ザ・グレート・展開予測ショー

あの日の君に…(最終回)  →横島×美神派の方に捧げます


投稿者名:ニコのり。
投稿日時:(02/ 1/12)

***あの日の君に…(最終回)***
 洞窟の分かれ道を、とりあえず安全そうなほうに逃げ込んだ。
 地べたに座り込み、息切れを少しずつ整える。
「蛍、敵の行動読めるか?」
「ん…」
 蛍は目を閉じて、精神集中をしているようだ。
 しかしいつものようにすぐには目を開かない。
 やっと目を開けたと思った蛍の顔は冷や汗がだらだらだった。
「あれ…読めない…」
「え?」
「ちょっとオジサンの心のぞかせてねッ」
 きょとんとした顔で、なるべく変なことを考えないように忠夫は待った。
 蛍の顔が青ざめるとともに、
「…読めない…読めない…わかんないよぉぉぉ…ごめんなさいッッッッ!!!!」
 突然頭を抱えて立ちすくむ蛍。
「…蛍!?」
 忠夫はあわてて蛍の肩を支える。
 蛍はボロボロと涙を流して震えている。
「蛍!!!」
 忠夫はただ震えるばかりの蛍を抱きしめた。
「蛍…………」

しばらく経って、やっと蛍は落ち着いたらしい。
「…取り乱しちゃって、はずかしかったな…」
 忠夫に渡された缶コーヒーを両手で抱えて、顔を赤くする蛍。
「言いたくなかったら…いいんだけど。どうした?」
 忠夫は蛍の横に座ってやさしく問い掛ける。
「言ったでしょ?パパとママがわたしの力を悪用しようとするって…。たしか10歳のときにもね、あったの。誰の心も読めなくなっちゃったことがね…。そしたらパパとママ、血相変えてわたしのこと殴るの。『どうして読めないの!!』って…。笑っちゃうよね…なんでこんな力…持ってるんだろ…」
 寂しそうに笑った蛍。
 ルシオラ…。
 ふと忠夫の頭にルシオラの顔が浮かんだ。
 胸の奥がぐっと熱くなる。
「オジサン、わたしのこと解雇していいよ。心読めないんじゃーなんの役にも立てないもんねー」
「…やめて、どうすんだ?」
「…そうね、パパとママにもきっと捨てられちゃうだろうし…。どっかのファーストフードとかでフリーターでもやって…お金ためて…」
 ドカンッッッ
「きゃっっっ」
 一瞬、何が起きたのかわからなかった。
『ケケケケやっと見つけたぞ!!』
 さっきの悪霊だ…!
「蛍…!?」
 蛍の姿がない。
 あたりを何度も見渡した、そのときだった。
 悪霊の透けた体の中に、かすかに蛍の姿が見えた。
「蛍……!!」
 蛍を助けようと、霊派刀とお札で悪霊に飛びかかる。
「蛍を離せ!!!!!」
 頭に血が上り、自分でも抑えがきかないほどに悪霊の体に霊派刀を振る。
 一瞬の隙をつき、霊派刀は見事に悪霊の体を裂いた。
『ぐっっ…!!う……。…ふ…このままでは終わらせないぞ…』
 そういい残し、強い光があたり一面に光るとともに、悪霊は消え去った。
 蛍の体が地面に落ちた。
 意識はあるようで、ぼうっとしながらも起き上がろうとする蛍に咄嗟に駆け寄ろうとした。
 すると、突然地面が割れ、蛍の体はその溝へと落ちる。
「ほた……!!」
 目を疑いながらその淵へとたどり着くと、蛍は右手でなんとか崖にしがみついていた。
 今すぐ引き上げるぞ、と言うように地面に伏せて蛍の腕をつかんだ。
 すると先ほどの壁にたたきつけられたときの痛みが全身に走る。
「……っっ」
 体が裂けそうなほどの痛み。
「…オジサン、やめて…」
 蛍から見ても、忠夫が苦しそうなのはすぐにわかった。
「うるさい!助けるから黙ってろ…」
 少し引っ張ると、さらに痛みが増した。
 もう気力だけで支えるしかなかった。
「…オジサンには守るものがあるでしょ!?でもわたしには何にもない…。むしろ死ねるならこのまま死んだほうが楽よ…」
「俺はもう嘘つかれるのはご免なんだよ…!!!!!」
 ルシオラは死んだんだ。
 俺を助けて。
 俺のせいで。
 俺に嘘をついてまで――――――。
「蛍ちゃん!!!」
 そのとき、令子の声が聞こえた。
「令子!!」
 令子は息を切らしながら走ってくる。
「いいからちゃんと蛍ちゃんを引っ張ってて!!」
「あ、ああ!」
 そろそろ限界にきている腕で、蛍の体を精一杯支える。
令子もすぐに駆け寄って、蛍の体を一緒に引っ張りあげた。
「大丈夫!?」
 地面に倒れこむ蛍と忠夫。
「…………」
 蛍は頷くばかり。
なにも言わずに涙を流していた。

 翌日。
「今までお世話になりました」
 ぺこんと、かしこまってお辞儀をする蛍。
「え?」
 忠夫と令子は驚きの表情が隠せなかった。
 蛍の足元には、大きなカバン。
「今までって…これからどうするつもりなの?」
「ちょっと離れた街のお寿司屋さんで住み込みでアルバイトさせてもらうことになったの」
「へぇ…」
 目を丸くする二人。
「幸せに…なれよ…」
 忠夫が照れくさそうに言った。
 蛍は
「なれるわよ…だってわたしもうすぐ…」
 とまでいって微笑んだ。
「今まで本当にありがとう」
 足元のカバンを両手で持って、
「じゃあね、ヨコシマ…」
 驚く二人に大きく手を振りながら、だんだん遠くなっていく蛍。
 蛍はもう一度、さっき言いかけた言葉を心で言ってみた。
―――――幸せになれるわよ。
     だってわたし、もうすぐ二人の子どもになれるんだもん…。

******おわり******
…やっと終わりました。
自分で読み返すのがいやなので(スイマセン><)話がもしかしたら飛んでるかも…
です。
次からは横島×美神のラブラブ話を書きたいです。
みなさま、本当にありがとうございました。みなさまのコメントの中から
話の展開をいただいたことも多々ありました。大感謝してます。

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