ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラ復活の日々最終章更に別版(完結編)。


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/12/ 7)

「…そろそろみたい」
力が失われていくのを感じながらルシオラ。
「っ!」
横島は息を呑んだ。
一瞬息をするのすら忘れてしまう。
わかってた事だ。
覚悟もしていたし、それを受け入れるために苦しんだ。
だけど、目の前で消えるのだ
彼女は
跡形も残さずに。
自然に生まれた生き物は、体を残して死ぬ。
それは、当然のことであり、その亡骸があるからこそ
人は認めるのだ。
―死ぬということを。
否、認めされられるのだ。
だけど目の前にいる女性はそれが無い。
亡骸を残す事無く何もなかったかのように死んでいく。
それは、自然なものではない故の運命のようなものだろうか?
―それでも、彼女にはこころがある。
自分が誰よりも愛しいと思うこころが。
それは、作られたものではない。
それは、彼女のもっていたもの。
彼女が得たもの。
「…もうすぐだな」
意味なく泣き叫びたいのを堪え、横島。
「うん、だからね…抱きしめてもらっていい?最期まで…」
すこしばかり自信なさそうにルシオラ。
まだ体は震えている。
「…ああ」
そっと壊れ物を、大切な宝物を扱うように抱きしめる。
「あったかい」
震えが止まる。
「うん。やっぱり、私は幸せだなあ」
横島の腕のなかで幸せそうに微笑みルシオラ。
「そおだろ…っ…こんないい男にっ…だかれて死ねるんだぜ…っそうめったにねえぞこんなこと」
歯を食いしばり、嗚咽を漏らさないように、涙を流し横島。
ソノ目はずっとルシオラだけを見ている。
ぽたり
と横島の涙がルシオラの頬を伝う。
「…うん、…ほん…とう」
ゆっくりと暖かいはずの体から体温が失われていく。
徐々に光りが大きくなっていく。
「だから………こんど、うまれ……かわった…ときは…ふたりでしあわせに」
ずっと
どちらが泣く事もないように。
そしてほとんど自由の利かない、いやもう聞くことのない体で横島の首に手を回しそして
―口付けをする。
それは、触れるだけの軽いもの
そんなことをされると思ってなかった横島は、軽く目を見開く。
「…だから…あおうね…やくそく…だよ…このつづきしよう…」
満面の笑顔。
そして―消滅。


残ったのは横島が送った指輪だけ。
ひんやりとした冷たい感触が手の中に残る。
「…ああ、」
また逢おうな
覚えてなくても。
わかんなくても。
絶対に
だけどな―
だけど、おまえが今居ない事が哀しいんだ。
だから
「っ!!ああああ…」
泣いていいか?
やっとおもいっきり泣けるんだ。
我慢しなくてもいいんだ。

やっと認められるんだから。
―おまえが死んだことを。

そしてエピローグへ。

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