おキヌの結婚相手(西条編)
投稿者名:NGK
投稿日時:(02/ 1/12)
ぎぃ
夜中ではドアが開く音も鮮明に聞こえる。
しばらくすると足音がした。
ばたん
がちゃ
一人の男が部屋に入ってくる。
「・・・ただいま」
「おかえり。あなた」
男はこんな夜中まで起きていた妻に驚きながら言った。
「そう言えば昼に電話したとき出なかったがどこかに行っていたのか?」
「ええっと、横島さんと食事をしていたんです。久しぶりに」
妻はうれしそうに答えた。
予想していた。
しかし、久しぶりに聞くその名を聞いて夫は顔を曇らせた。
五年前、横島忠夫と男−西条輝彦は電話で会話をした。
「いいか、横島君。落ち着いて聞くんだ。令子ちゃんの病気を治す手だては・・・ない。
ワクチンが存在しないんだ。十年前に除霊した”もの”が生きていない限り・・・」
あの時、オカルトGメンは全力を挙げて治療法を探した。
しかし・・・見つからなかった。
「・・・方法はあるはずだ。一つだけ・・・」
しばらく時間をおいた後、横島はつぶやいた。
「文珠を・・・使う。文珠で時間移動をして、
十年前に・・・行ってワクチンを採ってくる。」
「ばかな!!君はそれだけの文珠を扱うことは出来ないはずだ!
8個が限度だとこの前、言っていたはずだ!」
「ふっ!この俺に不可能はない!!」
「・・・あきれるね。一流GSのいうセリフだと思えない。無謀すぎる・・・!」
「時間移動者は今、この世にはいないんだ。俺がやるしかないだろう。」
かつて二人には美神美智恵という共通の知人がいたが
二年前に・・・流行病で亡くなっている。
そして、残ったただ一人の能力者、
美神令子は・・・霊力そのものが使える状態ではない。
「西条」
「僕としては反対だ。成功する確率は・・・限りなくゼロに近い。」
「・・・俺は二度と大切な人を失いたくないんだ。
・・・それに、こういうときの俺は霊力が上がっているから大丈夫さ」
逃げているわけじゃない。
令子が大切ではない訳でもない。
しかし、宿敵と言えるこの男まで死なせたくはない。
無謀とわかっている賭に挑ませることは・・・させたくない。
「・・・俺はやるぞ。じゃあな」
がちゃ
電話が切れた。
西条は電話を握りしめたまましばらく立ちつくしていた。
それから・・・
横島の賭は成功した。
不可能と思えることをやってのけた。
横島と美神が結婚すると聞いたときよりも
横島に対する敗北感を抱いた。
「(彼には勝てない・・・)」
妻との出会いは十数年前だが、そのときは特別意識してなかった。
付き合いだしたのは五年前の出来ごとの後からだ。
「西条さん・・・私を強く・・・抱きしめてください・・・」
妻はそのときそう言った。
妻がなぜそう言ったのか、西条はわかるような気がした。
横島は美神を助けるために自分の体が
次元の彼方に投げ出される覚悟の上で時間移動を行った。
失敗すれば・・・体は四散し、横島の存在自体が我々の脳裏から消え失せていただろう。
最初から、横島忠夫という人物はいなかったかのように。
美神はそれを知りながら夫の横島を笑って見送った。
命がいつつきてもおかしくないという状態で。
夫の無事を信じて。
敵わない。
妻は横島の事が好きだった。
西条は美神の事が好きだった。
だからこそ・・・気持ちが分かる。
数日後、妻は西条に向かってこう言った。
「わたし、前向きに生きることにしたんです。」
そして、 にこ と笑うとこう言った。
「・・・責任、取ってくださいね?」
あれから五年。西条はすでに日本オカルトGメンに戻っている。
日本に戻るたびに妻と限られた時間の中、デートをしてきた。
そして、妻とは一年前に結婚した。
西条の日々は仕事に追われ夜遅く帰ることもしばしばある。
今日のように・・・
「・・・どうしました?」
気がつくと妻が顔をのぞき込んでいる。
ずっと思案にふけっていたため妻が勘違いして具合が悪いと思ったらしい。
「いや、なんでもない」
妻はそう、良かったと言った後、
「晩ご飯出来てるわよ。今度はあなたの大好きな・・・」
妻は本当によくやってくれている。
「なぁ、今度の誕生日なにがほしい?」
妻の料理講座話をさえぎるように西条は聞いた。
「ええっと・・・特にないわ。うん」
「そんなはずはないだろ。今何か考えていたじゃないか」
妻は顔をうつむいて両手で顔を隠しながら西条に言った。
「どうしても、言わなくては、だめ?」
西条はそうだとうなずくと妻は、
「じゃあ、その・・・あなたの笑顔。最近つかれているみたいだから・・・」
西条は引きつった笑顔を見せながら思った。
こんな結婚生活も悪くはない、と。
その後、あまりにも西条の笑い方が変なので、
妻であるおキヌが逆に笑い出したことは内緒である。
今までの
コメント:
- 西条とおキヌが結婚したらこんな感じじゃないかと考えて書きました。
付き合い型が多少強引ですが(笑) (NGK)
- わたしもこの展開好きです☆みんなが今幸せ!って感じで。
横島くんもかっこいーーーです♥ (ニコのり。)
- ……斬新だなあ。
以外に合うかもこの二人。 (天邪鬼)
- 今思いだしたこと :
ヒャクメが美神の能力を借りて時間移動したんだったよな、前世の話のとき?
西条とキヌの初々しい会話、いいですなぁ。
こっちまで思わずジュルリ。ツバごっくん。
そういや俺も、キヌ&西条ネタは書いたっけ。
↓ 境遇は全然違うが参考のため。
http://cwww.pos.to/cgi-bin/tenkai/old21/989223105.html (ギャグレキスト後藤)
- 『ストレンジャー〜』にて、タダスケがキヌに「それに、これは――俺たちの問題だから…」と苦々しく洩らしつつ背けた顔の裏側をちらと垣間見た様ですね。それをキヌの伴侶としての西条の視点から描いてみせた処が実に巧いです。 (Iholi)
- この二人って考えたことなかったけど、
けっこうお似合いでいいかもしれないですね!v
二人とも正統派キャラだし。。♪♪
横島クンかっこいいーっ!☆☆ (恵美)
- 僕としては西条は魔鈴とっていうのが
あったんですけど、
まあ、けっこういいかんじなので賛成! (lovely)
- ある意味西条は横島に勝ったのではないだろうか?
だって、素直で可愛くて、家事全般をすべてこなし、しかも10歳ぐらい年下の嫁さんもらったんだぜ。
これを贅沢といわんで何が贅沢なのだろうか!
うらやましいぞ、西条。こんにゃろめ!! (JIANG)
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