ザ・グレート・展開予測ショー

Villi――わがままなぷりんす――


投稿者名:ロックンロール
投稿日時:(01/12/11)

「余は行くぞ! 絶対っ! ぜ〜ったいっ!! 行くぞっ!!」
「駄目ですっ! 殿下!! この間、『大人になった』って仰っていたじゃありませんか!!」
「それとこれとは別問題じゃっ! 余は絶対行くからな!!」
「だ・め・と・言っ・た・ら……………………駄目ですっ!!」
「…………わ・分かった……」


 小竜姫も意外に甘いものだ……
 竜王嫡男・天竜童子は、結界破りを懐から取り出しながら思った。自分を甘く見ているに違いない。これは一度お灸を据えてやらねば……
 どのようにするか?
 無論…………
(脱走じゃっ♪)
 屋根に登り、結界破りを起動。自らが通れる小さな穴をあけ……疾走。いや、疾翔とでも言うのか? とにかく、一目散に下界を目指す……
 その折り。
「待ちなされ! 殿下!!」
「我々が通しませぬぞ!!」
 目の前に立ちふさがる鬼二鬼。小竜姫の命で、警戒していたに違いない。……やられた!
「な・な・なぁ、鬼門……余はどうしても下界に行きたいのじゃが……駄目か?」
『駄目です! そんなことをすれば、我々が小竜姫様に叱られます!』
 ハモって言う。どおしても自分を通す気はないらしい。作戦その1、『頼み込む』失敗。
「ならば、余がその事を小竜姫にとりなしておいてやろう! ついでに、主らに小判百枚ずつ! これでどうじゃ?」
『駄目です! 小竜姫様が赦して下さる訳が……訳がありません』
 再びステレオで怒鳴られる。最後のほうは少し尻すぼみになっていた感があるが…… 作戦その2、『丸め込む』失敗。くそ、あの横島とか言う男は、これであっさりこちらになびいたのに……
「ならば……」
 作戦その3……
「主らが、余の力に勝てるとでも思っているのかのう……」
『えっ……?』
 ここまでもステレオで、驚愕する鬼門ズ。作戦その3、『脅す』! 脈ありっ!!
「小竜姫までとは言わんが……余も竜神族の息子…… 鬼二鬼には勝てるのう……」
『……お供しましょうっ!!』
 ……早い。我ながら惚れ惚れする『ねごしえぇと』能力だ。これで、鬼門の二鬼は自分の味方だ。また『敵側』になびく恐れはあるとしても……
「それで殿下、何処へ行かれるのですか?」
 右の鬼門が訊ねて来る。無論、答えは決まっている。
「東京デジャヴーランドじゃ!」
「分かりました! 我々鬼門が、死んでも(死にたくはないので)貴方をデジャヴーランドへお連れします!」
「うむっ! 頼むぞ、鬼門!」


 東京、都心の『でんしゃ』の中。
「殿下ぁぁ〜っ!!」
「何だぁ〜っ!?」
「何処におられるのですかぁぁぁ〜っ!?」
「ここだぁぁぁぁぁあああああああーっ!?」
 突如その勢いを増した人ごみに押し流される。七百年生きているにもかかわらず……身長が……駄目だ。
「殿下ぁ〜!?」
 鬼門の声も遠くに聞こえる……息苦しい……駄目だ……呼吸が出来ない。
「じ……ジぬ?(し……死ぬ?)」
 そんな馬鹿なことが……? 竜神たる自分が、人の都で、人に押しつぶされて死ぬなんて……
「……?」
 突如、負荷が軽くなる。見ると……
『でんしゃ』の扉が閉まっていた。
「鬼門ーっ!!」
 彼は力いっぱい叫んだ。


「全く! だから行ってはいけませんと言っておいたでしょう!? パピリオが後ろから(蝶形態で)ついて行かなかったらどうなっていたと思うんですか、殿下!」
「…………うぅ……」
「今回は私のおかげで助かりまちたね〜♪ これで天ちゃんは私に借り一つでちゅね〜♪」
「…………うぅ……」
「今後、一切無断行動は許しませんからねっ!! パピリオもっ!!」
「えぇーっ! 今回は私のおかげで助かったんじゃないでちゅか〜」
「…………うぅ……」
「だから、今回のパピリオの無断行動は不問にします」
「わーい♪」
「…………うぅ……」
「あの、小竜姫様……左のが見つかったんですが……」
「連れてきなさい! 早く!」
「…………うぅ……」
「とにかく! 今後は絶っっ……対に目を離しませんからね! 結界も強化するし、お父上にも進言します!!」
「あううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ」
「ところで小竜姫〜 東京デジャヴーランドって、結局何処にあったんでちゅか? 見つからなかったでちゅけど。蝶になって上から見ても」
「……さぁ? 横島さんにでも訊いて見れば?」


 と、いう訳で。
「パピリオ……あれは、『東京』ぢゃないんだ……」
「えっ? どういう……」
 ガチャ ツー ツー
「……結局どういうことなんでちょうね……?」
 黒電話の前で――ちなみにそこは、童子がいまだに説教されている部屋の前でもある――パピリオは首をひねったのだった。

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