ザ・グレート・展開予測ショー

white hope(2)


投稿者名:二エー
投稿日時:(01/12/20)

 日は変わってクリスマスイブ・・・と言うにはまだ少し早い夕方・・・外では都会にしては珍しく雪が降る・・・まるで、今日という特別な日に会わせたイルミネーションのように。小竜姫という助っ人が加わり(多少不器用ではあるが)横島という妨害者が静かになった事でどうにか準備は終わり、参加者も集まって宴は盛り上がりを見せていた。

「よしっマリア!タッパーは持ってきたなッ!わしは昔のキリスト教でいうと異端者じゃが今日ばかりはあやつらの慣習に感謝せねばなるまい!」
「イエス、ドクターカオス。」
めぼしいものを次々とでかいタッパーに詰め込む二人。

「それにしても・・・雪ノ丞、あなたって一年たっても全然伸びないのね。西条さんとかと比べると・・・はあっ・・・」
「うるせえっ!いちいち気にしてるこというんじゃねえよ!」
もう喧嘩を始めそうな二人・・

「ねえんピートおっ私・・・酔っちゃったみたい(ぽっ)」
「ちよっ・・・ちょっとエミさんそんなに寄り掛かられると・・・駄目ですって!人が見てますよっ!」
攻守が逆の二人。

「ああっエミさん・・・なんで・・・なんでワッシにはああいうことしてくれないんジャああああっ!」

ガンッ
「ターイーガあっ?」
「はっ・・・魔理サン。い・・・いや・・これは・・」
猛獣と猛獣使いな二人・・・

と、さまざまな人間模様が場の空気をより暖かい(?)物にしていた。

「はっはっはっ・・・みんな楽しそうだ。ねえ令子ちゃん?」
「そうね・・・一時はどうなる事かと思ったけど。」

「令子ちゃん・・・今日の格好・・きれいだよ・・」
改めて西条に見つめられて顔を真っ赤にする美神・・・いつもならここで横島がカラんで来るはずなのだが・・・その横島はと言えば・・

「・・・・・・・」
なんと・・・周りの騒ぎなど何処吹く風でひとり、グラスを持ったまま窓の外を眺めていた。まさに彼だけが「違う」空気のなかにいた・・・そしてそんな時に限って横島は「いい」表情をするのだった・・・本人が気付かないのが一番の不幸ではある。

そしてその原因と対処法を知っている二人のうち一人・・・美神は西条といい感じになっており、残るおキヌは・・・エミの魔手から逃れたピートとお互いにこのチームの良心として気が合うのだろう。明るく話し合っていた。

横島自身もこんな時は下手に構って欲しくないので敢えて目立たない位置に自分を置いていた。が・・・その表情に気付いた人物が一人いた。他人の数十倍は人の気配に対して鋭い・・・小竜姫様である。



私は驚いていた。

この人でも・・こんな表情をする事があるんだ・・・
いや、これも「本当の」横島さんなのかもしれない。

「横島さん・・・おじゃましていいですか?」
気付けば、声をかけていた。

「あ、ああ・・小竜姫様ですか・・どうしたんですか?」

「横島さんこそどうしたんです・・・変ですよ?いつもならこういう騒ぎには真っ先に参加するはずなのに・・・そんなカッコ付けは・・似合わないとおもうんですけど?」
まさか横顔が気になったと言う訳にはいかないので質問で質問を切り返してお茶を濁す。

「いや・・・雪がきれいだなあ、と思って。」
あの横島さんが、雪がきれいだなあ、ですって?
思わず目が点になる・・・が、ふと彼が雪ではない別のものを見ていたんだと言う事に気付く。そうか・・・あの人のことを・・幸せなのかな・・彼女は。こんなに思われて。

「本当に・・きれいですね・・・」
私も彼の隣に立ち、窓の外の雪を見上げる。天から降り注ぐそれは一向に止む気配が無かった。
「始めは、頼りない弟みたいに見えたんだけどなあ・・・」

「へ?何がです?」

「あなたがですよ、横島さん。それが何時の間にか成長して・・・もうりっぱな『男』ですね。」

「そ、そうですか?自分では何も変わったとは思えないんスけど。もしそうだとすれば小竜姫様のおかげですね。」

「いいえ、横島さん。ただ力がついたり時を重ねるだけでは成長してるとは言えません。わたしはそのきっかけを与えただけです。本当に成長するというのは悲しみや苦しみを経験して、それを乗り越えていく事なんですよ。力を手に入れてからのあなたのように・・・」

「・・・・だとしたら俺はまだまだですね。まだ、引きずってる・・・」
そういって彼はまた遠い目をする。私は克服することとそのことを忘れてしまおうとする事は別だ、といってやりたくなった、が、それは彼が自分で気付かなくてはならないことだ。それに口に出せば安っぽくなる。

「そうですね・・まだまだあなたから目を離すわけにはいけませんね・・どうです?また妙神山で修行してみますか?」

横島さんの顔が青くなる・・・多分斉天大聖様との一戦を思い出したのかもしれない。

「そ、そうっすね、考えておきます・・は、ははは」
「ふふふふっ」

こういうところはまだ、年相応なんだけどなあ・・・

私は、まだ乾いた笑い声をあげている横島さんは置いておいて改めて窓の外を見る。

本当に・・・凄い雪。
・・・??
あれは・・・?

事務所の前にだれか・・いる?
女の子・・かしら?それにしては・・・
なにかが引っかかった・・・そう、妙に生気に欠ける・・そんな感じがする。

「横島さん・・あの子、どう思います?」

「そうですね・・俺の読みでは結構可愛い子じゃないかと・・」
私は横島さんの足を踏みつける。

「真・面・目・に・聞いてるんです!」

「す・・・すいません。・・・??そういえば、たしかに・・この寒空の下一人で、しかもずっと事務所の前にいますよね。いや・・ちがうな・・・結界が邪魔して・・入れないのか?」

「流石ですね・・・」

「いや、俺も前に休みの日に良からぬ事を考えて事務所に潜入しようとしたら結界にはじかれて、しかもその後美神さんに見つかって・・いやあ、えらい目に会いましたよ。」

この人は・・凄いのか並外れて馬鹿なのか・・・後者かも。
私達以外であの女の子に気付いてる人はいないようだ・・・となれば。

「決まりですね。もし悪意をもった何者かであったら大変です・・・調べに行きましょう。」

私は打って変わって真面目な顔になった横島さんを伴って部屋の出口へと向かう。なるべくこの場の雰囲気を壊したくないのでそっと・・のつもりだったんだけど・・

「おう、お前ら何じゃ?二人して・・どこかにしけ込むつもりかの?」
ドア付近にいたカオスさんに見つかってしまった。
顔が赤くなる・・えっ・・何で?どうして?

「しーっつ!!カオスのじーさんっ!」
あわてて横島さんがカオスさんの口を塞ぐ。

「お・・そうか・・すまんすまんあの二人にばれると大変じゃしな・・小僧。恥じる事ではないぞ、わしの若いころにはな・・」

私達は思い出に浸り出したカオスさんを放置して部屋を抜け出し、玄関に向かう。
隣を歩く横島さんの表情を見る・・気付かれてはいないみたい・・良かった・・のかな?

「?どーしたんです?小竜姫様?」

「い、いえ、何でもありません。急ぎましょう!」

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