ザ・グレート・展開予測ショー

妖怪の総大将?


投稿者名:ガーディアン
投稿日時:(01/12/11)

美神除霊事務所
 今日の晩ご飯はアンコウ鍋。わざわざ業者に頼んで解体したアンコウを丸ごと一匹持ってきてもらったのです。えっ、なぜアンコウ鍋かって?それは美神さんがテレビの料理番組を見て食べたくなったからです。
「さあ、もうすぐ煮えますよ〜。」
と、おキヌちゃんの一言で箸を構える、美神、横島、シロ、タマモの4人(厳密に言うなら2人と2匹)。
「最初に箸をつけるのは私だからね!」
「俺アンコウ鍋ってはじめてっす。」
「拙者も初めてでござる。」
「アンコウ鍋と油揚げってどっちが美味しいのかな。」
それぞれが今か今かと待ちわびたとき、
「煮えましたよ〜」
と蓋を取りながら言ったおキヌちゃんの一言で一斉に箸を動かした。取り合いの始まりである。
「ハフハフ、やっぱり冬に食べるアンコウはおいしいわね〜」
「はふはふ、本当に身がぷりぷりしてておいしいですね〜」
「ふ〜ん、結構おいしいじゃない」
「ガツガツ、ガツガツ」
「ガツガツ、ガツガツ、ガツボリバキ(?)」
アンコウ鍋のおいしさを表現する2人と1匹。そして、獣のごとく一心不乱に食べる1人と1匹。
「プハーッ、やっぱりアンコウ鍋には冷やが1番ね」
「いや〜、まったくアンコウ鍋は冷酒が利きますね〜」
美神が冷酒を飲む横から老人もまた美神の冷酒で一杯飲み始める。
「アンコウって本当に肝がおいしいですね〜」
「まったく、アンコウの肝はトロ〜としてておいしいですね〜」
おキヌちゃんが箸を伸ばすと老人も箸を伸ばしアンコウの肝を取る。
「あっ、お嬢さん、ごはんを少し、おねがいできませんか?」
空の茶碗をおキヌちゃんにむけると「あっ、はい」となんのためらいもなく、ごはんをよそる。
「「「「んっ!!!!」」」」
さすがに美神、横島、シロ、タマモ、の2人と2匹気づいた。そう、美神とおキヌちゃんのあいだに見知らぬ老人が座っていてアンコウ鍋を食べていたのである。愕然としたのは美神であり、それ以上に愕然としたのはシロとタマモである。そう、この2匹に気づかれずにこの老人はここにいたのである。
 「どうしたんですか?」
と未だに気づいていないおキヌちゃんが問う。
「おキヌちゃん、このじじいだれ?」
「えっ!」
さすがに美神に言われて気づき驚くおキヌちゃん。
「ほっほっほっ、ただの通りすがりのじじいでございます。お構いなく」
「その通りすがりのじじいが、どうして私のとなりで晩飯を食べてるのよ」
冷ややかに言う美神だが、
「いやいや、こりゃまた、痛いところを・・・・。そんなことより、この白菜もしんなりと煮えて、いや、なかなか・・・」
と、まったくこたえず、鍋の中身だけが、どんどん無くなってゆくのだった。
わけのわからんじじいよりも、まずは鍋。美神がそう決め、皆が従って数分後には最後のひときれ、鍋の底にアンコウが残った。
「この最後のひときれは私のよ」
「そんなのずるいっす」
「そうでござる」
「わたしもほしい」
美神が箸を伸ばし言えば、横島、シロ、タマモも箸を伸ばし主張した(さすがにおキヌちゃんはおなかがいっぱいになり遠慮した)。あわやケンカ(美神の一方的な)になるところをなぞのじじいが鍋の汁を飯の上にさらいながら、
「まあまあ、ここはひとつ公平に、恨みっこなしのじゃんけんといきましょう。じゃんけんと」
と、言ったのでなぜか皆それに従った。
「じゃ〜んけ〜ん、ぽん!」
・・・・・・・・・・・・・25回のあいこのすえ、美神が勝ち取った。
「ふ〜、おいしかった。さてと、じじい!って・・・・いない」
そう、美神とおキヌちゃんのあいだに座っていたなぞのじじいはいなくなっていた。あるのは空の茶碗だけ。
「どこに行ったの?シロとタマモ、知らない」
「しらないでござる」
「っていうか、匂いさえも消えているのよ」
「人工幽霊一号は?」
『申し訳ございません。私にもわかりません。気づいた時には中にいて、気づいた時には居なくなっていました』
「・・・あのじじい何者なんっすかね?」
「人間ではないし、妖怪にしては妖気をまったくかんじなかった。・・・まさか、ぬらりひょん」
「えっ、なんですかそれ」
「妖怪の総大将よ」
「・・・あのじじいが?」
「そうよ、ぬらりくらりと本性を見せない妖力の持ち主」
「拙者も長老から聞いたことがあるでござる。巧みな話術で妖怪同士の争いや人間との争いを収める調停者のような妖怪でござる」
「・・・でも、なんだってそんな妖怪がここに来たの?」
「「「「さあー」」」」
ただただ一同首を傾げるばかりである。



これ以来、なぜかごちそうがでるたびに、いつのまにか、このじじいはたいてい美神とおキヌちゃんのあいだに座ってごちそうをたいらげて行くのである。
「ただのただ飯食いのじじいじゃないの」(byタマモ)
「ほっほっほ」

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