ザ・グレート・展開予測ショー

white hope(3)


投稿者名:二エー
投稿日時:(01/12/20)

「いいですか・・横島さん、行きますよ」
玄関のドアノブに手をかけながら小竜姫が横島に改めて確認する。
横島も緊張した顔でそれに頷く。

小竜姫がドアを開ける・・・・そこにはやはり窓から見えた女の子が立っていた。
見た目は何処にでもいるような普通の子だ。が、二人ともすぐに異常に気付く。

顔が異常に白い。それに、目の焦点が合っていない。

「小竜姫様・・この子・・・」

「ええ・・・「クグツ」と言う奴ですね。」

「ひでえ・・だれがこんな事を・・・」

呆然とする横島の前で二人の目の前で女の子が口を開く・・なぜか男の声色で。

「カラス ノ キョウカイ デ マッテルワ ヨコシマタダオ 」

「・・・わ?さてはてめえ勘九郎かッ!腐った真似しやがって!いまさら何の用だ!」
女、子供を盾に取るような相手には異常なまでに激昂する横島が吼える。

「ワカッテルトオモウケド コノコハ アナタガ クルマデノ ホケン ヨ ワカッタラコノコ ヲツレテ ヒトリデ キョウカイ 二 キナサイ」

「このクソ・・こんどこそぶっ殺してやらあ!」
言い捨て今にも走り出そうとする横島を羽交い締めにする小竜姫。

「横島さん!落ち着きなさい!こんな見え透いた罠に引っかかるつもりですか!」

「罠だろうと何だろうとこんな腐れ外道ほっとくわけには行かないでしょう!くそっ!離して下さい!」
必死に小竜姫を振りほどこうとする横島・・・が所詮は人の力である。竜神であり武神でもある彼女の力には抗うすべも無い。

「そうやって突っ走るとこの子と引き換えに貴方が死ぬかもしれないんですよ!まずは冷静になって・・それから対策を・・」

「そうやって・・奇麗ごとを言って見捨てるつもりか!あんたら神様にとっちゃ所詮人間は牧場の羊みたいなものなのかよ!そんな風に・・・差し引きで割りきっていいもんじゃねえだろうが!それに・・俺の生き死になんてこの子の一生に比べたらどうだって・・」

スパアアン
横島を向き直らせると同時に強烈な平手を見舞う。

「しょ、小竜姫さま・・・・」

女性にひっぱたかれた経験は星の数ほどある横島だったが小竜姫にこんな形でひっぱたかれたのは始めてであった。呆けた顔で小竜姫をみつめている。

「お願いですから・・・そんな悲しい事は・・言わないでください。」
そう言った小竜姫の平手を放った手は震え、顔は、泣きそうになっていた。

「私も・・・一緒に行きます。それでいいですね。あと上にいる皆も」

ハッと我に返る横島。しばらく何かを考えるような顔をする。・・お互い沈黙の時間が流れる。



サクッ・・サクッ・・・
静かになった私達に代わって降りつづける新雪が音を立てる。

「・・・小竜姫様。」
「・・・なんです。」
私は怒っていたんだろう・・ぶっきらぼうな口調で返事してしまう。

「やっぱり、それは出来ません。さっきは取り乱してすみませんでした。でも冷静に考えても俺一人で行くのが一番いいと思うんです。」

「でも、それでは貴方が・・」

「小竜姫様ぐらい力を持った神様が下手に動くわけには行かないでしょう?もし勘九郎がまだ魔族とつながりを持ってたらどうするんです?それこそ神・魔の戦争の口実になってしまいますよ?・・・あとは俺のワガママなんですが・・もう、俺の為に誰も危険に晒したくないんですよ・・・あんな思いは一度で沢山ですからね。」

「・・・・」
私は・・・何も・・・言い返せなかった。

「ね?お願いします。小竜姫様」
そう言って彼はひどく透き通った笑みを浮かべる。こんなときは武一筋に生きてきた自分が恨めしい。上手く自分の言いたい事が言えないのがこんなにもどかしいなんて・・・
もう、彼に反対する気持ちは消えていた。ただ・・死んで欲しくない。皆や、私の為にも。

「・・・解りました。私は事務所の方を守ることにします。」

「お願いします。それと、皆には内緒にしておいてください。なるべくなら・・今日の皆の楽しみを潰すような真似はしたくないんです・・ワガママばかり言ってすみません。後で俺に出来ることでしたら何でもして償いますんで、それで勘弁してください。」

「約束してください・・・『必ず生きて返ってくる』と。」
武人として今の私に言えるのはそれだけだろう。

「そんなことなら任せてくださいよ。俺のゴキブリ並のしぶとさは知ってるでしょう?」
横島さんは私に背を向けると女の子を連れて歩き出す。

あ、後もう一つ。
「先日の『めくるめく一時』の約束も果たしてもらいますね?」

すってーん
あ・・・転んだ。
「・・・!?$%&・・・ま・マジ!?」

私も混乱している彼に背を向け、事務所に戻る。ええ・・・ですから返って来てくださいね。必ず・・・

私は何も無かったように2階に戻る。ドアの前には相変わらずカオスさんがいた。

「おー早かったの。・・・そう言えば小僧はどうした?あと・・・事務所の前におった女子は誰じゃ?横島と歩いていったみたいじゃが?」

「女子」、「横島」という言葉に反応したある二人・・・誰かは言うまでも無いけど。の耳が大きくなった・・気がした。

「何でも、デートらしいですよ。誰にも邪魔されたくないって」
彼との、約束を破る訳にはいかない。

私の嘘を聞いた二人の顔が引きつり、まるでこの場にいない横島さんにあてつけるようにそれぞれピートさん、西条さんとより親密になり始める。

もっと上手い嘘が・・あったかも知れない。

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