ザ・グレート・展開予測ショー

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投稿者名:終曲(光明)
投稿日時:(02/ 1/15)

 


 ー終曲ー


 
 状況は、限りなく最悪の方向へと。

 駆けつけた神父がそこで見たモノとはーーー無惨。
 仲間達の変わり果てた姿が、そこに残っていなかった事に関しては・・・安堵しても良いだろう。
 しかし。
 折れた霊剣ジャスティスは、墓標が如く、地へ突き刺さっており・・・柄の部分がそれを悼むかの様に、ひれ伏している。
 建物は完全に崩れた・・・というよりは、一瞬の内そこに出現した小型の太陽に灼きつくされたかに見えた。もっと厳密に言うならば、圧縮された熱線にと言うべきか。
 鉄筋コンクリートのビルの壁を溶かすというよりは、たやすく貫き通した光線、いや熱線は、一体どれほどの高温を保有していたのだろうか?
 その心中での問いに、答える声などあろう筈がない。そして特に望んでもいない。第一もし答えが返るのであれば、知りたいのは仲間の安否以外には無いのだから。
 かぶりを振った神父が、ジャスティスを回収すべく手を伸ばしかけた、その時。
『ぷはぁ!やっと来てくれたのね〜〜〜!』
「ヒ、ヒャクメ様!?」
 神父が霊剣の柄を握るのに反応し、ヒャクメが柄の中から光と共に神父の眼前へ出現した。
「あ・・・ヒャクメ様!これは!?」
 一人(一神?)でも無事だと知れたのは嬉しい。しかしその喜びを感じる間も無いほどの、ヒャクメの唐突といえる登場は神父の心から平静さを奪ってしまった。それまで抑え込んでいた疑問の解答を望む心が、言葉となって溢れだす。
「一体これは何があったんです!?西条君は!?冥子君達は!?それにここの協会やGメン達はーーー・・・」
 神父はそこで言葉を呑み込んだ。ヒャクメの『眼』の奥に秘められた『何か』に気圧されてしまった為に。 
 ヒャクメが静かに告げる。
「もちろん説明はするのね〜、でもとりあえず、先にそこのジャスティスの刀身に触れて。ジーク君が中にいるのね〜」
 おそらく『人間の霊力を解放のスイッチとした封印』なのだろう。神父は黙って従った。やがて、魔族の青年が、先のヒャクメよろしく光に包まれ現れる。
「じゃ説明を始めるのね〜〜・・・」
「丁度皆、集まってきた事ですし・・・」
 ?神父はさりげない魔族の青年の言葉に対して違和感を感じ・・・そして、その違和感は背後からかけられた声により、すぐさま解消された。
「先生!無事だったんですね・・・よかった!」
「・・・にしても、ヒドい有様なワケ!」
 振り返った先にいたのは、愛弟子のバンパイア・ハーフの青年ピート、呪術マスターのエミ、その弟子でテレパシストのタイガー達だった。
「やれやれ・・・せわしなく歩かされて疲れたわい・・・!」
 そこから少し離れたところには、悪態をついてる只の老人にも見えるが、かつては『ヨーロッパの魔王』と、そう異名をとったドクター・カオスが地面に座りこんでいた。
 傍らにはマリアの姿も見える。
 そして。
「ーーー!君はっっ!!!」
 普段からは想像もつかない程、声を荒げた神父に皆が驚く。

 その怒りの矢面に立たされた、ここイタリアのオカルトGメンの青年は・・・ただ静かに、その怒りと向き合ったーーー



『アゥ・・・ッ!』



「美神さんっっーーー!!?」

 予想もし得なかった事態にーーー叫ぶ。

 迂闊だった。不覚と言い替えてもいい。
 
 彼女がルシオラにうりふたつの容貌をしてる事からの躊躇。
 合体に成功して、相手の力を完全に上回った事からの慢心。

 それらがこの手痛い反攻を許した。

「美神さん・・・美神さんっっ!!!」

 必死に『肩』の美神に向けて呼びかける。しかし貫かれたそこから返ってくる答えは、弱々しいノイズとしか思えない。
 急速に霊力が弱まってゆくのを横島は感じた。美神の霊体が傷つけられた為に、合体を維持出来なくなってゆく。
 
 その好機を逃す、セステルティウスではなかった。

『隙だらけだ・・・!もらったぞ!』

 先に美神を霊体が集中されていた部位を貫いた、セステルティウスの切り札。光の弾丸が今度は横島の眉間に向けて・・・!

『ぐああぁぁっっ!!?』

 悲鳴。

 横島がハッと気をとりなおして、見てみると・・・セステルティウスが苦悶の表情を浮かべている。

『だらしない事してんじゃないよ!ポチ!あいつは!あんたは!あいつがルシオラにでも見えるってのかい!?』

 突如として、背後からかけられた声。

 相次ぐ衝撃に半ばパニックになりかけながら、横島は自分が、自分の背後から霊波を放った彼女に救われた事に気がついた。
 無意識の内、彼女の名をーーー叫ぶ。

「ベスパ!」

 ーーー名を呼ばれた彼女は、口元にだけ微かに笑みを浮かべる事で、姉の恋人であった青年の声に、応えたーーー




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