ザ・グレート・展開予測ショー

一人だけのビデオ鑑賞会。


投稿者名:トンプソン
投稿日時:(02/ 1/ 4)

窓の外は吹雪であるが、旅館の中にいる分には大丈夫であった。
「あらまぁ、これじゃあ帰れないわねぇ」
と、2時間前まで愚痴を溢していたのが隊長事、美神美智恵である。
娘の令子、そして永遠のライバル小笠原エミと下に続いた後、
六道学園のオキヌ、魔理、弓かおり。
実地を兼ねた日帰りの依頼が、突如として泊りがけの仕事となったのが現状である。
「いいじゃない!高級旅館に宿泊がタダになったんですもんね。ママ」
「まったく、この子ったら・・」
当然、値切ったのが美神令子である事には間違いない。
その令子、今は脱衣所で着替えを済ましている。
「さて、戻ったらママと一杯やりますか」
館内販売のビールをしこたま買い、部屋に、こちらは成年専用の部屋であるが、戻ると、
「ありゃ?誰もいないわね。あっちの部屋かな?」
廊下を出ると、なるほど。隣の高校生の部屋からテレビと話し声が耳に入る。
「こっちなんだ。はいっていーい?」
すると、弓ちゃんだろうか。
「はい。どうぞおはいりくださーい」
ドアを開けたのも弓である。
部屋の中央にはアルコールに軽いツマミ、そしてソフトドリンクと置いてある。
が、誰もそれには手をつけていない。
「あん?」
部屋を見ると皆テレビを見ている。
なんか、面白い物でもやってるのかな?と、テレビをみようとした瞬間。
喘ぎ御えが大音声である。
「こっ、こら。あんたたち、何を見てるの!」
美神が怒るのも当然だ。その番組は御金を入れないと見れない、言わば旅館側が用意した、特別プログラムである。
慌てて消そうとする令子に対して、
「アラ?令子ちゃん、こうやって女だけでしか集めれないと見れないンだから、勿体無いワケよね」
エミが令子の行動を押さえる。
「だって、エミはいいだろうけどね!オキヌちゃんたちは・・」
「でもぉ、美神さん、私達だって、このぐらいはぁ」
以外や以外。オキヌちゃんが反論をしてくる。
「そうですわよぉ、大人の方、公認で鑑賞しているのですから!」
「そうそう、ケチ臭い事は言わないって事っすよ」
三人娘の反論である。
「あんたたち、酔っ払ってるの?」
言うだけ虚しいという奴だ。アルコールによる顔の赤みを帯びてる物は誰もいない。
第一、テーブルのビンも一杯だけ飲んだ事が確認出来る程度だ。
「ちょっと、ママどういう積もりなの?」
「いいじゃないの。高校生にもなって、見ちゃ駄目だなんて、五月蝿すぎるわよ?」
軽くあしらっている美智恵隊長である。それどころか、
「ふふ。ホントはね。こんな格好じゃ疲れるから、ちゃんと横になったほうが、いいのよ」
と、レクチャーをしている始末である。
「じゃ、じゃあこの時は、こうやっているほうがいいんですね」
「そうだけどね。でも初めてやる時は駄目よ。女は本当に痛いんですからね」
「そうそう。無理は禁物なワケ。オトコの方も判ってないと無茶するワケよね」
エミもレクチャーに参加している形のようだ。
片手にぶら下がっているビールにも気が付かない令子。
「でも、これってあんまり出来よくねぇねぁ。見てて面白くネーぜ」
と、魔理である。
「見ててって・・あんたこんなモン、良く見てる訳なの?」
令子としては、当然の質問だろうが、むしろこの場では異端のようである。
意外な表情を見せた未成年。
「あの・・このぐらいは私達でも鑑賞するかと」
弓かおりの何時もながら上品な反応である。
「そ、そんな。ねぇ。オキヌちゃん。貴方は・・見ないでしょ?」
すると、首を横に振って、
「あ、あの、美神さんの事務所では見たことありませんが・・弓さんの自宅や・・」
最後のほうは、小さな声で、
「横島さんの家で・・見たことも・・」
「なんですって!」
「・・すいません。でも・・・シロちゃんやタマモちゃんも見たいからって・・」
おずおずとした報告である。
「ゆ、許さないわよ!!わ、私は」
しどろもどろの口調の美神。
「オタク・・まさか1回も見たことが無いワケ?」
からかい混じりのエミである。
「このぐらいはさぁ、小学生でもみちゃう奴は見てるワケよね。隊長さん」
「当たり前じゃない。私だって、貴方ぐらいの時には結構見てたわよ、その頃はピンク映画って言ってたケド」
「だ、っだって倫理違反でしょ!」
悲鳴にちかい反論も、美智恵ママにはなんでもない。寧ろ、
「そう?でも御互い初めての時には、こういうビデオが有効じゃない。まさかその手本を持ってくの?」
「わ、私にはまだ関係ない!こんな事わぁ・・」
反論が上ずる。
「オタク、そんなんだから、レズなんて言われるワケね。ってもしかして、本当に?」
一度も見たこと無いのか?と目で訴えるエミ。
「そ、そんな訳・・ないじゃ・・」
驚いたのが、美智恵ママである。
「あんた、本当に??そっちのほうが異常よ。ママがいないかったから、見放題じゃない」
画面が山場になった事で一度画面に目を向ける。
「ま、まぁいいわ。私今日の仕事、結構きつかったから隣で寝ているね、んじゃ」
そそくさと、部屋に戻る美神令子で、扉が閉まった後、
「育てかた・・間違えたかしら」
と、幾許か本気で心配する美智恵隊長であった時、画面の中では全ての事が終わっていた。
隣部屋では、一気にビールを煽って強制的に睡眠を促そうとするも、
「・・あんなモン、始めてみて簡単に寝れる訳、無いじゃない」
と、寝返りを打つ美神令子、無意識に両手を太腿に挟んだ格好になると、あわてて布団から手を出たりしていた。
さて、数日後。
レンタルビデオ店にて、不振な客にしか見えない者が一人。
ダブダブのオーバーに男物の帽子を被り態々マスクまでしている。
いぶかしがったアルバイト店員が、店長クラスであろう男に、
「あのー、あの人ってなんでしょうかぁ?」
と、不安そうに聞いてきたのに対して
「あぁ、ああいうのは、18禁ビデオを借りたいけど、勇気が無くってって奴さ」
しかも、女だぜと、小声で教えている。
「あらまぁ。女の人でも借りるのにねェ」
と、呆れているアルバイト店員、流石に2時間、カーテンのかかった目の前でうろちょろしていれば、である。
「今時は高校生でも借りに来るというのに」
美神としても、
「わ、私は何をしているのよぉ・・さっさと入ってぱっと借りれば・・」
と、思う反面かなりの抵抗が生じてさっと、別の場所に戻っている。
入れ違いで、男の子がやってきて、
「へへ。新作でいいやつがあるんだってな。これは借りねば!」
といわんばかりに、目当ての品に加え、2、3品手にとって、カウンターへ向っていく。
「いらっしゃいませ」
と、機械的に事を行なう店員である。
その男の子の仕草、声、すべて美神令子にとって、聞き及んだ物である。
男の子が外に出て自動ドアが閉まったと同時に美神令子も外に出る。
「ありゃま。結局借りず終いかよ」
と、店長らしき男がごちた。
外では、誰にも見付からないようにと、あたりを見渡す男の子。
「こらっ、横島ッ!」
後から、しかも最も合いたくないであろう美神令子である!
「美神さん!」
鼻からジェット噴射かと思う程の勢いがある。
今までの天国気分が地獄への超特急オリエント急行である。
「あんた、高校生でしょうが!ちゃんと書いてあるでしょ?高校生以下駄目だって」
「ゆ、ゆるしてー」
人の目そっちのけで、ひれ伏す横島である。
だが、何時もの一発は無い。
「没収!」
手に持っている袋を奪っていく。
「ちょ、ちょっと美神さん?」
顔を上げるとそこには、美神令子がいない。
「あん?返却してないの・・・まぁ・・いっか。へへ。御目当てのはここに・・」
と、裏ポケットから出てきたのが一本ある。
「今日の夜、奪還しにいきゃいっか」
先ずは目的のビデオ鑑賞のほうが先のようだ。
風の如く家に戻った美神は部屋にあるビデオをつける。
「さと・・と・・そうよ。ママやエミに馬鹿にされないために見るのよ」
と、自分に言い聞かせながら、先ずは袋の中にあるビデオを確認する。
中には当然カゲキな物も入っている。
「何?この露出って」
カバーの裏を見ると・・。
「嘘でしょ?外で・・・だなんて。あいつなんていうのを借りてるのよ!」
私には絶対出来ない、という言葉は心の奥底で発したであろうか。
比較的まともそうな物、タイトルも単純で
「ふん。『昼下がりの悪戯』ね。コレなら・・」
と、勇気を持って(美神にとっては)ビデオデッキにテープをいれる。
先ずはコピーガードの宣伝。
「当たり前じゃない。誰が録画するってのよ」
次にでかでかと一八禁の文字。
「私・・本当に見てるのね・・」
そして、学校の風景へとビデオは廻る。
「えっ?こ、これって高校生が主人公なのぉ?」
その通り、安っぽいナレーションが、この男の子は・・そしてこの娘は幼馴染の・・と、
なってくる。
「まずいんじゃないの?コレって・・」
実際は幼顔のアクターをあてているのだが、そんな事には頭が廻らない。
内容は・・あえて触れるまでもないが、テスト勉強をしている時に・・という物である。
「嘘くさいわねぇ。なんで脱ぎたがるのよ、熱くもないでしょうに」
と、最初はイチャモンを付けていたが、
「うわっ・・どうしてこんな事になるのよ!御母さんが下に・・」
だが、男の子のほうが、服を脱ぎ出すと、とうとう黙ってしまう。
知らず知らずのウチに、画面に近付いていく。
「なによ・・このぼやけた画面は・・」
『モザイク』という奴に文句を言うもすぐに止む。
「うわ・・。こ、こんなふうになるんだ・・痛く・・ないのかなぁ」
知らず知らずに口が開いた頃、
「あのー。美神さん?返して・・」
と、横島がおそるおそる部屋に入ってきた。
当然美神は気付いていない。
「へっ?・・美神さん?」
女性が、食い入るようにして18禁のビデオを見る。そちらのほうが、
「おい・・なんか・・すげぇえっちいってか・・新鮮・・」
ビデオそっちのけで、横島は美神をみている。
「うわっ。違う娘とやりはじめてるじゃない。浮気者」
ぽつんと、漏れた一言がある。
そのビデオ少しはドラマ仕立であった。
エンディングになった。
「ま、巻戻して・・」
と、一旦テレビを消したが、何を思ったのか、再度再生のボタンに手を伸ばした時、
「ねぇ、美神さんってば!」
振り向くと、横島の顔がある。

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa