終曲(疑惑)
投稿者名:AS
投稿日時:(02/ 1/ 8)
ー終曲ー
暗闇に沈む魔城の祭壇。
その祭壇は・・・捧げし魂達に苦痛を与え、そして心力が尽き果てし魂を贄として己の力とし、取り込む意味を持っている。
今なお頑迷に抵抗し続ける彼女達。しかし仮面はそれこそが、望む最大の悦楽だと言いたげに、口元に笑みを浮かべながら、妖しく輝く眼をある一点へと向けていた。
切り取られた空間。そしてそこに映るのは、動揺した様子の横島と、それを測りかねているセステルティウス。その二人が、地上から遠く離れた場所にたたずんでいる。
『ここまで計算通りに事が運ぶと・・・彼らが気の毒になってきますね・・・』
仮面はそう独りごちてから、先ほどセステルティウスを呼び寄せた時と同じく右手をかざした。
『デナリウス』
そう仮面が短く告げるや否や、空間がきしんだ。
セステルティウスの時よりも更に・・・3倍以上の霊圧が祭壇の置かれているこの部屋全体を揺るがす。
「お呼びになりましたかマスター・・・ロウ」
仮面をつけし男・・・ロウと同じ様な黒衣をはためかせて、デナリウスは静かに彼の足元へとかしづいた。
『ご苦労デナリウス・・・実は貴女に遊びの手伝いをして欲しいのです』
「遊び?」
『そう。クク・・・遊びですよ』
困惑の眼差しを向けてくるデナリウスをよそに・・・ロウは愉悦に顔を歪ませ、笑い続けていた。
同時刻。
空港での茶番を終え・・・急いで皆と合流するべく、唐巣と副会長は夜のローマを疾走していた。
「急ぎましょう神父。皆が気がかりです!」
せっぱ詰まった感のする、副会長の言葉。それに対して・・・何故か神父は、彼にジト目を向けた。
「・・・手回しの良い事だね」
神父がそう言うと、童顔のGS協会副会長はさっと神父から目をそらした。構わず神父は言う。
「もうこの辺りには、人の気配なんて全く感じられないし、動物の鳴声も聴こえてこない、おかしいよね?いくら濃密な魔の気で覆われているといっても、ここまで感じ取れない筈が無い!」
語気を強めた神父に肩をすくめ、あきらめたように副会長は神父の言葉を続けた。
「そりゃ、もう住民のほとんどが、避難を終えてますからねぇ・・・空港にいた観光客達も、少しお仕置きした分からず屋の空港責任者の方も、こぞって避難を始めたでしょうねぇ」
喋りながらも足は止めない。ひたすら走り続ける神父の顔は、見る見る赤くなっていく。それは苦しさよりも、怒りからだ。
「いい加減に隠し事はやめてくれないか!?もう既に彼女が・・・美智恵君が敵の手におちてるんだ!一体君とあのイタリアの捜査官は何を・・・」
そこまで言って横を振り向いた時。
「な!?」
神父はいつの間にか、すぐ横を走っていた筈の副会長の姿が消えている事に気がついた。
「・・・・・・」
神父は立ち止まった。
(一体・・・ここのGメンは何を考えている?いくら我々がアシュタロスを倒した実績を持ってても、自分達の首都を汚した輩を他人任せにする事自体おかしいと思っていた。捜査官の数が足りない為?いやそうだとしても、それだけの理由なら、何故わざわざ応援を遠い日本に『だけ』頼む・・・?)
解らぬ事が、不透明な事が多すぎる。神父は更に考えた。
(住民や一般人をここまで徹底して避難させるには、相当な人手が要る筈・・・そしてそれを行うのがGメンなら・・・?)
神父は考えがまとまらぬ事に苛立ちを感じ、そしてそれを振り払うかのように、再び駆け出した。
(とにかく今は美智恵君のところへ!イタリアGメンの本部へ行き、真意を問いただすのはそれからだ!)
「では、ここにいる者達を捕らえればよろしいのですね?」
デナリウスの言葉に頷いてから・・・ロウが口を開いた。
『出来れば全員生かしたままというのが、最も望ましいのですが・・・相手も無駄な抵抗はしてくるでしょうし、いざとなれば皆殺しにしても構いません。ただ・・・美神美智恵の肉体だけは必ず無傷で持ち帰って下さい』
その言葉に今度はデナリウスが頷く。
『では行きなさい。頼りにしてますよ・・・』
そう告げると共に、闇に溶けてゆくデナリウス。
そしてーーー
『さて、と・・・早くおいでなさい美神令子・・・感動の母との対面が待っていますよ・・・』
ーーーあとには、仮面の嘲笑う声のみが残ったーーー
今までの
コメント:
- 「久しぶりですので、かなり鈍ってますけど・・・続きです。読んで頂けたら、嬉しいです」 (AS)
- 読み返して・・・明らかに失敗・・・未熟。 (AS)
- 敵の狙いがわかりませんね・・・・・・ああっ、気になるっ!
美智恵隊長の肉体を使って何をする気なのか・・・・・・。
ところでASさん、そろそろ呪いを解いて頂けないでしょーか?(泣願) (黒犬)
- デナリウスさんの容姿が気になりますー! (猫姫)
- 某ロウも勿論、頼りの筈のGメンの動向の真意が量りかねる処が真に恐ろしいですね。
敵の敵は味方、それとも……? (Iholi)
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