カオスエンタティメントの失態事業!
投稿者名:ギャグレキスト後藤
投稿日時:(01/12/25)
「髪伸びすぎたなーー…」
横島は髪に手を当てながら青梅通りを歩いている。
この通りを真っ直ぐ歩けば、美神除霊事務所。
ブタも歩けば棒に当たる。
てなわけで、着く前に髪を切ろうと思って床屋を探す。
出来れば、ラポールよりもっと安めの床屋を。
元を正せば、美神さんのせいだ。
美神さんが俺の頭を何度もド突いてタンコブを作らせる。
目の上のタンコブというより、オロカブのような気分だ。
あの折檻さえなけりゃ−、多分、これほど早く髪は伸びてないだろう。
「なかなか、\1000以下の床屋って無いもんだなぁー」
思わず呟きながら周りをキョロキョロ見回す。
すると、一つばかり新装開店の花飾りと立て看板が目に付いた。
立て看板には、『開店記念半額キャンペーン中』とある。
入り口脇の店看板には、BarBerC&Mと、薄紫色の下地に緑色の筆記体が入っている。
看板の異色な掛けられ方というのもあるが、いいお姐さんも居るかもしれないと言う期待から
つい入りたくなってしまう。好都合だった。
と言うわけで、自然と入り口のドアを開ける。
そこで待ち受けていたものは……………
☆ ☆ ☆
「おーおー、いらっしゃ…なんだ小僧ではないか。」
「……か、帰らせていただきま……」
お分かりだったろうが、そう。
C&Mというのは、Chaos & Mary、つまりカオスとマリアの略称。
横島がカオスの姿を見るなり、その事に気付いた。
言うまでもなく、慌てて振り返ってその店を出ようとした。
が……。
「マリアー!折角のお客を逃がすんじゃないぞい。」
「イエス・マスター・カオス!」
カオスの声が店内に響き渡ると同時、マリアが横島の肩を捕まえる。
ジタバタと逃げようとする横島だったが、結局、マリアに強制的に椅子前に連れて行かれた。
そして作業用椅子に縛られて座らせられたのである。
『アーアー、カワイソカワイソ、何デコノ世ニ生マレタノーー!』
ブウッ!
作業用椅子の前の鏡付きコックピットからなげきブタが出現したのである。
それも、プティック・ドロンボーが関連会社に参加した故に贈答されたコックピットメカ。
かなりユニークに凝った店だ。
「ふっふっふ、この店に入ったが記念すべき運の良さなのじゃぞ。
不幸に思うんじゃないぞい小僧よ。」
「思うわいいぃ………っ!」
☆ ☆ ☆
涙を飛ばしつつ思いっきり本音を吐き出す横島。
だが、カオスは平然として喋るものだからたまらない。
「では小僧、どういう髪にしたいのじゃ?
ウルフカットか?それともマッシュルームカットか?それとも…」
「……このセットのままで………、全体的に髪を少々長めに頼む……。」
横島は、目をウルウルさせつつ涙ながらにがっくりさせて言う。
逃げられないし、仕方なく大人しく実験台になったほうが身のためだと判断したのだろう。
そんな思いが表情に現れていた。
が、その思いは少しばかり吹っ切れた。
マリアがカット用のシーツを丁寧に首元から巻きつけてくれたのだ。
だが、その後が少し問題だった。
「マリア、この小僧の普段の髪の長さとどのぐらい違うのじゃ?」
「5.5cmです。マスター・カオス」
「じゃあ気をつけろよ小僧。」
「なんじゃそれはーーーーっ!?」
横島が鏡越しにカオスの方を見つめると、カオスの手には刀が握られている。
「見て分からぬか?これは青龍刀と言ってな…」
「見りゃ分かるわいっ」
「大人しく聞け。これからスパーーッと5.5cm分を一挙に刈り取ろうというのじゃ。
死ぬなよ小僧!」
「いやーーー!人殺し−−−!」
嫌がるのも無理は無い。
マリアから手渡された鞘に収められた刀を見て普通にいられる奴などいないだろう。
信じられない刈り方をするものだと横島は青ざめていた。
「安心せい、嶺打ち程度にしとくわい!」
「そういう問題じゃないって−−の!」
「どのみち、お主は不死身なんじゃからいいじゃろーが。」
「貴様と一緒にするなー−−−っ!」
カオスのどこと無くいかれた精神を前に、横島は思いっきり突っ込んでやる。
死ぬかもしれないという思いを前に、カオスは鞘を収めたまま冷静に構える。
横島の髪の頂点から5.5cmした辺りを見据え極める。
ずれたら人殺しとなるため(?)大胆に青龍刀を半円型に振りぬいていった。
「ひいいいーーーーーーーーーーっ!」
横島は眼を思わず閉じて悲鳴をあげると共に、青龍刀は髪を一瞬で切り刻んでいった。
パラパラと髪が落ちるなり、終わった…とばかりに眼を開ける。
するとカオスは、マリアが照らす三日月形のスポットライトを浴びつつ、
眼を閉じて刀を振り終わった後の如くに鞘に収めつつ格好を極めていたのである。
何故か、シシオドシまで鳴っている。
「…しょうも無いものを刈ってしまった……。」
「独りの世界に耽ってんじゃねエー−−!」
☆ ☆ ☆
続いて細かくカットした後の洗髪。
マリアが現れると、片方のアームに漂白剤がある。
「も、もしかして、それで洗うんじゃないだろ−な…」
「イエス・横島・髪・洗う!」
颯爽と早速、容器を下に向けてパカリと注ぎ口を開ける。
だが中身は普通のシャンプーだったようだ。
「どうじゃ、ワシの特製リンス一体型シャンプーじゃ。
漂白剤の容器しかなかったので、少々紛らわしかったろーが。」
「紛らわしすぎるワイーーー…でっ!」
ぐきいいい☆
マリアの超怪力が横島の首ごと頭を洗い上げるなり、徐に鳴らし上げた。
横島は口から泡を吹いて気絶していたが、マリアはそれに気付いていながらも
思いっきりゴシゴシと髪を洗いつける。
「…おやマリア、そやつの口にもシャンプーが…」
「カオス・シャンプーじゃなく・気絶中!」
「騒がなくて好都合じゃ。そのあと、ワシが髭をそるからな!」
☆ ☆ ☆
なんとか復帰した横島。
その気が付いた時には髭をそり落とした後だった。
そして、髪を最終的にハサミで綺麗にカット修正している途中だったのである。
「…おお、なんとか終わる頃か。」
「ああ、爆睡してたぞい。お陰でスムーズに済んだ…」
「オカゲサマでな。」
横島は憎まれ口に言う。
当たり前である。
そのカット修正しているハサミが、高枝切りバサミだったのである。
「ついでに言うとな、お前さんのその髭はカッターナイフで反ったからな。」
「…怖いことするなっ!」
横島は工作人形じゃないぞとばかりに首を振り返って突っ込んだのだった。
が、この突っ込みが運悪くも、ハサミを額に突き刺す羽目になったのである。
額からダクダクと血を流れ吹き出ている。
「言うの遅かったがな、動くとハサミの餌食となるぞい!」
「……遅すぎるんだよ。」
「まあいい、これで終わりじゃ。代金は\550で良いぞい。」
……マリアに縄を解いてもらい、額からピューと血を流させながら代金分を払う横島。
この床屋を出たあと除霊事務所に出向いたところ・・・
☆ ☆ ☆
「な、っははは、何です横島さんその顔。」
「いっぺん、鏡見てきたら。」
何故か笑われる横島。
キヌは、尚も吹くのを我慢して堪える。
どうしたんだろーとばかりに洗面所へ行って見てみると・・・
「・・・・・あの野郎、髭剃り失敗しやがったなぁーー!」
なんと、失敗した跡が、丁度「アホ」と言う形に刻まれていたのだ。
この顔で事務所まできたのかと思いきや、来る途中の廻りの視線がどうもおかしかったのはこのせいかと
今ごろ傷ついた・・・もとい、気づいた横島であった。
では、このカオス経営の床屋を見かけたら是非入ってみてください。
今までの
コメント:
- ↑幾ら安くてもイヤですっ!(ぶんぶんっ)
恐らく中世のままで経ち腐ったまんまの脳みそで「外科医の知識と資格さえあれば床屋も開業できる」などと思い込んでいるに違いない(笑)。くわばらくわばら。 (Iholi)
- こち亀ネタですな。 (トンプソン)
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