ザ・グレート・展開予測ショー

GO! GO! YOUNG!(U)――絶望という名の同伴者――


投稿者名:ロックンロール
投稿日時:(02/ 1/ 3)

 夜闇は空間を漆黒の色彩によって染め抜き、そこに沈殿する。
 それは、街の喧騒を遠く離れたこの廃墟でも同じ事だった。
「無理ですよぉぉぉぉっ!! ボク一人で除霊なんてぇぇぇぇぇっ!!」
 そしてそこに、悲痛な声が木霊する。……いや、木霊するでもなく、空虚な黒い空間に響いて消える。
「うるさいなぁ……」
 雪之丞は、取り合えず地面に爪を立てて抵抗する明飛を見やった。
「何の不満があるんだよ。お前の希望どおり給料の件考えてやるっつーのに」
「いやだぁぁぁぁぁっ!! 殺されるぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
 取り合えず悲鳴は一オクターブ高くなった。……引きずられながら――心なしか抵抗する力が強まっているような気もする――涙を流して哀願してくる。
「じょ、冗談ですよね! 伊達サン! ボ、ボクを殺したりはしないですよねっ!!」
「馬鹿だなぁ。明飛」
「え……」
 地獄に光明を見たような顔で(いや、実際その様な顔を見たことがあるわけでもないが)明飛がこちらに顔を向ける。
 その明飛に向かって、雪之丞はさわやかに言い切った。
「だいじょぶだ。もし殺されそうになっても、4分の3くらいで助けてやる」
「『4分の3』って!? 『4分の3』ってぇぇぇぇぇっ!?」
 再び絶叫する明飛。あまり気にはならないが、うるさいことはうるさい。
「伊達サンッ!! ボクは虐待されているのではありませんかっ!? 日本の法律でも雇用関係はそーゆーこと禁止でしょっ!?」
「うむ。何故だか俺の周りではこーゆーことがいたって日常的に行なわれていたんだ、明飛。愛情表現だと俺は解釈してるから、お前もそー思ってくれると俺は嬉しいぞ」
「何でだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「それにほら、危険な仕事である事はじゅーぶん納得して入ったんだろ?」
「それはそうだけど、こーゆー危険は何か違うんじゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
 どばどばと涙――暗い所為でそれは血の涙にも見えた――を流しながら、絶叫する明飛。 雪之丞は嘆息して彼を見やる。
「だからどーしろっつーんだよ? 俺の見立てでは、お前はきっと5〜6年後くらいに立派な霊能力者になる予定なのに」
「自分の予定で他人の運命を決めないで下さいっ! ボクにだって自分の夢ぐらいありますっ!!」
「そーかそーか。そのためには今を生き抜かなくちゃなぁ。明飛」
「生き延びる為に必死で抵抗してるんじゃないですかぁぁぁぁぁっ!!」
 再び嘆息。
「安心しな…… お前は死なねぇよ」
「え……?」
 その折。
「それにな……、明飛」
 感じる。
「ハイ……?」
「……………………もう、遅いぞ」
「え?」
「お出ましだ!」
『ガアアアアアアアアアッ!!』
 突如として空虚な闇の中に現れた地縛霊は、その使命を果たそうとするかの如く、迅速に雪之丞たちに襲い掛かってきた…………
                            ――To be continued――

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