ザ・グレート・展開予測ショー

You are my only〜 その1


投稿者名:与作
投稿日時:(02/ 1/18)

横島忠夫 25歳
シロと付き合い始めたのは4年前だった。
最近、横島はある事で悩んでいた。



朝、何時も通り事務所に出勤、

シロ「おはよう、先生!」
横島「お、おはよう。」

シロは横島のいつもと違う様な雰囲気に直ぐ気がついた。

シロ「・・・どうしたでござるか?」
横島「え、え?」
シロ「いや、なんかそわそわしてるって言うか・・・。」
横島「い、いや。そんなこと無いよ。」
シロ「そうでござるか・・・。あ、朝ごはん出来てるでござるよ!」
横島「そ、そう。サンキュー。」

朝食は事務所で食べる。いつもシロが作ってくれるからだ。
食べ終わると直ぐに会議が始まる。

美神「今日の仕事は少ないわね。3件だけど、最後の1つは全員でいきましょう。
   これはあんたに任せるわ。私はこっちに行ってくるから。」
横島「はい。」
美神「じゃあ・・・シロ、あんたは横島君と行って。」
シロ「は〜い。」
横島「・・・・・。」
美神「おキヌちゃんは私と行きましょう。」
おキヌ「はい。」
美神「横島君。お札を少し多めに持って行った方がいいわね。」
横島「え、なんでですか?」
美神「このタイプの霊はすばしっこいのよ。少しずつお札で動きを封じなきゃ、
   もしも逃げられちゃうと大変だからね。」
横島「なるほど。」
シロ「先生とシロがいればお札使わなくても大丈夫でござるよ。」
美神「だ・か・ら、もしもの時を考えてって言ってるでしょ!」
シロ「クーン。」
おキヌ「ま〜ま〜。」
美神「とにかくこのお札を・・・あれ? あれ?
   お札がない!」
おキヌ「・・・あ! そういえば昨日の仕事で使ってしまったような・・・。」
美神「あら〜。じゃあ、行くときに厄珍堂寄ってきて。」
横島「はい。」
美神「それじゃあ、仕事開始!」

仕事開始とは言っても、横島は落ち着かなかった。どうしてもあの事が気になる。
こんな時にシロと一緒に仕事するのは辛かった。シロも今朝の事が少し気に
なるみたいだ。

シロ「横島先生・・・。」
横島「え、な、何?」
シロ「先生、今日変でござるよ?何か悪い物でも食べたんでござるか?」
横島「いや〜。別に・・・。」
シロ「ふ〜ん・・・。」

横島「「シロの奴、やっぱ直ぐ気がつくな。はぁ〜俺今日仕事出来んぞ〜」」

行く途中で厄珍堂に寄った。心なしかお札を多めに注文してしまった。

厄珍「坊〜主・・。なんかいつもよりもっと屁たれな顔してるアルな。」
横島「・・・・・。」
厄珍「アレ? どうしたアルか? いつもは言い返すのに。」
横島「「ひ、人の気も知らんで〜。」」
厄珍「あ、分かったアル! 坊主、さては・・・」
横島「うっ!(ば、ばれた? そんなに俺のリアクションは分かりやすいのか?)」
厄珍「イ(禁)ポ になっ・・・ぶっ!!」

さっさと代金を払い、出発した。
街中より少し離れた所に、依頼者の家があった。何処にでもある様な普通の家だが、
ベルを鳴らし、「どうぞ!」と言う声がしたのでドアを開けて見ると、一匹の
幽霊が中を荒らしまくっていた。

依頼者「霊能者さんですね! は、早く何とかしてください。」
横島「あ、は、はい。」
シロ「このクソ幽霊め、斬り捨ててくれる!!」

シロが真っ先に仕掛けた。

横島「お、おいシロ! お札使えって!」

案の定、敵はすばしっこかった。シロの霊波刀がむなしく空を斬る。考えずに敵に突っ込むので横島の方へ飛んできた。

横島「うわっ!」

横島とシロが重なるように倒れこんだ。

横島「ドキッ!」

横島はひどく動揺してしまった。もはや仕事が手につくはずがなかった。

シロ「せ、先生ー! 大丈夫でござるか?」
横島「え、え、あ、ああ。」
シロ「くそ〜 先生になんて事を! もはや容赦はせんでござる!」

いや、あんたのせいだ!(与作) 失礼・・・
シロはまたも斬りかかる。横島は動揺しながらもお札を壁に貼り付けていった。
徐々に幽霊は行き場を無くし、シロの攻撃が少しずつ当たるようになってきた。

横島「よし、とどめに文殊(縛)で・・・あれ?おい、文殊でろ〜!」

動揺している横島は霊力のコントロールが出来ていなかった。
ずっと動き回っていた為か、シロが息を切らし始めた。
そして少し動きが止まってしまったその時、幽霊がシロに襲い掛かった。

シロ「し、しまっ・・!」
横島「シロ!」

その時やっと文殊が出てきた。縛”の念を入れ、床に転がした。
幽霊は文殊に捕われ、身動きが取れなくなった。

シロ「このクソ野郎!」

見事に霊波刀が命中し、幽霊は消滅した。

シロ「ふう〜。危なかったでござるよ。」
横島「はぁー・・・。」
依頼者「ありがとうございます。霊能者2人でもてこずったほどでしたので、
    余程の悪霊だったんでしょう?」
横島「え? え、ええ・・・。」

いつもはこんなに苦労する事は無かったのに、横島はひどく疲れていた。
この時、シロも実は今朝の横島を見て動揺していたのだった。
依頼者宅を後にして、昼食を取る為に一度事務所に帰ったら、美神とおキヌは既に
戻っていた。

美神「おつかれ。やけに時間が掛かったじゃない。」
横島「え、え〜。」
美神「この程度の悪霊にてこずるなんて、あんたもまだまだ未熟者ね。」
横島「うう〜(いつもはそんな事ないのにな〜)」
おキヌ「さあシロちゃん。お昼にしましょう。」
シロ「・・・は〜い。」
おキヌ「・・・なんか、2人ともすごい疲れてますね。」
美神「まだまだ修行が足りない証拠よ。横島君、まだもう1件あるんだから、
   気合入れなさいよ!」
横島「はい〜。」

気合など、入れるはずもなかった。
今朝から横島はあの事で頭が一杯だった。

−−−続く−−−

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