ザ・グレート・展開予測ショー

white hope(1)


投稿者名:二エー
投稿日時:(01/12/20)

クリスマスイブの前日・・・町はさまざまなイルミネーションで着飾り、歩く人々も心なしか浮ついているように見える。お祭り騒ぎと言われようが、明日だけは日々の憂いを忘れてという思いがこの一種独特の雰囲気を作り出すのだろう。

そして、それは美神事務所においても変わらないようだ。

「美神さ〜ん。ツリーはここでいいですね!あ、横島さん何やってるんですか!それは明日食べるんですよ!」

「解ってくれ、おキヌちゃん!俺にとっては明日の聖日より今日という日常を乗り切る方が重要なんだッ!」

「まったく・・・大騒ぎにしちゃって。おキヌちゃん、あんたの家は神道でしょう?他宗教のお祝いしてどーすんのよ?」

「何か今の発言独りモンのヒガミみたいっすね。しかも妙にババアじみた・・・」

ベキッ バキッ ドカッ グシャッ パリンパリン

「ああっ横島さん!首が曲がっちゃいけない方向に曲がってます!」

「ああら、服もすっかりサンタ色ね・・どう?もっとそれっぽくなってみる?」

「メ、メリークリスマス・・・(ガクッ)」

・・・あまり普段と変わってないかも知れない。


おキヌちゃんが今年のクリスマスはみんなで事務所で・・と言い出したのがこの騒ぎの原因だった。おキヌちゃんが声を掛けたというだけあって集まる人数も半端ではなかった。
六道女学院のメンバーから、各GS、近所の浮遊霊、神様まで多士済々といったところだ。
始めは美神も「なんでエミまで・・・」とかぶつぶつ言っていたのだが、もともとお祭り騒ぎが嫌いではない方なので結局は一緒になってあれやこれやと準備していた。横島はといえばメシに女の子と普段欠けているものを一気に摂取するチャンスに他ならないと言う事で一も二も無く準備に参加(妨害?)をしている。

ピンポーン

「あら・・・誰かしら?仕事は休みにしてあるはずだけど・・・横島クン、出てくれる?」

頭からダラダラ血を流したま横島が下の階の玄関に向かう。すぐに下の階から声と物音が聞こえて来る。

ガチャ
「へーい。美神除霊事務所にご用でしょうか?」
「キャアアアッ!お、おのれ化け物。さては美神さんたちに害を成そうとしているものの一味ですね!この小竜姫が仏法のもとに裁いてあげます!」
「な・・ち、ちがいますって俺ッすよ!俺。横島ですって!」
「問答無用!横島さんの名まで語るとは・・・外道め!」

バスッ ザンッ ズシャッ・・・ギャアアアッ
数秒間を置いて断末魔の声が響く。

「こうしてエロ魔王横島は竜神小竜姫によって成敗された・・・めでたしめでたし、と」

「な、何馬鹿なこと言ってるんですか美神さん!早く助けに行かないと・・よこしまさーん!」
焦った顔でパタパタと下に向かうおキヌ。いかにも「しょうがないわねー」と言った顔でそれに続く美神。

「ふーい。ばあちゃんに会って来ちまったぜ。」
おキヌの治療と相変わらずの不死身振りにより何も無かったようにソファに座る横島。

「本当に・・・申し訳ありません。」
真っ赤な顔でうつむく小竜姫。服装が道着ではなく、下界に来るときに着るいつものジャケット&スカートなことも手伝って神の威厳などかけらも無い状態だ。

「いえ・・いいんですよ小竜姫さま。ただ・・ただ・・」
「何です?横島さん?私に出来るお詫びでしたらどうぞ、遠慮無く言って下さい!」
罪悪感からであろう、横島の手を握り真剣な顔で尋ねる小竜姫。よせばいいのに・・・
美神がうんざりした顔で突っ込み用の神通鞭の準備をする。
「小竜姫様ッ!ただ僕は貴方とのめくるめく法悦の一時をおおおおッッ」

「このワンパターン汚れ芸人がアアアッ!」
神剣がひらめき、神通鞭がうなりをあげる。

「お・・おキヌちゃん・・・治療を・・・」

足にすがる横島の右手を無常にも蹴り飛ばしたおキヌは小竜姫に質問する。
「そういえば小竜姫さま、今日はどうなさったんですか?イブは明日ですよ?・・・まさか間違えて一日早く来ちゃったとか?はははっいくら世間に疎くてもそんな事あるわけ無いですよね?」

「えっ・・・ま・・・まさか、私だってそこまで酷くはないですよ。は、はは・・」
声に出さなくとも「ああっしまったああああ!」とその顔が言っていた。

「・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・・」

「ま、まあ折角来ていただいたんだし。ご迷惑じゃなければ準備を手伝ってもらえますか?」アシストになってないフォローをいれる美神。

「いえ、迷惑だなんて・・・・それに、一度こういう準備をしてみたかったんですよ、私。」

「じゃあ決まりですね!さっ・・上にいって準備しましょうか、飾り付けとかわかります?」

わいわい騒ぎながら上の階に戻る女性三人。後に残された半死の横島は・・・・
なぜか、悲しい顔をしていた。

「そういえば・・・お前とクリスマス過ごしたことはなかったよな・・・」
天井を見ながら彼は誰かに語りかけるようにつぶやいていた。



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