島に触って!」
シロ「は、はい!」

おなじみの最終手段。今度はシロも加わって、3人の霊力を合わせ、最大出力で
一気に奴に向かって放った。おキヌのネクロマンサーの笛も効力を発し、
奴の急所に見事突き刺さった!



そして事務所に帰ると直ぐに、

美神「あれほど気合を入れろって言ったでしょう!!!
   私が間に合わなかったら、あんた吹き飛ばされて死んでたかもしれないのよ!!」
横島「うう〜。すんませ〜ん。」
美神「ったく・・・どうしたのよ?今朝からボーっとして。」
おキヌ「ま、ま〜ま〜。横島さんだって、たまにはこういう時もありますよね?」



しばらくして、黙っていた横島が重い口を開けた。

横島「ちょっと・・・出かけて来ます・・・。」
おキヌ「横島さん?」
シロ「・・・・・・。」

横島は外へ出た。そして立ち止まる事無く、ある場所へ向かって行った。
シロは心配そうに横島の背中を見ていた・・・。

−−−−続く−−−−

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