A REBELLION AGAINST HEAVEN(18)
投稿者名:ラクン
投稿日時:(01/12/12)
「移動式霊波砲・・・」
小竜姫の顔が一気に青ざめる。
横島もジークの言ったものがなんなのかわからなかったが、小竜姫の反応でどうやら相当危険な物らしいという事は想像できた。
「あれは五千年前の神魔大戦の終戦時に全て破棄されたはずじゃ・・・」
「実は・・・魔界の過激派が極秘裏に新型を開発していたらしい。上層部もそのことには気づいていたが下手に過激派から押収しようとすれば内戦状態になる可能性もあったのでしばらく様子を見ていたのだが・・・今回の神魔界の戦争にそれを持ちこまれてはまずいと、魔界のトップクラスの実力を誇る者達を集めた精鋭部隊を送り込んで霊波砲を押収したのだが・・・保管庫に輸送する途中で何者かに奇襲を受け、奪取されてしまった。報告によると部隊はほとんど壊滅状態とのことだ・・・」
「でもいったい誰がそんな事・・・」
ジークが質問に答える代わりに懐から一枚の紙片を取り出し小竜姫に手渡す。
「!・・・これは・・・」
横島が横から紙を覗くが、そこにはギリシャ文字のような模様が並んでいるだけでさっぱり理解できなかった。
どうやら神魔界で使われている文字のようだ。
「何が書いてあんだ、これ?」
横島が紙を指差しながらジークに尋ねる。
「今回の一連の事件を起こした犯人達の要求だ、神界、魔界にそれぞれ一通ずつ届いている」
「で、なんて?」
「『一つ、我々の存在を一般神族、魔族に公表することを禁ずる
一つ、我々を追跡することを禁ずる
この二つが守られない時は直ちに移動式霊波砲を用いて人間界に存在する全生物を消滅させる』
だそうだ」
ジークが拳を握り締める。
「ちょ、ちょっと待てよ!その移動式・・・霊波砲ってそんなにヤバイもんなのか?」
脅迫文を読み終え、元通りに折りたたみながら小竜姫が答える。
「ええ・・・神魔界の歴史上、最強かつ最悪の兵器です。
一言で言えば霊気を圧縮して加工した種種の霊波砲弾――強奪された誘導式拡散砲弾もその一つです――を撃ち出す移動式砲台なのですが・・・」
「動く砲台がそんなに危険なんスか?」
「問題はその威力なんです。砲弾に使用される霊気は神魔界の要所に点在する『風穴(ふうけつ)』と呼ばれる非常に純度の高い、高質な霊気を噴き出す穴から採取されていて火力が他の兵器に比べて桁外れなんです」
「具体的にはどのくらい・・・」
「被害報告の書類の多くが戦火で焼失してしまったので定かではありませんが、東京を一瞬で海岸線にすることが出来るほどの威力は優にあると思います。」
「威力に差はあるが人間界で言うところの原爆や水爆にあたるな」
ジークが付け加えるが、横島はともかく、つい先日籠で上京して来た小竜姫はなんのことかさっぱりと言った風だった。
「よくわからないですけど・・・とにかく、霊波砲を設置できる場所は先ほど言った風穴にかぎられているので神魔族は双方、霊波砲の場所は察知もでき、迎撃準備も可能だったので辛うじて均衡が保たれていたのです」
「しかしある日神族と魔族に移動式霊波砲の技術が流れてきた」
話し手がジークに変わる。
「何者が技術を流してきたかはわかっていないが、当時の神魔族の軍部はこの画期的な兵器に飛びき、大量に生産して戦線に送り込んだ。従来の霊波砲は設置場所が限られている上に建造にも膨大なコストを必要とするのに対し、新型の霊波砲は規模、コストともに旧型の1/4で済み、エネルギー源となる圧縮霊気も専用砲弾に注入することで携帯可能となった。おまけに自走機能によってあらゆる地点から霊波弾を射出可能だから、相手側も予測が困難。まさに完璧な兵器と呼ぶに相応しい物だった」
「で・・・結局どうなったんだ?」
大体予想はつくが一応聞いてみる。
「・・・神魔族の人口はたった一週間で1/10以下になってしまった。軍部も漸くこの兵器の恐ろしさがわかり、すぐに終戦協定が開かれ現存する移動式霊波砲は全て破棄することが決定された。移動式霊波砲の登場が結果的に神魔戦争の終結を早めたという説もあるが・・・あまりにも犠牲が多すぎた。」
「・・・そんなモンを人間界に持ちこんだってことは・・・」
「ええ・・・全人類と地球上に住む他の生物達を人質に取られたって事になりますね」
小竜姫が額を掌に乗せ深いため息をついた。
会話文&説明文長っ!こんなんじゃ誰も読まないかも・・・
最初は2時間の映画っぽくまとめようと思ってましたがとても無理そう。
しかし小説書き始めたときから思ってたんですが、横島の口調ってのがどうもつかめませんね。
この時にはこう言うだろうってすぐに頭に浮かんできません。
次に難しいのがヒャクメやエミ、「なのねー」や「ワケ」ばっか言ってるとなんかワンパターンで文が見苦しくなるし・・・。
もっと単行本を読み込まなきゃならないのかなぁと思う今日この頃です。(←この表現もどこかで使った気が)
今までの
コメント:
- 飛びき→飛びつきの間違いです (ラクン)
- 第三勢力の狙いは神族と魔族の共倒れを狙っていたんじゃなかったんだっけ?
霊波砲を魔族側から奪うのはいいとしても、それを神族魔族に知らせて脅迫するのはどうかなあ。
一応、強力な武器を手に入れて優位に立ったように見えるけど、それによって神族魔族は対立するどころかお互いに手を結び、さらには人間のGSたちもこれに協力すれば、この第三勢力はもろに圧力を受けることになりはしないだろうか?
それともまだ何か、切り札があるのかなあ。
それにしてもジークさん、そんな重要機密を人間の横島なんかに教えてもいいのかい!!(笑) (JIANG)
- これからの展開に期待を込めて。 (JIANG)
- 実に解り易く纏まっていると思いますよ。
恐らくは背後に余程の実力者が控えているのでしょうが、やはり兵器開発競争は割りに合いませんな。説明の節々にジークの若い生真面目さが滲んでいて好いですね。 (Iholi)
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa