ザ・グレート・展開予測ショー

おキヌの日記


投稿者名:AS
投稿日時:(02/ 1/13)

 
 
 始まりは、ありふれた日常の隙間から。

「ふぁ〜ぁ・・・そろそろ休まなきゃ・・・」

 ギシ・・・と椅子を揺らし、私は立ち上がった。
 熱心に読んでた本を(きちんとしおりをはさんで)閉じる。
 次いでーーースタンドの明かりを消す。
 そうして私は・・・使い慣れたペンを筆箱にしまい、それをそのまま、机の横に置いた学校のカバンの中に入れようと・・・
「・・・あれっ?」
 入れようとして、私は気がついた。
「ひ、光ってる?・・・何だろ?」
 カバンの中に詰め込まれてる、たくさんの教科書、ノート。
 その中の一冊から、うっすら赤く輝きが放たれてる事に。
 その時、すぐに誰か・・・そう、シロちゃんやタマモちゃんを呼べば良かったのだ。
 まさか。
 まさか・・・あんな大騒ぎが、この『日記帳』から引き起こされるだなんて、考えてもみなかったのだーーー
 


 ーおキヌの日記ー『前編』



 私は自分で言うのも何だかな・・・って、思うけど。
 
 あんまり頭が良くない。

 それでもこうして何かを知るという事が出来るのが嬉しくて、通ってる六道女学院の図書室を、最近よく利用してる。
 今日も机に向かって、明日の朝食の支度も終わった事だし・・・空いた時間を借りてきた本を読んで過ごしてたのだけど。
「こんな色の表紙の本・・・借りたかな・・・」
 私のカバンはいつもギュウギュウ詰めだ。
 学校の授業で使用するノート。私のお気に入りの筆箱。それに当然、その日必要な各科目の教科書が入ってるからだ。
 それに加えて、図書室で本を連日借りるわけだから・・・
 そういえば。一文字さん(私のとっても大切なお友達)は、いっつも学校の机や、そうじゃなければロッカーに、教科書置きっぱなしにしちゃってて、それを弓さん(私のとっても大切なお友達)に、見つかる度に決まって大喧嘩してるんだけど・・・とと、今はそういう事を考えてる時じゃなくて。
 改めて・・・カバンの中、一冊の本を見つめてみる。
「やっぱり、光ってる・・・」
 カバンの中の一冊が、薄ぼんやりと赤く輝いてる。いくらカバンの中が本で一杯だからって、こんな光る本があったら、気がつかない筈ない。
(・・・・・・)
 だんだんと、恐い考えが胸の中で渦を巻く。
 それにつれて次第に、緊張に心臓がバクバクしてきたのを必死に抑えながら、この本がもしも、もしも危険な力なんかを持ってたりしたらいけないから、じっと注意して霊視を試みてみる。
 そうする事、数分。
「あまり嫌な雰囲気じゃないけど、霊波がこの本から・・・」
 それはーーー不思議。
 不思議な霊波だった。
 何かを切望し、こちらに何かを望んでいるかのような。
 その『願い』に近く感じられる霊波が、私にはとっても放っておけなく思えてきちゃって・・・

 


 私はその本を、両手にとってしまったのだーーー




 ーーー翌朝。



「う・・・るっさぁあーーーーーいっっ!!!!」
 早朝のある高級マンション。
 その中でも、特に年収の高い者にしか利用出来ないような部屋でーーー彼女は鳴り響く電話の呼び出し音に堪えきれずに、キングサイズのベッドから、跳ね起きた。
 ズカズカと色っぼいネグリジェ姿のままで、乱暴に受話器を手にし、ス〜〜〜ピタ!と呼吸を止めてーー・・・
「あ・・・」
「大変でござるぅぅぅ!!!!!」
 パチクリ。目を白黒させる。
 機先を制されたからというのもあるが・・・マグマのように熱かった怒りが、向こう側から聴こえてきた切迫した声により、急速に冷まされる。
「ど・・・」
『どうしたの!?シロ!シロよね!!?』

 ーーーと、そう言葉を続けようとする前に、またもーーー

 先と同じように遮られた。・・・のだがーーー


『おキヌ殿が・・・記憶喪失なんでござるぅぅーーー!!!』


 今度のインパクトは、さっきとは段違いだった。




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