ザ・グレート・展開予測ショー

シロの願い


投稿者名:G-A-JUN
投稿日時:(02/ 1/10)

早朝
「早く来ないでござるかなぁ、横島先生」
さすがにこんな時間に来られたらシロ以外が困るだろう。
今日もシロは早起きだった。
ただ、今日は少し様子が違った。
それに気づくのは、おキヌやタマモが起きてからだった。
「おはようでござる!おキヌどの、タマモ」
「おはよう、シロちゃん。今日も早起きをしたみたいね。」
「これだから馬鹿犬は、こんなに早く起きてなんになるのよ…って、アンタなんか顔赤くない?」
おキヌもふと、タマモの言葉を聞いてシロの顔を見てみると、熱がありそうだと思えるぐらい赤かった。
「そういえば、さっきまで横島先生のことを考えていたでござるからなぁ。多分そのせいでござろう。」
シロは気楽に考えていた。
そんなシロの額にタマモは手を当ててみた。
「思った通りだわ!やっぱり少し熱があるみたいよ。おキヌちゃん。」
「え?本当なの?タマモちゃん」
「どうでもいいでござるが、「思った通り」とか、「やっぱり」とは、どういう意味でござるか?タマモ」
シロは少し不機嫌になった。
「いくらアンタでも普段はそんなバカな考えを口に出すようなことをしないのに今日は口に出してるじゃない。そのせいよ。」
「先生のことを思うのがバカなことでござるかぁー!!」
タマモにからかわれているとも気づかずシロは怒った。
「まぁまぁ・・・とりあえずちょっと体温計で調べてみましょう。」
「う、おキヌどのも拙者のことをそう思ってるのでござるか・・・?」
「そうじゃなくて、風邪かも知れないでしょ?タマモちゃんもからかっているだけで本当は心配しているのよ。」
「べ、別に馬鹿犬のことなんか心配なんかしてないわよ。」
それだけ言うとタマモは黙ってしまった。

・・・とりあえずシロの熱を計ってみた・・・
「ええっと・・・46.0℃ね。(これってシロちゃんにとってもやっぱ高いのかなぁ?普通の犬の体温と比べても・・・あとで、美神さんに聞いてみよう)」
「やっぱ拙者、風邪でござるか?おキヌどの」
とりあえずシロの様子を見れば風邪だと思いそう言った。
「じゃあ拙者は寝てなくちゃダメでござるか・・・?」
シロは残念そうにおキヌに聞いた。
「とりあえず安静にしてた方がいいわね。あとで美神さんにも聞いてみるわね。」
「じゃあ、朝ご飯を食べてまた寝るでござる・・・」
そう言って自分で自分の朝食を作り食べ終わると屋根裏部屋へと戻っていった。
食事中も体調が悪いせいか、いつもより食欲が無いようであまり食べていなかった。
やがて、美神が事務所に来ておキヌからシロの話を聞いてる時に横島も出勤してきた。
ただ、横島はいつもとは違う様子に驚いていた。
いつもならドアを開けた途端シロが飛びついて来るのだが今日はシロの姿が見えず少ししてからおキヌがきた。
「横島さん、おはようございます。」
「あ、おキヌちゃん、おはよう。シロはどうしたの?」
「それが・・・」
おキヌは横島に美神から聞いたことを加えてシロの状態を話した。
「え?シロが風邪を・・・まぁあいつの事だからいつ引いてもおかしくないとは思っていたが本当に引くとは・・・」
普段から散歩をする前に雨が降れば散歩は中止だが散歩をしている途中で雨が降っても横島はすぐに事務所に戻るようにシロに言うがシロは少し嫌がりさらに数キロ程横島を引っ張り回してようやく戻るのだった。
その間でも、横島は雨宿りをするがシロはその間はずっと雨に当たりながら横島が動くのをずっと待っていた。
さすがにいつまでもシロを雨に当たらせるわけにはいかないと少し休んですぐに移動を再開するが事務所に着く頃にはびしょぬれと、いうパターンがよくあった。
「とりあえずシロちゃんに会いに行ってあげてください。」
「あ、そうだな。じゃあ、ちょっと様子を見てくるよ。」
横島は屋根裏部屋に行った。
「横島先生!!」
「よう、シロ。」
そう言いながらベットにいるシロに近づいた。
「どうしたんだ?いつもなら飛びついてくるはずなのにだいじょうぶか?」
「だいじょうぶでござるよ。先生に風邪を伝染しちゃいけないからがまんしてるでござる。」
「お前にとって俺に飛びつかないようにするのは、がまんする程のことなのか?」
横島は笑いながら言った。
「先生、サンポは・・・やっぱダメでござるよね。」
「当たり前だろう。お前のことだからこれぐらいの微熱は今日だけ安静にしてたら治るって美神さんが言ってぞ。だから今日だけはがまんするんだ。」
残念そうにしているシロに励ますように横島は言った。
横島は下に降りようとしていると、シロの寂しそうな視線を感じた。
「どうしたんだ?いつものシロらしくないな。」
「・・・拙者は1人でいるのがイヤなんでござる。以前父上が天狗どののところへ行ったときも拙者の側に誰かがいてくれたでござる。・・・里を飛び出したときはとても怖かったでござるが、父上の敵を絶対に取りたいと強く思っていたでござるから1人でいるのもがまんしていたでござる。でも、だんだんとがまんできず怖くなってきたでござる。その時、先生に会うことができたでござる。そのおかげで拙者はまた気持ちを強く持つことができたんでござるよ!」
(確かにコイツが1人でいるって時をほとんど見たことがないよな。1人だけだと自分だけがみんなに、おいて行かれると思っちゃうんだろうな。)
ふう。っと横島は溜め息をついた。
「・・・少しだけ待ってろ。すぐにまた来てやるから。」
シロが頷くのを確認してから横島は下に降りていった。

「美神さん、今日は仕事をパスしていいっスか?」
屋根裏部屋から降りてきて突然今日は仕事をやめたいと言われ美神は驚いた。
「え?どうしたの?横島クン」
「いや、シロが1人で留守番はしたくないって行ってるもんで、俺がシロの看病をしますから・・・ダメですか?」
「突然言われてもねぇ・・・」
横島が抜けるのは戦力的にきついことだった。
もっとも横島自身はその事に気づいていなかった。
おキヌは横島の代わりに自分がシロの看病をしようと思ったがシロにとっては横島が一番居て欲しい人物だと良くわかっていたのであえて名乗りでなかった。
「横島クン・・・文珠出せるだけ出して。それで、仕事をパスすることを許すわよ。」
「………」
美神から出された条件に少し迷ったが、先程のシロの様子を考え、条件を果たすことにした。
横島は5個程文珠を作り出した。
「こ、これでいいですか?美神さん。」
「5個かぁ・・・まぁいいわ。ただし、看病を許すのであってそれ以外の早まった行為は許さないわよ。人工幽霊に監視させておくからそのつもりでね。」
「・・お願いですから少しは俺を信用してください・・・」
「じゃあ、出掛ける時にシロちゃんにおかゆと横島さんにも何かを作っておきますね。」
「ありがとう、おキヌちゃん。」
一気に霊力を限界まで使ったため少しふらついているようだった。
しかし、横島はあまりシロを待たせるわけにはいかないと再び屋根裏部屋に戻っていった。
「かなりお疲れのようね。じゃあ私もアレを作っておくか・・・」
横島は美神のこの言葉を聞くことが出来なかった。
「遅かったでござるよ!横島先生」
「あ、すまん、シロ。とりあえず今日はもう1人にならないから許してくれ。」
「先生が居てくれるんでござるか!うれしいでござる!!…って先生だいじょうぶでござるか?」
ある意味病人には言われたくないセリフだ。
そして、横島は今頃になって気づいたが、文珠でシロの風邪を治せばよかった様な気がしていたが、すでに遅かった。
しかし、人狼の回復力を考えればたった1日休めば治るのにわざわざ文珠を使ってすぐ治すことを美神が許すとは思えないし、霊力で風邪が治せるのかも疑問だった。
「ああ・・・美神さんに文珠を出せるだけ出せって言われて霊力をほとんど使っちまったからちょっと疲れてるだけだ。」
ようやくふらつきもおさまってきたたが依然として霊力はほとんど回復していない
「…っと、俺は俺で風邪が伝染らないように気をつけないとな…って言ってもシロは熱があるだけだし、まぁそんな気をつけなくても平気だな」


___(2)へ続きます。(汗)___


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