ザ・グレート・展開予測ショー

シロの願い(2)


投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(02/ 1/10)

やがて、横島とシロ以外の2人が出掛ける時間となった。
タマモは、西条から協力を要請されていて、すでに別件の仕事を手伝いに行っていた。
「じゃあ、仕事に行って来るから留守番お願いね。横島クン」
「わかりました。・・・ところでおキヌちゃん、1つ聞いていいかな?」
「・・・横島さん、何ですか?」
おキヌは横島が自分に絶対聞いてくることがあると予想していた。
「昼飯のことなんだけど・・・シロの分はいいけど俺の飯ってコレも食えってことなの・・・?」
おキヌちゃんが自分にこんなことをするとは信じられなかったが、おかずの1品として皿に、黒焼きにされているヤモリが数匹乗せられていた。
「あ、それは私が横島クンのために作ってあげたのよ。ヤモリは霊力の回復に良いって前から言っていたでしょ。」
「なんだ美神さんか、いやーホッとした。おキヌちゃんがそんなことするはずないよなぁ。危うくおキヌちゃんを疑ってしまうところだった。」
「とにかく食べるのよ。」
横島は恐怖を感じるほどの圧力をうけた。
「で、でも俺、ヤモリが嫌いだから・・・そうだ!霊力回復に良いならシロに・・・」
横島は自分の弟子にそれを押し付けようと考えた。・・・が、
「まさか、シロに食べさせようなんて考えてないわよね。横島クン」
美神は笑みを浮かべたが本当の感情とは正反対だろう。
「れ、霊力回復に良いんでしょ?だったら別にシロが食べても問題は・・・」
「何言ってるのよ!シロがお腹でも壊したらどうするの!」
「俺ならいいのか!!」
横島は泣きながら訴えた。
「別に横島クンは何回も食べているし平気だったでしょ。あ!そろそろ行かないと。じゃね、横島クン」
美神はそそくさと車に乗り込んだ。
「シロちゃんのこと、お願いしますね。」
そう言い、おキヌも車に乗り込むと車は動きだ。
その様子を上からシロも見ていて横島が約束通り事務所に残ってくれたことを安心していた。
「おーい、飯持ってきたぞ!シロー」
横島はシロと自分の分の昼食を持って上ってきた。
「先生ー!拙者に食べさせてくだされ!」
横島はシロの突然の発言にコケた。幸いすでに昼食は台の上に置かれていたため無事だった。
「自分で食えるだろーが!!1人で食べることすら出来ないほどの重病じゃないだろうが!?
(…てか、コイツもうとっくに治ってるんじゃねえのか?おキヌちゃんから「顔が赤くて熱っぽい」って聞いたけど、俺が最初に見に行った時から今も全然普段と顔色も同じ様な気がするぞ。)」
横島は内心こう思い始めた。
しかし、そう言えば言ったで今度はシロの散歩につき合わされそうな気がしたため言いかけたがやめておいた。
「先生、『せっかく2人っきりになれたんだからもう少しむうどを考えて』でござる!他に先生はいつも優しいでござるけど、『病人には優しく接してあげるべき』と言う言葉通りいつもよりもう少し優しくして欲しいでござるよ」
「・・・別にお前は病人なんだからムードも何も関係ないだろう、それよりどこで覚えたんだ?そんな言葉・・・」
横島は驚きもあったが脱力の方が大きかった。
「おキヌどのが見ている「どらま」でござるよ。先生は見てないんでござるか?」
シロは夜に自分が見たい番組が終わっても興味本位でなんとなく誰かと別の番組を見ていることがあった。
本当は夜でも横島と散歩に行きたいのだが、美神やおキヌに暗くて危ない(特につき合わせられている横島が)からと、止められているのだった。
「そう言えば前もそんな感じのどっかのセリフから抜き取った様なことを言っていたっけな、意味もよく解ってないくせにあまり真似するなよ。」
「意味ぐらい少しは解るでござるよ!拙者、前も言ったでござるか?いつでござる?拙者は覚えて無いでござるが・・・」
シロは自分の記憶を探っていた。
「ほら、お前タマモが対決するって言って、俺と西条と一緒に犯人を捜しに行ったときに…って、あ、いや、なんでもない。気にするな」
横島はシロがそんなセリフを言っていたのは驚かされて覚えていたがどんな状況で言ったのかを自分が、しゃべりながら言って思い出し慌てて否定した。
・・・が、すでに遅かった。
「あの時でござるか!いつもは拙者からしか先生に飛びつかないのに、あの時は先生から拙者に飛びついてきてくれたでござったな!とてもうれしかったでござるよ!すっかり忘れていたでござる。これからは忘れないよう気をつけるでござる!」
「いや、さっさと忘れてくれ・・・」
横島はこう言ったがシロは自分にとってはうれしいことを思い出したと喜んでいて聞いていなかった。
・・・聞いたところで意味は無さそうだが・・・
「それより早く食べようでござる。拙者、お腹空いたでござるよ!」
「そうだな、じゃ、ちょっと待ってろ。」
横島は小型のテーブルと自分が座るイスを用意した。
その間にシロは起きあがりベッドの上に正座をして横島が準備をしているのを待っていた。
「よし、じゃあ食うか!」
横島は箸を持って自分の昼食を食べようとしたがシロが正座をしたまま自分の食事…いや
スプーンにすらも手をつけていなかった。
「ん?どうしたんだ、シロ。食べないのか?」
横島はなんとなく聞いてみた。
「先生が食べ終わるのを待ってるでござる。食べ終わったら拙者に食べさせてくだされ。」
「・・・今日だけだぞ。」
そう言い自分の食事を中断しシロに食べさせることにした。
絶対に自分が食べさせないと食べないような気がし、別に怒っても後で、すねられそうだし、もっともこんなことで怒る気もしなかった。
「え?・・・せ、先生、ホントに良いんでござるか!!」
横島の予想外の反応にシロは自分で言っておきながら驚いていた。
「ほらっ」
シロは、きょとんとした表情で差し出されたスプーンに口をつけ食べ始めた。
やがて1口目を食べて少しの間が空いてから、シロには、幸福感がわき出してきた。
横島も1回目はなんとなく躊躇いがあったが、うれしそうにしているシロを見てだんだんと自然に食べさせれるようになっていた。
「すごいおいしかったでござる!先生ありがとうでござる!!」
シロは食べ終わると本当に満足した様子だった。
「じゃ、俺も食うとするか。」
そう言い箸を持とうとするとシロが
「拙者も先生に食べさせてあげるでござるよ!」
と、言い横島の箸を先にとり、おかずの1品を掴み横島に差し出した。
「さ、先生!食べてくだされ。」
「おいおい。別に1人で食えるからいいって。…って、それよりお前が掴んでるものは何だ?」
シロは意図的かそうでないのかはわからないが、横島が嫌いな(当然だろう)ヤモリの黒焼きを掴んでいた。
「美神どのが前、霊力の回復に良いと言ってたでござるよ。」
「……じゃあ、お前は食べたことがあるのか?」
「ないでござるよ。美神どのがお腹を壊すといけないからと言ってたでござるから。」
「じゃあ、なんでそれを俺に食わせようとするんだ!?」
「美神どのは、先生ならもう何度も食べたことがあるから大丈夫と、言ってたでござる。」
「…とにかく1人で食えるから別にそんな事しなくてもいいって。」
そう言い横島は昼食を食べ始めているとシロが少し残念そうに見ていた。
「別にそんな残念がることでもないだろう?」
「じゃあ、今の拙者みたいに先生が風邪をひいたときに食べさせてあげるでござるよ!」
「……それなら、まぁいいか。」
言ったところで聞かないだろうと一応は了承した。
「先生!熱ないでござるか?」
「いきなりそれかい!言っておくけどな、シロ。俺が風邪ひいたらお前と散歩にいけないんだぞ。」
「あぁ!そうでござった!。拙者、先生とサンポに行きたいでござる。でも、先生にも食べさせたてあげたいでござるし……拙者、どうすればいいんでござるかぁーーーっ!?」
「………今はどっちも無理だから暴れずに安静にしてろ(そこまではしゃぐ元気があるんだから治ってそうだけど)」
横島はなんとなくシロの様子にたまに自分が重なっている気がしていた。
食事も終わったため横島は2人の食器を台所へ片付けに行った。(ヤモリの黒焼きを食べたのかは不明だが)
そこで、横島は先程の食事の様子を冷静(?)に考えていた。
「お、俺はあの時いったい何を考えていたんだ?」
今更になってシロに食事を食べさせていたことに動揺し始めていた。
「最初はなんとなく、食べさせないと食べないかなぁって考えてたけど、だんだんと食べてる様子がかわいいなぁって思い始めて……って何故だぁ〜!!俺は変態じゃないんだぁー!!」
横島は頭を壁にガンガンとぶつけて否定していた。
そして、なんとか落ち着きを取り戻して屋根裏部屋に戻った。
横島が戻ってきたときシロはベッドに横になっていた。
「ん?どうしたんだ、シロ。」
「少し眠くなってきたでござる。」
「あぁ、そうか。まぁ寝ているほうが完全に治るだろ」
(まぁいつも早いみたいだから本当はいつも眠ていていいような気がするが……)
「じゃあ、先生おやすみでござる。」
「あぁ、今日ぐらいゆっくりしてろ。」
そう言いシロが眠るまで頭を撫でた。
シロはうれしそうにしながら眠った。
「ふぅ…」
横島が溜め息をしてから少しして美神たちが帰ってきた。
「シロのようすはどう?」
「多分もう治ってますよ。あ、今、寝てるっスから…と、行ってもちょうどさっきっスけど。」
「じゃあ、しばらくは静かになるわね。」
「あ、美神さん、今日はこれで上がりますけどいいっスか?」
「あ、そう。わかったわ。じゃあ、また明日ね。」
「お疲れさま。横島さん」
そして、横島は帰っていった。

横島が帰った後、しばらくしてシロが起き、おキヌから横島はすでに帰ったと知らされて寂しがってしまっていた。
その時、おキヌに、明日は散歩に行ってもいいと言われると急に喜びだして、夕食を食べ終わるとすぐに寝てしまった。
…明日の散歩を楽しみにしながら…

翌日
シロはいつものように早起きをして横島がくるのを楽しみに待ち望んでいた・・・


fin


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