ザ・グレート・展開予測ショー

君がいるだけで(17)


投稿者名:JIANG
投稿日時:(01/11/29)

「ふん……。それじゃあ今回の件は人間たちのせいで、あんたたちは責任はないって言う
のかい」
 場の緊張感が一時的に溶けかけたがベスパの言葉がそれを許さない。同じ姉妹のパピリ
オも顔を真っ赤に膨らませてヒャクメたちをにらみつけている。
 彼女らの不穏な様子を見て、ワルキューレや小竜姫、ヒャクメらは気まずい思いで再び
顔を引き締める。 
「冗談を言っている場合ではありませんでした。すいません」
「まあ、いいさ。あんたたちには所詮他人事だからね。これ以上ここで話してもラチがあ
かないようだし、ルシオラのことに関してはこちらで勝手に動くことにするよ」
 ベスパは席を立って部屋を出ていこうとするが小竜姫が慌てて止める。
「ちょっと、待って下さい。ベスパ、あなた何かあてでもあるのですか?」
 ニヤリと笑ってベスパは振り返る。
「ああ、あるとも。動きが遅いあんたらと違って私らはもういろいろと目星はつけている
んだよ」
「私ら……? ベスパ、あんたの他に誰か協力者がいるのか?」
 ワルキューレはベスパが魔軍に入ってからの直接の上司であり、保護観察人でもあるで
ある。彼女の行動を一番知っている、そのワルキューレが疑問の声を上げる。
「ああ、それはワシのことじゃよ。」
 ワルキューレの疑問に答えたのはジークフリードの横で今の今まで置物のように黙って
鎮座していた土偶羅魔具羅であった。
「な、なんでおまえが!? いつの間にベスパと連絡を取っていたんだ?」
 隣にいたジークフリードがのけぞるようにして、驚きの声を上げる。
「ベスパの眷属を使ってな。同じ魔界にいる者同士だから比較的容易だったぞ」
「妖蜂をメール代わりに使ったのか……。妖蜂など、魔界ではめずらしくないからな」
「盲点でしたねー」
 ワルキューレが溜息を吐き、ヒャクメも感心したように言う。
「それで、ベスパから連絡を受けたワシが魔軍情報部のメインコンピュータにアクセスし
ていろいろと調べたわけだ。まあ、魔界で再生されたときアクセス制限処理を施されてさ
れておったのでレベルB程度の情報までしか覗けなかったが、それでも必要な情報は得る
ことができたわい。ルシオラを復活させるためのな」
「じゃあ、そういうことで私は行くよ。――パピリオ、おまえも来るかい」
「もちろんでちゅ。ルシオラちゃんが復活するのなら協力するでちゅ」
 パピリオも勢いよく席を離れると、ついでとばかりに土偶羅をひっつかみ、ベスパのも
とに駆け寄る。
「パピリオ! 仮にもワシは元上司だぞ。もっと丁寧に扱わんか…!」
 小竜姫があわてて席を立ち、彼女たちを呼び止めた。
「お待ちなさい、パピリオ。ベスパも待って下さい。」
 ベスパは背を向けたまま横顔だけそちらに向ける。
「なんだい……」
「あなた方はまだ保護観察処分の身です。自由に行動することは出来ないんですよ。もし
それを無視すれば、再び犯罪者として負われる身になります」
「それで……?」
「ですから提案です。我々が付いていれば、あなた方はある程度自由に行動できます。も
し、ルシオラの復活が可能だというのなら私たちも協力します…。いえ、一緒に協力させ
てほしいのです」
「私にも協力させてくれ。ルシオラと直接面識はないが、横島にはいろいろとカリがある
からな。お願いする」
「私もなのねー」
「ぼ、僕も協力します!」
 小竜姫たち四人は、それぞれベスパとパピリオに向かって頭を下げるのだった。

*** つづく ***

[[予告]]
パピリオ「青い桃の缶詰〜」
小竜姫「…そう簡単には手に入るモノではありません」
ヒャクメ「西王母さまの宮殿に忍び込んで――蟠桃を片っ端から…」

彼女たちの意味深な会話の真意は?
次回いよいよ、ルシオラ復活プロジェクト発動か!? ←この(!?)があやしい(笑)

今までの コメント:
[ 戻る ]
管理運営:GTY+管理人
Original GTY System Copyright(c)T.Fukazawa