ザ・グレート・展開予測ショー

ルシオラ復活の日々最終章更に別版


投稿者名:hazuki
投稿日時:(01/12/ 3)

ソノ日はよく、晴れていた。
きっと夕暮れ時になれば見事な、美しい夕日を見ることができるであろうと思わせる晴天
屋根裏部屋にあるベットにルシオラは横たわっていた。
ルシオラがどうしても居たいといった場所。
この世界から、消えるならばここから消えたいと思う場所なのであろう。
もちろん今の住人はシロとタマモであるのだから、借りるのには許可がいる。
―もちろんこの状況で部屋を開けわたさない二人ではないが。

最期だからと
事務所のみんなには出て行ってもらった。
本来ならみんなで見送るもののはずなのに。

一人一人、出て行く前に声を掛けていく
「アンタは、男の見る目はあったと思うわよ?」
最期のわかれだと言うのにひどく晴れやかに、だが寂しそうに美神。
「―もちろん」
満面の笑みでルシオラ。

「…っ…っ…ご、ごめんなさいっ…わたしなんかより貴方のほうが辛いはずなのに…」
何度もなにか言葉を紡ごうとしてそれでも、言葉に出来ず最期には大粒の涙をこぼしながらおきぬ。
「泣かないで…うん。大丈夫だから」

「あのっそのっ元気をだすでござるっ」
ぐっと両手をにぎりしめシロ。
ぱしん
とソノ隣にいるタマモから平手打ちが飛ぶ。
「馬鹿」
とこの上もなく冷たい声で一言そして、ルシオラのほうをみて
「自分の死に場所を選べるって幸せものだと思う」
と一言。
ソノ言葉だけ聞くとつめたささえ伺えるが表情が、違っていた。
「うん、私もそう思う。」


そして、傍にいなければならない横島は今ここにはいなかった。
どうしても用意したいものがあるといってここにルシオラを送ったあと急いで外に出たのである。
誰もいなくなった場所でルシオラは、ひとり外をみていた。
かたかたと体が震えている。
―怖い
―死にたくない
―いっしょにいたい。
そんな思いがこころのなかに溢れる。

わかってる
全部
わかってる。
今日までの数日間後悔なんかしていない。
むしろ、感謝すらしている。
ほんの少しとはいえ傍にいられたのだから。
ここで満足しなければいけない。
―未来を望むなんてただの我侭だ。
それでも、望む自分がいる。
これでいいと満足する自分とともに。
もっともっと長い時間を

「傍にいたい…な」
それはヨコシマが傍にいたならば絶対に言わなかった一言。
言えば横島は悲しむのがわかっていたから。

その瞬間だんっ
とドアが開く音がしたと思ったら続いて階段を上る音が聞こえて
部屋のドアが物凄い音をたてて開く
目の前にいたのは肩で息をしている横島。
手には小さな箱を持っていた。

「ヨコシマ?どうしたのそんなに息をきらして?」
まだ自分が消えるまでは時間があったはずだけどと首をかしげる。
「あのなあ……オマエにあいたい…からに…きまってるだろ」
息もたえだえにヨコシマ。
そういいながらそっとルシオラの傍へといく。
そして差し出される箱―いや指輪。
もちろん高いものではない。安物の、シルバーの指輪である。
シンプルで何もついてないただの指輪であった。
つづく

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